♪アカシアの雨~~の季節にはカタツムリ
梅雨はまだ、と思っているが、雨の日が多い今年の初夏だ。
♪アカシアの雨に打たれて このまま死んでしまいたい~~♪
札幌の駅前通りのアカシア並木は、花を付けると壮観で、しかもその芳香は初夏の風に乗って街中に漂い流れた。
ある雨の午後、通りかかると、白い花が、まるで雪でも降った後のように歩道を埋め、さらに、強い雨に混じってパラパラと降り注ぐ・・・突然、先の歌は、こんな情景だったんだ・・・と思った。
安保(日米安全保障条約)闘争の最中、新宿から機動隊に追われたデモ隊の、とくに学生集団は明治神宮絵画館前の広場に逃げた。傷つき、疲れ果てて広場の一角に庇いあうように倒れこんでいる彼らの頭上に、雨と共にアカシアの白い花が降り注ぐ。
ふと「あぁ、このまま死んでも・・・」と、仲間であり、恋人でもある男の腕の中で、女は目を閉じた。男も女も、仲間も、花も、総てが芯まで濡れて冷え切っていた。
一般にアカシアと呼ばれているこの花は、豆科の『ハリエンジュ』で、別名・ニセアカシアだ。アカシアはむしろミモザ(房アカシア)の方だが、ニセアカシアの方がアカシアで通っている。
ニセアカシアの花言葉は友情。枝には鋭い棘があり、互生の奇数羽状複葉で、この葉は日が沈むと閉じる。
いかにも当時の学生運動の闘士たちのようだ。
私が通っていた美術大学では、過激な運動は無かったが、それでも校門周辺には檄文を書いたベニヤ板が立てかけられ、まるで無縁というわけでは無かった。
暢気というか、不勉強というか、闘争の意味も意義もよく分からなかった私は、100%ノンポリで、キャンパスに弁当を持ち込み、友達を集めては、自作の料理自慢をしていた。
たまにだが、助教授や助手が集まりに加わり、フランスはパリへの留学の夢など語り合う。私も父の死が無ければ、留学組の一員だった。一人フランス帰りの助教授がいて「パリに行くなら、カタツムリを食えなきゃ駄目だ」と、知った被りをしていた時季。
当時は、まだエスカルゴの知識が無く、皆でエ~~ッ!!と、ビビッた。本当にカタツムリを茹でて食べた豪傑も現れたが・・・。
その後、この助教授が言ったカタツムリは、実は食用で“エスカルゴ”だと知り、それなら機会があれば食べてみてもいいかなと思っていたが、その機会は、編集者になって間もなく、最高の舞台で訪れた。本格的なフランス料理の高級店『銀座・マキシム』の記念・限定メニューを、取材で食べに行かされたのだ。
幾つかのオードブルに、エスカルゴがあった。マキシムのエスカルゴ料理だ、不味いわけが無い。初体験が美味しいと、それは好物になる。
以来、気に入って、フランス料理の取材の度に、自前で注文して食べてきた。
日本人が蛸や海鼠を食べるのを、西欧人は奇異の目で見るだろうが、西欧人がカタツムリを食べるのを、日本人は気味が悪いと言っていた。何でも、色・形・触感の馴染まない物を始めて食べるのは度胸が要る。馴染んでしまえば何のこともない。
西欧のカタツムリは大別して4種。食用にするのは葡萄の葉に付き、その葉を食べるもの。
ワイン王国・フランスにとっては、この葡萄に付くカタツムリは害虫=大敵だ。取っても取っても増えるカタツムリは始末に困る。「いっそ、食べちゃえ!」と、料理したのだと、もっともらしい説がある。
しかし、古代ローマ人が西欧に持ち込んだと物の本にあり、イギリス人は見た目で食べなかったが、フランス人は美味しいと言われて食べたのだそうだ。
食用カタツムリは、フランスの他、スペイン・イタリア・ポルトガルでも食べる。イタリアやスペインでは田舎煮風の濃い味の煮物。ポルトガルは塩茹で。フランスではオーブン焼きにする。
フランスの葡萄の名産地・ブルゴーニュ産が美味しいと言うが、取って1週間ほどは汚物を排泄させて使うそうだ。
この料理法は、いま出盛りの螺貝で応用すると、かなり旨い、いけるフランス料理になる。
- 缶詰のエスカルゴは水洗いして、さらに白ワインで洗う。
- 椎茸(大1枚)は適当な大きさに切り、シメジ(1/2パック)とエノキ茸(1/2袋)は解しておく。
- フライパンにサラダ油を熱し、ニンニク微塵切り少々を炒め、香りが出たら、1と2を入れて炒め、塩・胡椒で調味。
- コニャックを少量振りかけ、ガーリックバター(50g)を加えて、軽く炒める。
- エスカルゴは串に刺し、茸を盛った器にクレソンなどと添える。
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コメント
「エスカルゴ」!マキシムのものはさぞかしおいしかったのだろうとお察しします。私は、大人になってから初めてフランス料理店で食べて、「味はおいしい・・・。でもエスカルゴの食感・・・カタツムリみたいな形・・・」と一人で悶々と考えてしまい、結局自分が好きな味だったのかどうか良くわかりませんでした(^-^;。
同じ姉妹でも、2歳上の姉は、自分で「エスカルゴ」も「ウサギの肉」も買って調理して食べるほど無国籍な食文化の持ち主です。いろいろ食べられたほうが楽しみが広がりますね!
今度機会があったら、再チャレンジしてみたいと思います。
投稿 riezon | 2006年5月26日 (金) 21時55分
アカシアの雨に打たれて、、、 少し鼻にかかった声の西田幸子の歌 そうか、ばら色さまも学園紛争の世代なんだ。
クラスの友人が○○派の活動家で、みんなでデモに行ったなあ~
機動隊に思い切り蹴られて、身体を引きずりながら下宿へ帰ったっけ、、、
その活動家の彼は国立大の薬学部教授を昨年退官した。
最も優秀で激しい活動家だったクラスメートは、研究室におれなくなってアメリカに渡り、世界的に有名な生化学の研究者になった。
ナベショーは? ず~と隠れ心情左派で普通の企業人を全うしました。
投稿 ナベショー | 2006年5月26日 (金) 23時52分