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2006年10月

2006年10月30日 (月)

天婦羅には“芝海老”

最近は、一般店頭では、海外で養殖された大型の海老に押されて、国産の小型海老はなかなか見かけなくなった。

芝海老も滅多に出会えない。

クルマエビ科に属すが、車海老のように模様は無く、淡黄色の地に細かい斑紋が見られる程度。甲殻も薄い。

かつて、東京湾の芝浦辺りで多量に獲れたので“芝の海老=芝海老”と呼ばれた。

東京湾以外、伊勢湾や瀬戸内海でも漁獲される。

小型で、成長してもせいぜい15センチ程度まで。

数がまとまらないと価値が無く、量があって始めて値が付く。

比較的に浅い海に棲息、絶えず泳ぎ回っているので、肉質が締まり味はいい。

とくに天婦羅が美味。621

フライ、サラダ、真薯(真蒸)、酢の物、椀種などのほか、炒め物、スープ、グラタン・・・と、和・洋・中華ほか、どんな料理にしても使える食材。

干すと甘味が増して、料理の幅が広がる。

皮を全部剥き、背腸を取って調理する。

選ぶ時は、透明感のあるものを。

2006年10月29日 (日)

親より子が珍重される“鯔”

鯔(ぼら)、鰡とも書く。

成長するにつれ名前が変わる出世魚。

この魚、変な習性があって、小さいうちは泥を食べる。だからどうしても泥臭さが気になる。

大型になると、その癖もおさまるのか、泥臭さの心配は無くなる。

大きなものなら、洗いや刺身でも食べられる。

秋から冬にかけて、目の上に脂瞼と呼ばれる脂質の膜が出来るので、目が白濁したように見える。

それだけ脂が乗っている証拠で、一番美味しい時季だ。

臍と呼ばれる胃の幽門部は、焼いて粉山椒を振って食べると、なんとも珍味。酒肴にピッタリなので、捨てずにお試しあれ。

Photo_330 さて、親の鯔より珍重され、希少・貴重なのが卵巣で作られる『カラスミ』。

唐から伝来した書道用の墨に形が似ているから付いた名だそうだ。

江戸時代から、すでに「天下の三珍味」といわれ、高級食材だったが、いまでもそれは変わらない。

2006年10月28日 (土)

土の中から木の実?『落花生』

一般的に“ナッツ”とは、木の実や草の実、果物も含めての総称。Dsc02808

しかし、“ナッツ”として普及しているのはピーナッツだろう。

ただ、このピーナッツは、ナッツと呼ばれながらも、実は地上に実らず、地下に莢を作るのだ。

豆科の一年草本で、花はふつうに地上に咲くが、受粉すると子房の基部分が長く伸びて地中に入り込み、そこで結実する。

それで“落花生”とか“地豆”と呼ばれる。

Dsc02804別には“南京豆”とも呼ばれるが、中国を経て渡来したからで、原産地は中南米だ。

『食べ過ぎると、鼻血が出る』と言われるくらい、栄養価が高い。

日本では、千葉県が主産地で、とくに八街が有名だ。

炒り豆で食すのが一般的だが、擂り潰して和え物やピーナッツ豆腐にするのもいい。

菓子の材料にしたり、ピーナッツバターで香ばしい風味を楽しむのも・・・。

2006年10月27日 (金)

“蕪”の親戚は?

Dsc03072 寒くなってくると、蕪の甘味が増して美味しくなる。

ところで、蕪は、その色・形などから、大根の仲間だと思っている人が案外多い。

よく似てはいるが、同族どころか親戚筋にも当たらない。

蕪の親戚は、“白菜”や“京菜”。

蕪の原産地は北欧、2000~3000年も昔から栽培されていた。

一般的には、球形で白いものが多く見られるが、大根のように長いものもある。

色も白とは限らず、赤色(飛騨地方の赤蕪漬けは美味しい)、紫色、青色(私はまだ見たことが無い)もあるそうだ。

地方により、特殊な品種が作られていて、いろいろな名物漬物になっている。

代表的なものでは、聖護院、天王寺、近江、伊予緋、日野などが知られる。 Dsc03211_1

二十日大根(ラディッシュ)と言うのも、大根とは言いながら、実は小さな蕪なのだ。

どの蕪も、多くは漬物にされるが、煮物やサラダもいい。

蕪を摩り下ろして、海老や牡蠣などを入れた器に流し、蒸すと上品な一品になる。

蕪と油揚げ煮物(2人分)624

  1. 蕪(3個)は、茎元を2センチくらい付けて、皮を剥き縦半分に切る。
  2. 油揚げ(2枚)は熱湯にくぐらせ、水気を切って、半分に切り、更に斜めに切った四つの三角にする。
  3. 鍋に、出汁(300cc)、酒(大1.5)、砂糖少々と塩一つまみを入れ、1と2を入れ、蕪が柔らかくなるまで煮る。
  4. 蕪の葉の柔らかそうな部分を、2~3センチに切って加え、サッと煮たら火を止め、蓋をしてそのまま味を含ませる。
  5. 器に盛ったら、柚子皮の千切りを飾る。

2006年10月26日 (木)

長期保存できる“玉葱”

通年、出回る量が一定しているので、旬が分かり難い野菜だ。Dsc02483

春に出回る“新玉葱”と違って、春に種を蒔いて、秋に収穫するものは保存に最適。

市場に出ている期間も長いのは、水分が少なく、貯蔵も楽な嬉しい野菜だから。

この一般的品種は、ボール形をした“エロー・グローブ・ダンバース”で、“札幌黄”と呼ばれて普及した。

佐賀、兵庫、長野・・・と出荷が続き、9月には北海道からの本格的出荷も始まる。

湿気の無い、低温の場所なら、半年以上も保存出来る。

ユリ科で、中央アジア原産。日本には明治時代初期に導入された。

黄玉葱、紫玉葱、白玉葱のほか、小玉のペコロスなどがある。

数千年前からエジプトなどでは、薬効野菜として珍重されたが、肉や魚の臭いを消す効果があるので欧米の料理では重要視されている。

ビタミンやミネラルの含有量は多くはないが、ビタミンB1を吸収しやすくするアリシンが多い。

発汗・利尿作用があり、疲労回復にも効果が認められている。

玉葱と牛肉の炒め(2人分)625 白ワインとウスターソース(各、大1)で調味し、塩・胡椒・ナツメグで味を整える。

煮込み料理、炒め物、サラダなどの他、香辛料として下味や、ドレッシングなど、バラエティーに富んだ使い方が出来る万能野菜。

どこの家庭にも、常備されている野菜の一つだろう。

2006年10月25日 (水)

見た目と味にギャップの“ラ・フランス”

ビーナスの涙・・・と喩えられる西洋梨。Photo_331

とくにフランス人は西洋梨が大好きで、昔、マリー・アントワネットが宮殿の庭に洋梨の木を植え、ルイ16世と共に好みの実を、自ら選んで鋏で採っていた・・・と言う話は有名だ。

食通のフランス人が、美味しいからと自国の名を付けることを認可したのが“ラ・フランス”で、これから12月にかけて出盛る。

見た目は、まるで緑色のジャガ芋のよう だが、甘い芳香と滑らかな舌触りは、うっとりするほど美味しい。見た目と味のギャップがかなり大きい果物だ。

一般に西洋梨は、日本の梨と違って収穫してすぐには食べられず、追熟する必要がある。

このために、かつて日本に入ってきた当時は、「不味い」というレッテルを貼られ、その上、缶詰が生より先に普及したので、余計に馴染まれなかった。

洋梨の美味しさは、各品種とその食べごろを知ることから・・・。

ラ・フランスより先に出るのは、プレコースで8月中旬には出回るが、形はふっくらと美味しそうだが味は??、とくに奨めない。

9月になると、バートレットが出るが、これは加工用にはいい。

ほぼ同時にマルグリット・マリヤや、ドヤンヌ・ド・コスミなど、味のいいものが少量出る。

その後10月から、ラ・フランスの出番となる。

このラ・フランスが終わる11月には、ウィンター・リネスという、小粒であまり見栄えのしない洋梨がでるが、この梨も見た目と違って、甘味も香りもなかなか上等だ。

さて、食べごろだが、バートレットなどは、緑色が黄色に変わり、手に持つと柔らかい感触で分かり良いが、ラ・フランスのように色の変わらないものは、何度か体験して自分の感覚を掴むしかない。

日本では、栽培される西洋梨の約8割がラ・フランスだが、世界的にはバートレット種が多い。

そこで、余談だが、このバートレット種は、二通りの呼び名があり、ヨーロッパではウィリアム種と呼ばれる。

これは、ほんのちょっとした行き違いからで、18世紀初め、イギリス・バークシャーで梨栽培をしていたボン・クレチアン・ウィリアム氏が、美味しい梨を発見し“デリシャス・ペア”として各国に普及していった。

その後、18世紀半ばにアメリカに移民した、フランス系のバートレット氏が、このデリシャス・ペアを栽培。

美味しい梨の評判が上がるにつれ、バートレット氏の名も有名に・・・そのバートレット氏は、最初に栽培したウィリアム氏のことはまるで知らず、梨にバートレットの名が付いたまま年月が過ぎた。

19世紀になって、バートレットはウィリアムスと同品種だと判明したが、どちらもすっかり定着した名になっていて、結果、ヨーロッパではウィリアムス、アメリカではバートレットと呼ばれている。

2006年10月24日 (火)

公孫樹の子“銀杏”

イチョウの木を、銀杏と書くのは本当は間違いなのだ。Photo_332

イチョウは公孫樹で、その木に付く実が銀杏。

公孫樹の葉が黄金色に染まると、地面には落ち葉とともに、たわわに実っていた銀杏が落ち始める。

公孫樹の木は、雌雄異株で、銀杏が生るのは当然ながら雌株だ。

いわば胚乳にあたる銀杏は、白く固い殻に包まれ、それを果肉が覆っているのだが、この果肉は熟すと独特の異臭を放つ。Photo_333

熟して異臭を放っている果肉に直接素手で触れると、かぶれるので要注意だ。

集めた実は、数日間土に埋めておくと、自然に果肉が取れる。洗って乾燥させ、殻を割って種を取り出す。

殻を取った銀杏は、炒ったり、塩茹でして使うが、新しい銀杏の鮮やかな翡翠色が美しい。

ほのかな苦味があり、もっちりした大人好みの味。

土瓶蒸しや茶碗蒸しに散らすと、秋らしい風情を演出する名脇役になる

2006年10月23日 (月)

太宰 治の好んだ『飯の友』

太宰 治の小説『津軽』に書かれている、津軽地方の郷土料理“かやき味噌”。

これは、貝焼き味噌の訛りで、大きな帆立貝の殻で煮た卵味噌のことだ。

最近の居酒屋などでは、生の貝柱や豆腐・野菜などを入れて味噌仕立ての鍋にして“かやき味噌鍋”として、メニューに載せているが、元はいたってシンプルなもの。

シンプルながら、飯の友にも酒肴にもいい味なのだ。

最も、津軽の一般家庭的な作り方は、

  • 味噌と砂糖を酒少々と昆布だしで濃い目にのばす。
  • 大きな帆立の殻(小鍋で良い)に、上のタレを少し入れて、煮立ったところに、鰹節を散らし、溶き卵でとじる。

これを、少しレベルアップして、ばら色婆ァバ風かやき味噌 (1人分)

  • 干し貝柱一個を酒大匙一杯で戻す。
  • 小鍋に味噌大匙一杯と、貝柱を戻した酒に味醂を足して大匙一杯分を入れてのばし、戻した貝柱を細かくほぐして入れる。
  • 煮立ったら、溶き卵でとじ、小葱など散らして供す。

さらに、バージョンアップした、ばら色婆ァバ風かやき味噌Ⅱ (1人前)

  • 味噌大匙一杯を味醂と酒、昆布出汁で濃い目にのばす。
  • 生帆立貝柱を四つ割ほどにして、豆腐や葱などと煮込む。
  • 溶き卵を回しかけ、少し蒸らして、卵に火が通った頃に鰹節を振り入れる。
  • 丼にご飯をよそい、上にこの具を載せて、香味野菜を散らす。

簡単で、結構美味しい、“太宰 治の『津軽』の味”、お試しあれ。

2006年10月20日 (金)

一番先に栽培されたキノコ“椎茸”

気温が20度くらいになると、『椎茸狩り』のツアー広告が目立つようになる。Photo_334

日本からインドネシアにかけて分布する、東洋特産の黄シメジ科の一種で、春と秋の二度旬がある。

ハウス栽培が盛んなので、年中店頭には出ているが、秋の椎茸が一番美味しい。

新鮮な生椎茸は、サッと網焼き、またはフライパンでバター焼きして食べるのがいいが、煮物、汁物、揚げ物、炒め物・・・これからの季節は鍋物に欠かせない。

テリーヌやシチューなどの洋風料理にも合う。

ただ、生は傷み易いので、洗い方も注意。ハウス栽培なら洗わなくても、傘の裏側の襞の汚れを軽く叩き落とすだけでいい。

『山の出汁』と言われる“乾し椎茸”には、旨味が凝縮されており、煮しめ、白和え、五目寿司や海苔巻きなどの、伝統的和食には、無くてはならぬ素材だ。

傘がこんもり肉厚な“冬茹(どんこ)”、傘が平べったくて大きい“香信(こうしん)”、傘に亀甲模様がある“香茹(こうこ)”と呼ぶ。

主栄養素のビタミンDは、血液中のコレステロールを下げる作用がある。またビタミンB2や食物繊維も豊富で、制癌効果物質が含まれるらしいとの研究報告が。

乾し椎茸の戻し汁には、それらの栄養素が流れ出ているので、捨てずに出汁にする。

2006年10月17日 (火)

“キビナゴ”のキビって帯のこと

キビナゴ、漢字では“黍魚子”と書く。Photo_335

“黍”と言えば、玉蜀黍(とうもろこし)のことだが、この場合は何も関係が無い。

体の両側に銀青色に輝く帯状の模様があるが、主産地の鹿児島では“帯”のことを「きび」と言い、小魚であるから“きび(帯)魚子”。そのキビに当て字が付いて“黍魚子”となったらしい。

ウルメイワシ科で、体調10センチにも満たないくらいの小さな魚。

房総半島以南の広い範囲で漁獲されるが、九州もとくに鹿児島、熊本、長崎での漁獲量が断然多い。

各産地で郷土料理があるが、鹿児島のキビナゴ刺身は著名だ。

手開きして皮を引き、皿に菊花のように丸く盛り付け、ポン酢醤油や生姜醤油、酢味噌などで食べる。

イワシの仲間だけに、鮮度が落ちやすく、生干しか干物しか出回らなかったが、最近は空輸もされるようになり、東京や大阪の都市部でも、パック詰めの刺身が買えるようになった。

郷土料理としては、天草辺りのキビナゴ鍋、鹿児島のキビナゴ鮨も知られる。

2006年10月16日 (月)

渋柿も甘柿も“渋”の量は同じ

Dsc03207

Dsc03085 柿は日本固有の果物だ。 

古代から山野に自生し、それぞれの土地で品種改良が進められてきた。

学名もディオスピロス・カキと、和名のカキがそのまま使われている。

因みに、フランスでは“ル・カキ”と呼ばれるそうだ。

庭先に植えて、自家用の果物としても親しまれている。

柿は北海道を除く本州以南で生育、甘柿より渋柿の方が北限が上だ。

この、柿の渋はタンニン性物質・シブオールを含有するからだが、実は甘柿も渋柿も、シブオールの含有量は同じなのだ。

それなら、何故に甘柿に・・・この種の柿は、熟すとシブオールが消滅したり、唾液に溶けない形に変化したりする。Dsc03205

実の中に胡麻のようなものが沢山入っているような甘柿は、シブオールが胡麻状に固まったものだ。

渋柿の渋は、アルコールや炭酸ガスを噴きつけたり、湯に浸けて不溶性に変えると、渋さを感じずに食べることが出来る。

この作業を「醂(さわ)す」と言うが、醂し柿の方が普通の甘柿より甘さが増す。

甘柿の筆頭は“富有柿”、そして“次郎柿”。

Dsc03269←筆柿。筆の穂先のような形で、これも甘柿。

渋柿では“平核無(ひらたねなし)柿”=別名・おけさ柿、庄内柿。

柿はビタミンCの含有量を特筆すべきだ。2個で1日の必要量が摂れる。

ビタミンAも多く、またタンニン質が酔い覚ましに効くと言われる。

日本人は、昔から柿は“水菓子(デザート)”ばかりでなく、料理にもいろいろ使って来た。

正月の『柿なます』は、酒を飲む機会の多い時季には、理に適った古人の知恵料理だ。

ほかにも、江戸時代には『柿けんちん』『柿寄せ』『柿の白和え』『柿の黒衣』『柿ころも』『柿しんじょ』・・・etc、手の込んだ柿料理が数多く作られていたそうだ。

残念ながら、名前は残っているものの、本当の作り方は正確に伝わっていない。

暮れから正月に出回る“干し柿”は、半乾燥のアンポ柿、簾で形を整えた枯露(ころ)柿、串に刺して乾す串柿、吊るし柿、巻き柿、苞(つと)柿、押し柿、紅柿など、いずれも高価。

皮を剥き、吊るし干しして手作りしてみたらどうだろう。

余談だが、江戸時代の備前有田の陶工・酒田柿右衛門は、柿の色の美しさに魅せられ、その紅色を焼き物に出そうと心血を注いだ。

寛永末年についに完成した焼き物は、柿右衛門の銘で世界中に知られ、ヨーロッパの陶磁器にも大きな影響を与えた。

2006年10月15日 (日)

香味一番“松茸”

秋たけなわの季節を代表する味覚・・・魚部門、野菜部門、果物部門・・・それぞれにトップを決めかねるが、茸部門なら“松茸”。Dsc03099

値段も張り、形も立派な松茸は“茸の王様”だろう。

国産は10月には最盛期を迎える。

独特の芳香と歯触りが好まれ、珍重されるが。

なにしろ、これだけ多種多様な茸が人工栽培されるようになった昨今でも、松茸の人工栽培はまだ実現していない。

生きた赤松の根に宿って菌根を作り、その周辺の条件が整った『代(しろ)』と呼ばれる場所に生える。

人工栽培が出来ないだけに、どうしても高価になるが、近年は韓国、カナダ、北アメリカなどから輸入品が入り、いくらか安価で買いやすくなっている。

ただ、香りが“命”の松茸は、遠方から運ぶうちに芳香が飛んで、折角の命の香りが乏しくなる。だから、輸入松茸に国産と同じ香りを期待するのは無理なのだ。

国産の主な産地は、広島県、京都府、長野県など、東北地方でも育つ。

なかでも京都・丹波で採れる松茸は、軸も太く香りも数段にいい。

ローム層からなる関東に産地が少ないのは、赤松林が育つ土壌が無いからだ。

ありがたいほどの国産松茸なのだが、収穫量は年々減少気味だそうだ。

今日の松茸は、岩手の産。

杉板に挟んで、野趣たっぷりに焼いたものは絶品だが、こんな贅沢な食べ方は一般人には殆どチャンスが無い。

塩を散らして、焙烙(ほうろく)で蒸し焼きすると『香り松茸、味・・・』の通り、松茸の馥郁たる香りをそのままに味わえる。

土瓶蒸し、椀物、天婦羅、すき焼きなど、いろいろな料理が楽しめるが、“松茸ご飯”なら高価な国産でも、一本あれば数人が幸せになる。

目下、松茸の人工栽培は成功に近い域にあると言われ、あと5年ほどすれば市場に出る可能性があるそうだ。

2006年10月14日 (土)

どの菊も一応は食べられるが・・・

Dsc02887 春の桜と並び、秋を代表する花が菊。 中国原産で、奈良時代に日本に持ち込まれた。

平安時代でも、菊はまだ珍しい花で、貴族社会では延命長寿の薬草とされ、重陽の節句(9/9)には、酒に浮かべて飲み干した。

華やかな花は、太陽にも喩えられ、『日章』と呼ばれ、高貴な花=百草の王とされた。

皇室のご紋章となっていて、明治2年8月24日以後は、一般人が家紋や商標に使うことを禁止。皇室ご紋章の菊は十六葉八重表菊。

菊の花の観賞が一般的になったのは、鎌倉時代頃からで、江戸時代には品種改良が盛んになり、菊人形や展示会などで、菊の美しさを競い合うようになった。

そうなると、花の丹精に夢中になるあまり、仕事を忘れる愛好者が続出。

『菊作りは、罪作り』と言う諺まで出来た。Dsc02917

どの菊も、一応は食べられるが、食用として改良され栽培されたものは、“甘菊”と呼ばれるだけに、苦味がなく花弁も厚く、香りがいい。

青森産の阿房宮(八重黄菊)、山形や新潟産の延命菊(淡紫菊)&モッテノホカなどが有名だ。

生の他、蒸して平にして干した“菊のり”にして出回る。

Dsc03387_1菊の葉は天婦羅に。花はお浸し、酢の物、天婦羅、和え物、汁の実、菊飯や菊粥などにする。

←菊花とホウレン草、えのき茸のお浸し

花を焼酎に漬けた薬酒は、眩暈、頭痛に効果があるそうだ。

香りのいい風雅な食材。

2006年10月13日 (金)

柳の葉が変身“シシャモ”

シシャモを漢字で書くと“柳葉魚”。Photo_336

これは、アイヌ伝説に由来する。

昔、アイヌの親孝行な美しい(ピリカ)娘(メノコ)が、飢饉で作物も無い上、頼みの鮭も不漁。

病弱な親に食べさせる物にも不自由し、困り果てて、川のほとりで神に祈りを捧げていた。

その孝心が通じたのか、傍の柳の葉が川に次々に散り落ち、川に入った途端に魚に化した。

Photo_337この魚は、アイヌ語で『柳の葉=シュシュハム』と呼ばれ、それが訛ってシシャモになった。

北海道沿岸では、厳しい冬が来る前に、産卵のために海から河口に群れを成して上がってくる。

このシシャモはたっぷり卵を抱えて美味。ただ、魚通はこの子持ちシシャモより、味の深いオスのシシャモを好むと言う。

近年、店頭に出ているシシャモは、殆どがカナダやノルウェー、ロシア産の“カラフトシシャモ”。

北海道のシシャモとの違いは、川を遡上することなく、生涯を海で過ごすこと。

形が酷似して、値段が安く重宝されているが、味は北海道物が上だ。

生干しで売られているので、炙って食べるが、揚げ物や煮浸し、南蛮漬けにしても美味しい。

2006年10月12日 (木)

消化を助ける“山芋”

強いネバネバが特徴の山芋。

☆山芋の一種、大和芋のチリ風炒め006_1

  • 薄い酢水で洗ってヌメリを取った山芋を、ビニール袋に入れ、擂粉木で粗く叩いておく。
  • 玉葱とニンニク(少々)は微塵切りして炒め、牛腿挽き肉を加え、ほぐれたら、チキンブイヨンスープで調味。
  • 叩いた山芋を加え、塩・チリパウダー・トマトピューレ・醤油で味を調える。
  • 小葱など散らす。

ちょっと変わった山芋料理もたまにはどうだろう。

山野に自生する多年生蔓草の山の芋は、とくに“自然薯(じねんじょ)”と呼ばれ、極めて貴重品。なぜなら、昨今では天然物は滅多に入手出来ないのだ。

店頭にあるのは、どれもが改良された栽培品。

Dsc03675_2真直ぐで肉質が白い“長芋”は、水分が多い分、一番粘り方も薄い。千切りをして揉み海苔をかけて食べたり、サラダ、酢の物にするのが合う。

扇を開いたような形の“扇子芋”と、それを少し小形にした“銀杏(いちょう)芋”。

仏手柑のような掌形の“大和芋”は、粘り気を利用して、とろろや掻き揚げに。

ヒネ生姜のような形の“仏掌(つくね)芋”は、擂鉢で摺ってとろろにすると一番粘って美味しい。

山芋は、日本や中国が原産の山芋科の山の芋。

強い粘りが、強壮効果があると、昔からスタミナ食と言われてきた。

山芋は、炭水化物が主成分で、粘り気の基は、グロブリン様蛋白質とマンナンが結合したもの。

また、『とろろ飯』のご飯は、麦飯が合うが、麦飯自体は消化がいいとは言えないもの。

その麦飯にとろろをかけて、ろくに噛まずに飲み込むように掻き込んでも大丈夫なのは、山芋には消化酵素ジアスターゼが含まれるから。

そのジアスターゼ含有量は、大根の数倍と言われ、消化を促進する。Photo_342

ただ、消化酵素は熱に弱いので、とろろは生に限る。

山芋の蔓に、小さな粒状の芋が付く。

“零余子(むかご)”と呼ばれ、塩茹でしてそのまま摘みにしてもいいが、煮ても炒めても山芋の風味で楽しめる。

炊き込み飯にすると、秋の一時だけの旬味が美味しい。

2006年10月11日 (水)

“蓮根”はスマートより小太りがいい

Dsc02876 夏場にお盆用の促成栽培が店頭に出るが、通常は蓮根の旬は秋。

顔から頭まで泥んこになって蓮根を掘る作業は、なかなか骨の折れる重労働。

蓮根は美しい花を観賞し、実も食べられる。その上、地下茎(蓮根)も美味しく食べられるため、大昔から栽培されていた。

栽培される蓮田によって、多少の違いはあるが、一般的に乳白色でよくふくらんだ下の方の1~2節が美味しく、上部の細長い部分は少し味が劣ちる。

黄色や褐色のものも避けた方がいい。

皮を剥いたら、アク止めに薄い酢水に入れ、こまめに水を替える。

五目寿司の具、精進揚げ、酢の物、キンピラ、煮物などにするが、煮物は一度炒めてからの方が味が浸みコクがでる。

薄切り蓮根とほぐした帆立貝柱水煮008_1

  • 薄切りして、酢と塩を入れた湯で茹でた蓮根を、帆立貝柱缶と和えるだけ。
  • マヨネーズに一つまみの塩を加えることで、蓮根の味が引き立つ。

010_1穴に調味した芥子を詰め、衣を付けて揚げた“芥子蓮根”は九州・熊本の名物。

薄切りにしてカラッと揚げ、塩をパラッと振った“蓮根チップス”はビールにピッタリ。

蓮根は『見通しがきく』と言うことから、正月のお節料理や、祝い事の料理に使われる。

平均すると10個ほどの穴は、火の通りもいい上に、盛り付けて面白く微笑ましい形が絵になる。

蓮は大昔、華麗で優美な花を愛でる観賞用だった。

極楽浄土に咲く花とされ、仏教と関わりが深く、往生した人は浄土で蓮の台に座すと言われた。

だから、いまでも盂蘭盆会には、蓮の葉に食べ物を乗せて、仏前に供える風習が残っている。

花・実・葉・根とすべて食用になり、古い書物には蓮の若葉を刻んでご飯に混ぜた“蓮飯”の記述があり、中国には葉に包んで蒸した“おこわ”がある。

蓮根は、澱粉が豊富だが、ビタミンCも多い。

2006年10月10日 (火)

頭から尾まで無駄ない“鮭”

Photo_343 西海に鮭なく、東海に鯧(まなかつお)なし・・・かつてはこう言われた。

流通が発達していなかった頃は、西日本や南日本では生鮭は手に入りにくく、塩蔵や缶詰めが主だった(同じように、東・北日本では鯧に馴染みが無い)。

川で生まれ、孵化して海に帰り、一生の大半を海で過ごす鮭は、やがて再び、生まれた川に産卵のために戻って来る。

その時の鮭は、ほとんど絶食状態で、ただ一心不乱に上流を目指し、卵を産み終えると、オスもメスもその一生を終える。

鮭が美味しいのは、この産卵前。

鮭は魚偏に圭と書くが、この“圭”の語意は「楚々として美しい」という。

形も、色も、もちろん味も、美しい魚だ。

沖獲りが一番美味しいが、市場に出るのは、生まれ故郷の川の河口近くに戻った頃から、せいぜい川に入った直後まで。 Dsc02891

俗に『南部の鼻曲がり』というのは、上顎が鉤のように曲がったオスのことで、青森や北海道では“アキアジ”と呼ぶ。

これも、川を遡ってくると、体色がどんどん変化し、皮にヌメリが出てくる。こうなると“ホッチャレ”と言って食用にはしない。

鮭は、身は勿論、頭や内臓、皮や卵・精巣と捨てるところが無い。

とくに卵は、卵膜されると“いくら”と呼ばれ、珍重される。

卵膜に包まれたままの若い粒が“筋子”、熟し始めて一粒ずつに解したものが“イクラ”だ。

鮭は、皮下に条虫の幼虫がいることが多いので、本当は生食は好ましくないが、北海道では、身を凍らせて刺身風に食べる『ルイベ』にする。

身は石狩鍋や三平汁、粕汁、塩焼き、バター焼き、フライなどに。酢締めや酒浸しもいい。

開いて、塩をし、切り込みを入れ、風干ししたものも格別の味。燻製も美味しい。 

塩漬けを薄く切って、ご飯で重しをキツク漬けた『飯寿司』も絶品。

頭の軟骨は『氷頭(ひず)なます』にすると、酒が進む。Photo_344 Dsc02546_3

皮はカリッと焼いて、これもいい肴だ。

2006年10月 9日 (月)

ぬめり食の茸代表『ナメコ』

Dsc02736 ナメコは滑子と書くが、粒が小さく滑りがある独特の茸だ。

モエギダケ科で、ナメスギダケと言う。

広葉樹・とくにブナの倒木や切り株に群がって生える。

自生ナメコは小粒とは限らず、傘の直径が7~8センチに及ぶものまである。

一般的には、栽培物が主流で、大きさごとに選別される。

小粒で粒が揃ったものが高級品とされるが、大粒の方が市場人気は高いそうだ。

傘の表面は滑りが強く、この滑りが味とも言える。

滑りの割には歯切れ良く、淡白な料理に合う。

豆腐や若布、三つ葉などと味噌汁や吸い物にすることが多いが、サッと熱湯にくぐらせて、おろし和えや酢の物にしても美味しい。

ナメコ饂飩やナメコ雑炊も、これからの季節には嬉しいもの。

生のままでは日持ちが悪いので、真空パックで売られている。瓶詰や缶詰なら保存が効く。

自生の新鮮なナメコに出会えたら、落ち葉などが沢山くっ付いていても気にせず、ぜひGETしたい。格別の味わいがある。

ナメコとほかの茸、菊花汁(4人分)009_1

  1. 鍋に出汁(2カップ)を一煮立ちさせ、、酒と味醂(各小1)、塩と薄口醤油(各少々)を入れてる。
  2. ナメコ、シメジ、エノキタケ(各1/2袋)を食べ易く捌いて入れる。
  3. 菊花は、酢を垂らした熱湯で茹で、水に晒して水気を軽く絞る。
  4. 三つ葉3~4本を千切り、3とともに鍋に加え、火を止める。

茹でた素麺や、細饂飩を入れて食べるのも美味しい。

2006年10月 8日 (日)

いまや高級珍果“アケビ”

Dsc02940 秋の野山には、実を付ける木が沢山ある。

紫色に熟して、パックリと口を開けたようなアケビの実などを、木の葉隠れに発見した時など、ひときわ嬉しく、心はしゃぐ思いがする。

そんなアケビも、一時期は、誰も見向きもしなくなっていたのだが、近年は果物なのだが、懐石料理などに使われだし、高級珍果扱いで棚の上部に鎮座している。

北海道を除く、全国各地に見られる落葉性蔓性低木。

熟すと、楕円形の実の筋が入ったような箇所から、縦に大きく割れ裂けることから“開け実”、それがアケビに転じたと言われる。Dsc02885

中の果肉は、半透明で白く、小さな黒い種子をいっぱい含んでいる。

西日本には、“トキワアケビ”と言う、よく似た果実があるが、これは“ムベ”のことで、木も常緑樹、実も割れない。

アケビは、果皮ごと果実酒にするのが簡単。

果皮は炒めたり焼いたりして食用にもする。とくに味噌味と相性がいい。

蔓は細工物にされるが、アケビの細工物は結構高価だ。

道草とか木通と書いてアケビと読ます。

2006年10月 6日 (金)

リンゴではなく『苹果(へいか)』?

Dsc02877 リンゴの美味しい季節になった。

日本の果物では生産量がトップ。

また、品種の多様さでは世界一と言われる。

現在、市場に出ているリンゴのルーツはアメリカやフランスから導入された西洋リンゴだ。

日本には、元々、中国から伝来した野生の“林檎”があり、これと区別するために、当初は西洋リンゴは“苹果(へいか)”と呼ばれた。

『一日一個のリンゴは医者要らず』と言われるリンゴは、整腸効果も高く、塩分の排出に欠かせないカリウムも豊富。

ストレスから来るイライラを静める鎮静効果もあって、健康維持食品として知られる。

リンゴは明治初年に106種の西洋リンゴが導入され、青森や北海道などに配分された。

ただ、当時は栽培技術がまだ未熟だったので、大半の苗木は死滅、十数種が生き残った。

その後、東北各地のリンゴ試験場などでの栽培技術向上の研究や努力と、新たに導入された西洋リンゴの苗木との交配で、リンゴの品種は本国を凌ぐまでに多様に発展した。

中でも、リンゴ王国・青森の発展の陰には、二人のアメリカ人の大冒険が絡んでいる。

昭和6年(1931)、それより四年前のリンドバーグの大西洋無着陸横断飛行に刺激された、ハーンドンとバングボーンの二人のアメリカ人が、青森県淋代(さびしろ-現・三沢)から、ワシントン州ウェナッチに向かって太平洋無着陸横断飛行を決行した。

二人は単葉のミス・ピードル号で、7400kmを41時間11分で飛んだ。

その快挙を支えた、淋代の町民たちは、飛び立つ際に、特産のリンゴ・紅玉&国光を持たせた。

二人の着陸地・ウェナッチも、アメリカ有数のリンゴ産地だ。

二人の飛行士は返礼の意を込め、翌年、ウェナッチ特産のデリシャスの穂木を送った。

この穂木を接木したデリシャスを父や母として、青森では次々にデリシャス系の美味しいリンゴを生み出し、王国の基盤が出来たのだ。

ふじ、むつ、ジョナゴールド、王林、そして世界一・・・etc。

因みに、最近“サン”が頭に付くリンゴが人気だが、サンは太陽・・・陽を浴びて育った“無袋リンゴ”なのだ。Photo_346

リンゴとレーズンたっぷりの“アカプルコ”。いつも行く【あこ庵】のお気に入り。

因みに、アップルとは果物そのもの・・・リンゴとは似てもいないのに、パインアップル、シュガーアップル、スターアップルなどと、アップルが付くのはそれ故。

やさしく白き手をのべて    林檎をわれにあたえしは

薄紅(うすくれない)の秋の実に    人こひ初(そ)めしはじめなり

島崎 藤村の『初恋』の一節。初恋の切なさをリンゴの木の思い出としている。

イギリスの作家・ゴールズワージも、初恋のロマンとしてリンゴを扱った。

『林檎の樹』では、月光を浴びて咲くリンゴの花の下で、神秘的な美少女に出会った文学青年は、人目で恋に落ち永遠の愛を誓うが、花が実を結ぶ頃、彼女を捨て別の町に・・・嘆いた彼女は川に身を投じ・・・。

2006年10月 5日 (木)

オデコで胴長?、つぶらな瞳が愛嬌の“アマダイ”

淡い甘味があるので“甘鯛(アマダイ)”と呼ばれている。Photo_349

実は鯛科ではなく、アマダイ科と独立している。

本州の中部以南の深海の砂底に、穴を掘って棲息している、珍しい生態の魚だ。

赤甘鯛、黄甘鯛、白甘鯛の三種が主として知られるが、中でも、若狭湾などの日本海物は赤甘鯛が多く『ぐじ』と呼ばれて知られる。

その昔、若狭から、塩をした甘鯛を馬の背に乗せて運ぶと、京都に到着する頃には、ちょうどいい具合に水分も抜け、美味しくなっていたと言う。

Photo_348つまり、そのまま料理すると、身が少し水っぽいのだ。

関東以北では馴染みの薄い魚だが、関西から山陰・九州にかけては、高級魚として珍重されている。

とくに秋から冬の旬の日本海物は美味しい。

白甘鯛が最高級の味と言われるが、何しろ漁獲量も少なく、市場に出ない。

赤甘鯛の中で、『興津鯛』と呼ばれる静岡名産の一夜干しは、軽く焙って毟るように箸で食べる・・・なかなかの佳品。

頭でっかちで、オデコが出張って、鼻の下が長い・・・何とも親しみ易い風貌だ。

高知の土佐辺りでは、“びた”と呼ばれる。謂われは何だろう。

2006年10月 4日 (水)

折詰め用に“連子鯛”

Photo_350 日本には、名に“鯛”と付く魚が数多いが、その殆どは鯛科ではなく、所謂『あやかりタイ』。

ただし、この連子鯛、形こそ小形で、真鯛や血鯛より幾分の格落ちはするが、正真正銘の鯛!。

和名は黄鯛(きだい)。

四国から九州にかけて漁獲が多く、赤鯛として通用している。

Dsc00425_3 折詰めなどに“尾頭付き”として、デ~ンと納まっているのは殆どがこの連子鯛だ。

塩焼き、煮付けでたべるが、漁れたて新鮮なら刺身もいい。

炊き込み飯も美味しいのだが、骨がコワイので、三枚におろし小骨はとって置く。

粗で出汁を取り、半身は削ぎ切りに、あと半身はそのまま乗せて炊き込む。

安心して食べられる“鯛飯”だ。

なお、折詰めに入っていて、冷めて味の落ちたものは、煮浸しにすると美味しく復活する。

2006年10月 3日 (火)

身ぐるみ剥がされ“カワハギ”

Photo_353 秋も本番になってくると、冬にむかって“カワハギ”が本当に美味しくなる。

菱形に近い体形で、左右に扁平、全身が灰褐色の厚い皮で覆われて、あまり見栄えは良くない。

魚形も美しいとは言えず、目付きも良くないのだが、おちょぼ口の慎ましいところが愛嬌。

見た目はイマイチでも、河豚にも似たいい味の魚で、釣り魚としても人気がある。

ザラザラした皮を剥いで料理するから、“皮剥(かわはぎ)”とそのままズバリの名。

しかし、浜松辺りでは、口が小さく締まっているからと“キンチャク”と呼ぶそうだ。

大阪や高知では、なんと“ハゲ”。鳥取辺りでは、身ぐるみ丸裸にされるからと“バクチウオ”・・・可哀想だが笑っちゃう。

肉質が締まって、肉離れもいい、しかも淡白で品のいい味。Photo_352

薄造りの刺身、椀種、フライ、ムニエル、煮付け、ちり鍋・・・と、どれも美味しいが、肝が絶品なので、必ず肝を使う。

肝和えや、煮肝などの味は格別だ。

仲間のウマズラハギと煮ているので、ウマズラハギの皮を剥いて、カワハギとして売っていることもあるが、やはり味は劣る。

カワハギの黒酢サラダ(2人分)629

  1. カワハギ(1/2身)は、塩・胡椒して、小麦粉を薄く塗して、フライパンで、揚げ焼きするように、パリッと焼く。
  2. 1の身を、骨を除いて大まかに解し、サラダ用のミックス野菜(好みで何でもいい)とザッと混ぜて皿に盛る。
  3. 黒酢とナンプラー(各大1/2)、ニンニク薄切りとライム薄切りと赤唐辛子小口切り(各少々)、紹興酒と胡麻油とサラダ油(各少々)を混ぜ合わせたものを回しかける。

2006年10月 1日 (日)

名前で損した“疣鯛”

Photo_354 疣鯛(いぼたい)、真名鰹(まなかつお)科に属すだけに、並の鯛より味わいがあり美味しい魚だ。

ただ、名前が良くない・・・どうもイメージが悪いらしく、高い評価が得られない。

そのせいか、通称“エボダイ”と訛ったまま呼ばれることが多い。

体形は幅広で平たい。鼻先が丸く、口が小さく、結構可愛い。

鉛色の皮は成魚でも17~18センチ程度にしかならない。

煮魚、焼魚、白味噌に漬けた“西京漬け”にして焼くと絶品。

椀だね、ちり鍋、ムニエル、フライ・・・なんでも美味しいのだが、皮が傷つき易いため、殆どは生で売られず、干物に加工される。

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