消化を助ける“山芋”
強いネバネバが特徴の山芋。
- 薄い酢水で洗ってヌメリを取った山芋を、ビニール袋に入れ、擂粉木で粗く叩いておく。
- 玉葱とニンニク(少々)は微塵切りして炒め、牛腿挽き肉を加え、ほぐれたら、チキンブイヨンスープで調味。
- 叩いた山芋を加え、塩・チリパウダー・トマトピューレ・醤油で味を調える。
- 小葱など散らす。
ちょっと変わった山芋料理もたまにはどうだろう。
山野に自生する多年生蔓草の山の芋は、とくに“自然薯(じねんじょ)”と呼ばれ、極めて貴重品。なぜなら、昨今では天然物は滅多に入手出来ないのだ。
店頭にあるのは、どれもが改良された栽培品。
真直ぐで肉質が白い“長芋”は、水分が多い分、一番粘り方も薄い。千切りをして揉み海苔をかけて食べたり、サラダ、酢の物にするのが合う。
扇を開いたような形の“扇子芋”と、それを少し小形にした“銀杏(いちょう)芋”。
仏手柑のような掌形の“大和芋”は、粘り気を利用して、とろろや掻き揚げに。
ヒネ生姜のような形の“仏掌(つくね)芋”は、擂鉢で摺ってとろろにすると一番粘って美味しい。
山芋は、日本や中国が原産の山芋科の山の芋。
強い粘りが、強壮効果があると、昔からスタミナ食と言われてきた。
山芋は、炭水化物が主成分で、粘り気の基は、グロブリン様蛋白質とマンナンが結合したもの。
また、『とろろ飯』のご飯は、麦飯が合うが、麦飯自体は消化がいいとは言えないもの。
その麦飯にとろろをかけて、ろくに噛まずに飲み込むように掻き込んでも大丈夫なのは、山芋には消化酵素ジアスターゼが含まれるから。
そのジアスターゼ含有量は、大根の数倍と言われ、消化を促進する。
ただ、消化酵素は熱に弱いので、とろろは生に限る。
山芋の蔓に、小さな粒状の芋が付く。
“零余子(むかご)”と呼ばれ、塩茹でしてそのまま摘みにしてもいいが、煮ても炒めても山芋の風味で楽しめる。
炊き込み飯にすると、秋の一時だけの旬味が美味しい。
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