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2006年9月11日 (月)

嫁にも食わそう『秋鯖』

脂が乗って丸々と肥り、口の中でトロリとするほどの秋鯖は、特有の美味しさ。Photo_392

その味を表す諺として『秋鯖は嫁に食わすな』なんて言うのがある。

そんな古い嫁いびりなど置いておき、美味しいものは皆で仲良く食べよう。

一般に出回る鯖は、主に本鯖と胡麻鯖だが、秋鯖として喜ばれるのは本鯖の方。

『鯖の生き腐れ』の謂われがあるほど、鮮度が落ちやすく、その上、鮮度がおちても分かり難いのが難点。

鯖の鮮度は、眼を見ろ・・・と言うのだが、この時季の本鯖は、脂が瞼にまで蓄えられ、眼が乳白色になっているものもあるくらいだから、不透明な眼の色でも鮮度の目安にはならない。

丸々と身も皮も張りがあるものを選ぶと、脂の乗りが良く、高級魚の鯛などとは違う独特の美味。

本鯖は初夏の産卵直後には、脂が落ちてゲッソリ痩せているのだが、根が貪食家なので、産卵後から旺盛な食欲をみせ、秋に入る頃には肥って、味も栄養も豊富になる。

旬の本鯖は締め鯖、酢の物、昆布締めなどが一番。

塩焼き、味噌煮、船場汁などの定番料理も、もちろん美味しい。

かつて、海から離れた地域の人に、沢山漁れる鯖を運んで売り捌くのにも、鯖は自身が持っている分解酵素で腐り易いので、内臓を取り出し塩漬けにした。

この“塩鯖”は山間の人たちの貴重な海の幸で、とくに若狭から京へ・・・また熊野から大 和へと、塩鯖を運んだ道は“鯖街道”とよばれていた。

京都の“鯖鮨”、吉野の“柿の葉寿司”などは、その産物だ。

鮮度のいい秋鯖を締めて、上質の白板昆布で巻いた『鯖鮨』や、箱に詰めて押しをした『バッテラ』などは、関西の名物だが、最近では焼いた鯖を酢飯に乗せた『焼き鯖鮨』なども人気が出ている。

高級魚のイメージが無かった鯖も、近海物が減り、ノルウェーやオランダからの輸入物が増えた。当然、近海物の値段は高級魚に近づきつつある。

ただ、生活習慣病の予防になるAPE(エイコサペンタエン酸)が豊富なので、この一番美味しい時季にこそ食べよう。

俗に「秋茄子・秋鯖は嫁に食わすな」というのを、どちらも美味しいから“嫁いびり”のように思われるが、秋茄子には種子が無く、子宝を願うあまり・・・。秋鯖は傷み易いので、お腹を壊さぬようにとの思いやり・・・と、解釈したらどうだろう。

鯖のチョイ辛煮(2人分)551

  1. 鯖(2切れ)の切り身が並んで入る大きさの鍋に、出汁(1カップ)、赤味噌と信州味噌(各大1)、醤油と砂糖と胡麻油(各小1)を入れる。
  2. 牛蒡(1/2本)を5ミリ厚さの斜め切り、生姜の薄切りと赤唐辛子の小口切りを各少々を鍋に加えて、火にかけ、煮立ったら鯖を入れる。
  3. アルミホイルを鍋の大きさに形造り、落し蓋代わりに乗せて、中火で約12~15分煮る。
  4. シシトウを加え、さっとひと煮する。

※牛蒡と、赤唐辛子を入れることで、魚の臭みが出ない・・・つまり、誰が煮ても失敗しない。

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