親より子が珍重される“鯔”
鯔(ぼら)、鰡とも書く。
成長するにつれ名前が変わる出世魚。
この魚、変な習性があって、小さいうちは泥を食べる。だからどうしても泥臭さが気になる。
大型になると、その癖もおさまるのか、泥臭さの心配は無くなる。
大きなものなら、洗いや刺身でも食べられる。
秋から冬にかけて、目の上に脂瞼と呼ばれる脂質の膜が出来るので、目が白濁したように見える。
それだけ脂が乗っている証拠で、一番美味しい時季だ。
臍と呼ばれる胃の幽門部は、焼いて粉山椒を振って食べると、なんとも珍味。酒肴にピッタリなので、捨てずにお試しあれ。
さて、親の鯔より珍重され、希少・貴重なのが卵巣で作られる『カラスミ』。
唐から伝来した書道用の墨に形が似ているから付いた名だそうだ。
江戸時代から、すでに「天下の三珍味」といわれ、高級食材だったが、いまでもそれは変わらない。
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