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2006年10月 6日 (金)

リンゴではなく『苹果(へいか)』?

Dsc02877 リンゴの美味しい季節になった。

日本の果物では生産量がトップ。

また、品種の多様さでは世界一と言われる。

現在、市場に出ているリンゴのルーツはアメリカやフランスから導入された西洋リンゴだ。

日本には、元々、中国から伝来した野生の“林檎”があり、これと区別するために、当初は西洋リンゴは“苹果(へいか)”と呼ばれた。

『一日一個のリンゴは医者要らず』と言われるリンゴは、整腸効果も高く、塩分の排出に欠かせないカリウムも豊富。

ストレスから来るイライラを静める鎮静効果もあって、健康維持食品として知られる。

リンゴは明治初年に106種の西洋リンゴが導入され、青森や北海道などに配分された。

ただ、当時は栽培技術がまだ未熟だったので、大半の苗木は死滅、十数種が生き残った。

その後、東北各地のリンゴ試験場などでの栽培技術向上の研究や努力と、新たに導入された西洋リンゴの苗木との交配で、リンゴの品種は本国を凌ぐまでに多様に発展した。

中でも、リンゴ王国・青森の発展の陰には、二人のアメリカ人の大冒険が絡んでいる。

昭和6年(1931)、それより四年前のリンドバーグの大西洋無着陸横断飛行に刺激された、ハーンドンとバングボーンの二人のアメリカ人が、青森県淋代(さびしろ-現・三沢)から、ワシントン州ウェナッチに向かって太平洋無着陸横断飛行を決行した。

二人は単葉のミス・ピードル号で、7400kmを41時間11分で飛んだ。

その快挙を支えた、淋代の町民たちは、飛び立つ際に、特産のリンゴ・紅玉&国光を持たせた。

二人の着陸地・ウェナッチも、アメリカ有数のリンゴ産地だ。

二人の飛行士は返礼の意を込め、翌年、ウェナッチ特産のデリシャスの穂木を送った。

この穂木を接木したデリシャスを父や母として、青森では次々にデリシャス系の美味しいリンゴを生み出し、王国の基盤が出来たのだ。

ふじ、むつ、ジョナゴールド、王林、そして世界一・・・etc。

因みに、最近“サン”が頭に付くリンゴが人気だが、サンは太陽・・・陽を浴びて育った“無袋リンゴ”なのだ。Photo_346

リンゴとレーズンたっぷりの“アカプルコ”。いつも行く【あこ庵】のお気に入り。

因みに、アップルとは果物そのもの・・・リンゴとは似てもいないのに、パインアップル、シュガーアップル、スターアップルなどと、アップルが付くのはそれ故。

やさしく白き手をのべて    林檎をわれにあたえしは

薄紅(うすくれない)の秋の実に    人こひ初(そ)めしはじめなり

島崎 藤村の『初恋』の一節。初恋の切なさをリンゴの木の思い出としている。

イギリスの作家・ゴールズワージも、初恋のロマンとしてリンゴを扱った。

『林檎の樹』では、月光を浴びて咲くリンゴの花の下で、神秘的な美少女に出会った文学青年は、人目で恋に落ち永遠の愛を誓うが、花が実を結ぶ頃、彼女を捨て別の町に・・・嘆いた彼女は川に身を投じ・・・。

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