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2006年7月12日 (水)

カレーの歴史

日々に暑さが厳しくなるが、暑くなって食欲が減退気味でも、不思議にカレーなら食べられる。

夏こそカレーの季節だ。

日本人は他国の料理に似せた、独特の料理を生み出すのが得意。

カツレツ、コロッケ、オムライス、ハヤシライスなどの洋食をはじめ、アンパン、ライスバーガー・・・そう、ラーメンも。

こうした国籍不明の料理は、どれも結構人気がある。

その両横綱とも言えるのが、ラーメンとカレーライスだろう。

本場インドのカレーとは、やはりちょっと違う日本の味のカレーライス。

それは、インドからどう伝わり、どう変化したのか?。

インドでは、日本の主婦が味噌を合わせて“我が家の味”の味噌汁を作るように、各家庭ごとに数種~数十種の香辛料を合わせて独自の味のカレーを作る。

インドが、イギリスの植民地になった1600年代の頃、初代総督がカレーの原料とインド米を、ビクトリア女王に献上。

そのカレーに将来性を見出し商売にしたのが、クロース&ブラックウェルの2人のイギリス人。

原料を一般人が使い易いように粉に挽き『カレー粉』として売り出した。

会社の名は《C&B》、カレー粉は大成功だった。

このカレー粉で作ったソースをインド米にかけた料理は“カリー・オー・リー”と呼ばれ、明治時代初期には、もう日本に伝わっている。

しかし、伝わったカリー・オー・リーは、何と、長ネギ&生姜&韮が材料で、柚子入りの米飯にかける・・・と言う大変身振り。

玉葱が普及していない時代だから、長ネギや韮は仕方無いとして、バターライスが柚子飯になるとは・・・確かに、ご飯の色は黄色だけれど・・・。

その後も、日本のカレーは変身し続け、明治20年代にはソースはうどん粉入りでドロドロに・・・出汁は鰹、醤油や味噌で調味。ジャガ芋もまだ無い。カレー粉を入れたと言うだけの代物。

明治30年代になって、初めて玉葱が使われ、牛乳を入れる家庭も現れた。

ともあれ、食べなれた米飯にカレーが合う・・・と言うのと、世が「西洋、西洋と草木もなびく」風潮で、カレーライス(当時はライスかれー)は、どこの家庭でも大人気。

こうしてカレーライスは、日本の食事として急速に発達・普及した。

インドから、イギリスに持っていかれたカレーは、すぐにヨーロッパ中に広まり、C&B社が“カレー粉”として売り出して大ヒット。

間もなく日本にも持ち込まれたが、日本で作られたカレーは本場インドはもとより、イギリスとも似ても似つかないものに変わっていた。

それでも、明治初期から中期、末期と、材料や作り方に工夫があり、次第にそれっぽいものに近づいてはきたが、大正時代に入り、サラリーマンが増えると、カレーライス(当時はライスカレー)人気はますます拍車がかかる。

大衆食堂がどんどん増え、“安い・旨い・早い”昼食が大流行。丼物、一皿物が売れた。

中で超人気メニューが、丼ではカツ丼、一皿物ではダントツでライスカレーだった。

こうした洋食文化の中心は、東京・神田の『須田町食堂』で、昭和初期になり、庶民受けしていたライスカレーを、レストランの花形メニューとして位置付け、カレーライスにしたのが、新宿『中村屋』と銀座『資生堂パーラー』、大阪・梅田『阪急食堂』の各店。

とくに新宿『中村屋』は、他店に比べかなり高額料金だったが、日本のカレーとはまるで違う味わいで、「これが本場インドの味」と話題を集め、評判になった。

その『中村屋』の、本場インドカレーは、中村屋の娘婿になった、インド独立の志士、ラス・ビバリ・ボーズ氏が作り伝えたものだ。

カレー人気は高まるばかりで、日本でもカレーに魅せられ、カレーに人生を賭けた人を多勢世に送り出した。

キンケイ食品の森村社長、ヱスビー食品の山崎会長などが代表格だろう。

家庭用の、カレールゥや、カレーソースのレトルトパックも、味の多様化・高級化が進み、明治初期のあの“うどん粉、醤油・味噌調味カレー”と“柚子飯”の組み合わせは、想像すら出来なくなった。

ただ、家庭の味が薄れ、メーカーの味になっていくのは寂しい。

せめて、ルゥを2~3種混ぜたり、香辛料を追加したりして、お仕着せの味を“我が家風”に作り変えよう。

枝豆、茄子、グリーンアスパラなど、夏野菜をたっぷり入れて、夏こそカレーだ!

因みに、ハイレベルなクラシック・カレーを紹介(約10皿)しよう。

カレー粉は使っていないから、ある意味では日本の初期のカレー?。ただし、うどん粉ドロドロカレーと違うのは、現代に通用する高級感のある味なのだ。

一流店のシェフから教わった、その店の一番人気カレー(“昔カレー”とメニューに)だ。興味を持った方&時間のある方は是非お試しを。

  • ブイヨンスープ1000cc、薄力粉500g、バター380g、リンゴ2個、人参2本、ニンニク&生姜各200g。
  • 鍋に粉と、溶かしたバターを混ぜ合わせ、アルミホイルを被せて、強火のオーブンに入れ約20分、中火以下にして約60分、中が自熱を発するまで焼く。
  • ミキサーでおろしたニンニクと生姜を加え、焦がさぬようにアルミホイルを被せて、鳶色になるまでさらに中火以下で約60分焼く。
  • スープでソース状にのばし、おろしたリンゴ・人参を加え、中火で掻き混ぜながら2~3時間煮込んで保存。
  • 炒めた牛肉や野菜を、このソースで軽く煮て出来上がり。

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