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2006年10月10日 (火)

頭から尾まで無駄ない“鮭”

Photo_343 西海に鮭なく、東海に鯧(まなかつお)なし・・・かつてはこう言われた。

流通が発達していなかった頃は、西日本や南日本では生鮭は手に入りにくく、塩蔵や缶詰めが主だった(同じように、東・北日本では鯧に馴染みが無い)。

川で生まれ、孵化して海に帰り、一生の大半を海で過ごす鮭は、やがて再び、生まれた川に産卵のために戻って来る。

その時の鮭は、ほとんど絶食状態で、ただ一心不乱に上流を目指し、卵を産み終えると、オスもメスもその一生を終える。

鮭が美味しいのは、この産卵前。

鮭は魚偏に圭と書くが、この“圭”の語意は「楚々として美しい」という。

形も、色も、もちろん味も、美しい魚だ。

沖獲りが一番美味しいが、市場に出るのは、生まれ故郷の川の河口近くに戻った頃から、せいぜい川に入った直後まで。 Dsc02891

俗に『南部の鼻曲がり』というのは、上顎が鉤のように曲がったオスのことで、青森や北海道では“アキアジ”と呼ぶ。

これも、川を遡ってくると、体色がどんどん変化し、皮にヌメリが出てくる。こうなると“ホッチャレ”と言って食用にはしない。

鮭は、身は勿論、頭や内臓、皮や卵・精巣と捨てるところが無い。

とくに卵は、卵膜されると“いくら”と呼ばれ、珍重される。

卵膜に包まれたままの若い粒が“筋子”、熟し始めて一粒ずつに解したものが“イクラ”だ。

鮭は、皮下に条虫の幼虫がいることが多いので、本当は生食は好ましくないが、北海道では、身を凍らせて刺身風に食べる『ルイベ』にする。

身は石狩鍋や三平汁、粕汁、塩焼き、バター焼き、フライなどに。酢締めや酒浸しもいい。

開いて、塩をし、切り込みを入れ、風干ししたものも格別の味。燻製も美味しい。 

塩漬けを薄く切って、ご飯で重しをキツク漬けた『飯寿司』も絶品。

頭の軟骨は『氷頭(ひず)なます』にすると、酒が進む。Photo_344 Dsc02546_3

皮はカリッと焼いて、これもいい肴だ。

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