« 2006年2月 | トップページ | 2006年4月 »

2006年3月

2006年3月30日 (木)

桜=桜湯=御目出度

桜前線の北上が朝の天気予報のメインになり、各地の満開桜が紹介されて、季節は春真っ盛り。

蕾がほころび始めてから散るまでの短い命を惜しむかのように、日本人はその花を色々な形で愛でる。

日本人と桜の付き合いは古く、福井県の三方五湖近くの鳥浜貝塚からは、縄文人が使ったと見られる桜の樹皮を巻いた弓が発掘されている。

古代から中世の歌集にも桜の歌が多く収録されていて、四季を感じさせる花として、古代から親しまれていたのが分かる。

日本人にとって桜は単なる花の域を超えた象徴的な意味があるのだろう。

生き方そのもの、命の美意識・・・。春が物事の始め(命の誕生)で、桜はその象徴・・・春が旬のピンク色のものは冠詞が“桜○○”になる。

そして、桜は*パッと咲いて、パッと散る*潔さであり、美であり、目出度いのだ。

Dsc00430_1 良く分からないけれど桜は目出度い。だから、目出度い席(とくに結納など)には『桜湯』が欠かせない。

この桜湯に使う塩漬けの桜は、八重桜が開花したばかりの時に摘み、直ぐに白梅酢で洗い塩に漬ける。

約一週間もすれば使える。保存には少し乾かし化粧塩をする。

そろそろ八重桜も咲き出す、間近にある方は“塩漬け桜”を・・・それで炊き込み飯をするのは風趣の極みかも?。

2006年3月21日 (火)

春の牡丹と秋の萩・・・その心?

Photo_372 半殺し・・・何とも物騒な言葉だが、ご飯(餅米に粳米を混ぜて炊くが、割合は地方により若干違う)を擂鉢に入れ、擂り粉木棒などで潰したものを言うらしい。

この言葉は、安達が原に住んでいたとされる伝説《山姥》に怯えていた旅人が、その夜の宿の主人が「明日の朝は“半殺し”がよかべぇ」と言うのを聞いて逃げ出した・・・との話に出てくる。

ご飯を擂り粉木で軽く潰す=ご飯を半殺しにする。

それに煮た小豆などを塗して提供するのは、貧しい農村部の田舎宿では最大級のもてなしだったろうに。

この“半殺し”を卵型に丸め、小豆餡・白隠元餡・豌豆餡などの餡を塗したものは、いまでは春や秋の彼岸に欠かせない。

Photo_373 同じ作り方でも、春には『牡丹餅』と呼ばれ、秋なら『お萩』と呼ばれる。季節の花に名を変えるのが面白い・・・いや、風情か??

中に餡を忍ばせ、砂糖を入れた擦り胡麻や黄な粉を塗したものも人気らしい。この2~3日のス-パーの店頭は『牡丹餅』のオンパレードだった。

2006年3月20日 (月)

日本人と桜・・・!!

桜前線が見えてくると、なぜに心が騒ぐのか?・・・、今回の野球ワールド杯の、特にイチローの《眼》。あれが日本人の本質、日の丸を背負うと、日本人は皆武士になる。パッと咲いてパッと散る・・・咲くも散るも“美”の心。七つ釦の意気。桜は日本の国花。

自分でも、何を言っているのか分からないほど、桜は心を乱す。

暖かく、柔らかな風・・・南の方角からの風は悩ましい。こんな風を広島や瀬戸内海沿岸では『桜まじ』と呼ぶと聞いた。“まじ”とは南風のことで、桜の開花を促す温かな南風を季節の節と、喜ぶ気持が込められた言葉だと、聞いて以来好ましく覚えた。

待ち望む桜の開花が《桜まじ》で一夜にして叶うこともある、暖かい春の南風。「春は三月、桜まじ」と謳う気持が伝わってくる。

平均気温が10度、これが桜の開花の目安と言われ、その一日・二日の差が経済を左右する・・・色気の無い話は置いておき、『桜前線』は日本人の関心事。なぜ、日本人は“桜”なのだろう。

桜鯛・桜海老・桜餅・桜○○・・・、咲くも美、散るも美。

2006年3月19日 (日)

あなたの呼び方は白子・雲子・菊子・どれ?

Photo_177 魚に雪で=鱈(たら)と言うだけに、本来は冬の魚だ。

ただ、最近は日本近海の漁獲が減り、オホーツク・アラスカ方面の漁場が主になってきているから、かなり遅い時期まで生の鱈(勿論、真鱈のこと)が出回る。

アメリカやカナダ・ロシアからの輸入も増えた。

今日はそんなアメリカから輸入の《鱈の白子》を見つけた。輸入物とは言え、生の白子はこの時期ではそろそろ終わりだろう。

暮れと正月の2度、馴染みの料理店で日本近海の生白子を刺身と、霜降りポン酢で食した。Dsc03545_2

何しろ、スーパーの店頭に並ぶのは『スケトウ鱈の白子』か、真空パック入りの加熱済み白子がほとんど。どちらも真鱈の生白子とは・・・言わずとも知る人は・・・。

このアメリカからの生白子も、何となかなか形良くプリッとして旨そう、だからGET。

卵が喜ばれる魚は数多いが、白子が珍重される場合は少ない。

まず何たって河豚か?。その白子の味は、皇帝をメロメロにした傾国の美女・西施の乳を思わせるとして『西施乳』と呼ばれるくらいだが、新鮮な真鱈の白子もそれに負けないくらいの味だ。

白子は地方により、人により呼び方が“雲子”とか“菊子”となる。近海の鮮度の良い物は、生で山葵醤油がいけるが、サッと湯通ししてポン酢&紅葉おろしで酒肴が手軽。

2006年3月11日 (土)

たかが鰯、されど鰯

『鯛と鰯』は、ほとんどの人が、鯛のほうが高級魚だと思っているだろう。

それでは、どちらが美味しいのだろう。

そんな質問をした人がいたという。しかも正解は“鯛”になっていたそうだ。

好みの問題だから、一概には言えないが、私が思うには甲乙付け難いのではないだろうか。

大体「鯛と鰯」なんて、味の比較が出来る訳が無い。

青背の魚と白身の魚とでは旨さの根っこが違う。

例えば「鯛と平目」なり「鰯と鯵」なりはまだ分かる。が、違う魚を比べるのは魚に失礼だ。

鰯の料理を幾つか並べてどっちが旨いか?、鯛の料理ではどう調理したのが旨いか?・・・それが比べるということだと思うよ。

いまの季節なら潤目鰯がいい。

鰯の中でも一番丸みのある魚形で、厚い脂瞼という透明な脂肪膜が目に被さっている。

そのため目が潤んで見える(魚名の由来)。

目刺し・丸干しを遠火の強火で表三分裏八分に焼く。

生にしろ干したものにしろ青背魚は焼きたてを、冷めたら味は半減以下。

大根おろしやおろし生姜をそえて・・・。たかが鰯なんて言えない上々の味わいだ。

真鰯は『入梅鰯』がいいとされ、これから初夏に向かって出盛り。

鮮度が命で「鰯コ七遍洗うと鯛の味」と漁場では言われていた。

塩水で洗い、すぐ真水を替えながら洗う、これで臭みを取る。

下ろしてからはあまり洗わない。

臭みの消えた鰯は刺身でも、叩きでも旨い。トロの舌触りで鯛に勝かも・・・

鰯は鮮度が良ければ刺身、煮ても焼いても干しても良い。

つみれは汁の具、薩摩揚げ風、竹輪、ハンバーグなどにも。蒲焼もいい。

確かに天然の鯛は高級魚だから、滅多に口に入らない・・・だから、うまいと思う。

しかし、もし朝から晩まで鯛料理なら、鰯料理のように飽きずに続くだろうか???。

近年は市場の鯛の多くが養殖で、かつての高級魚の感は無い。

反面で養殖していない鰯の漁獲が減って、鰯が大衆魚から高級魚にランクアップしそうだ。

旨い鰯は何時までも大衆魚であって欲しい。

料理も多種多様、DHA&EPAで頭脳明晰・老化防止、丸ごと食すればカルシウムも・・・《たかが鰯、されど鰯》・・・鰯を美味しくたべよう!!

2006年3月10日 (金)

《愛女魚》なんて艶っぽい?

Photo_374 愛する女・・・だなんて、何と艶っぽい・・・アイナメという魚のこと。

アイナメは『愛女魚』とも『鮎並』とも書く。

『愛女魚』なんていかにも艶っぽく、きっと美しい姿形・色合いの魚かと思いきや、エッというほど地味な魚だ。

『鮎並』と言うからには味は鮎に並ぶほどか?・・・まあ鮎の味とは違うが旨い魚ではある。

人によっては脂の乗る夏が旬だと言うが、一般的にはあまり脂の乗り切らない3~4月が旬と言われる。私も春のアイナメが好きだ。

関西や四国ではアブラメ、東北・北海道ではアブラコ、新潟や石川ではシジュウ(始終漁れるから)などと、地方によっていろいろな呼び名があるらしい。

産卵期の晩秋から師走を除けば、いつでも漁れる魚ではある。

この魚は小骨が多く、鱧のように《骨切り》を丁寧にする必要がある。

骨切りをすれば、刺身・照り焼き・塩焼き・煮つけ・魚田・吸い物など、どうたべても旨い。

小振りなら素揚げにして酢漬けにする・・・低温の油で時間をかけて揚げ、さらに少し温度を上げて二度揚げにする。さらに酢に浸すと、小骨どころか頭も尾鰭も丸ごとたべられる(カルシウムばっちり)。

大きめなら、三枚下ろしにし骨切り、頑張りついでに、卵白と雛祭りに買った白酒を掻き混ぜた白酒(だるま)衣を作って被せ、料亭風に風雅?に焼いてみるのはどうか。

2006年3月 9日 (木)

トロピカルフルーツは春!

どんなに具合が悪くても、何も食べたくないなんてことが無い私も、喉の痛さで、果物だけの朝食にしておこうと冷蔵庫チェック。

定番のバナナ・キウイ・林檎と金柑・・・喉の痛みには金柑だが、あまりに痛い時は齧り付くのを躊躇う。

バナナ&キウイ&林檎に人参を加えてミキサーに。蜂蜜を入れなくても甘味まずまず、少し水で薄めてなんとか喉を通過。

ふと、突然のようにハワイで飲んだ、甘ったるいグァバジュースを思い出した。

あのジュースは何であんなに甘かったのだろう。

グァバだけなら甘さに嫌味が出るはずは無い。いつか自分で作って確かめようと思ったのに、帰ってきたら忘れてしまった。数年前のことがメモが見つかったように記憶から出てきた。

それに連なるように「そうだ、トロピカルフルーツは春だ」の持論も思い出す。

初めて香港に行ったのは丁度今頃、市場の露店にはトロピカルフルーツが山積みされていた。636

ドリアン・ランブータン・スターフルーツ・チェリモヤ・キワノ・マンゴー・・etc。

17年も前の日本では高級果物店か、デパートの贈答品売場でなければ見かけ無いような果物が、無造作に積まれ転がっている。

味を知っていたのはマンゴーくらいだった。聞けば2~7月が生の出回り期、3~5月がピークだという。

トロピカルフルーツは夏!!、そんなイメージはありませんか?。

いまは、ドリアンでさえ輸入され、店頭のトロピカルフルーツの種類は驚くほど増えて、しかもリーズナブルな価格になった。

その輸入も2~3月から量が増えるという。旬はやはり春かも。

バナナ・パパイヤ・パイナップル・アボカドは、ほぼ一年中あるが、マンゴーはこれから7月半ばまでが輸入期。ほとんどは5月いっぱい。

香港で味の初体験をしたドリアンとスターフルーツ&キワノは、ドリアンのあまりに個性的?な味と臭いで、他の味の記憶が消された。

日本に帰ってすぐ、銀座千疋屋や新宿高野で当時輸入されていた種類を次々に試したが、中でチェリモヤとペピーノが印象的だった。

ペピーノはナス科だけに、一見は白いナスという形状だが、味は甘さを少し控えたメロンか?、種子が少なくクリーム色の果肉は生ハムやチーズ・ヨーグルトと合い、ヨーロッパでは人気がある。

お釈迦様の頭部に似た外観のチェリモヤは、アメリカなどで《トロピカルデライト=熱帯の栄光》と呼ばれるに値する芳香とクリーミーな舌触りだ。

マンゴー&マンゴスチンと共に、世界三大美果と称えられる。

いまのところ、グァバはジュース以外に生では見かけない。ジュースなら試さなくてもいいか、と手を出していないが、日本の甘味はどうなんだろう。

2006年3月 1日 (水)

土筆”誰の子、杉菜の子?

Photo_367 土筆(つくし)は杉菜(すぎな)の子・・・唄ではそう言うことになっている。

が、実は胞子茎といって地下茎から胞子を撒くために地上に伸び出た茎。

土筆が枯れた頃から杉菜が芽を出すから、むしろ杉菜の子というよりは”親”かも・・・。

土手や野原に見られるトクサ科の植物で、かつては空き地や公園の片隅にも見かけた。Photo_368Photo_370

私の住むマンション周辺は、アスファルトやコンクリ-トの舗道と綺麗に整備された街路、手入れの行き届いた公園ばかりで、樹木も花々も季節ごとに美しいが、土筆ばかりか蓬もハコベさえ無い。

「これが自然か?」と若干の寂しさもある。

散歩しても季節の花々は楽しめるし、最寄駅も近い、駅ビルには大手スーパーや各種のテナント店、レストラン街、クリニックと揃っていて何の不便も無い。

そんな便利さとの引き換えが土筆・蓬・雲雀・蛙・etc。

作られた自然の中にいて本当の自然は遠くへ出かけて触れるものと諦めている。

蕗の塔やタラの芽は栽培物がスーパ-で手に入るが、土筆だけは売り物になっているのを見たことが無い。

なるべく穂先の固い太った若いものが香りも味も良い。Photo_371

ハカマと呼ばれるツト様の部分を取り除き、良く洗い、茹でてアク抜きをして使う。

和え物・酢の物・天ぷら・佃煮のほか、炊き込み御飯にしても風味があり旨い。

サクッとした歯ざわりが身上だが、かなり摘んで来て時間をかけて下拵えしても、茹でるとほんの一握りで目頭がジィーンとする。

« 2006年2月 | トップページ | 2006年4月 »