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2006年11月 7日 (火)

“青首(鴨)”には葱より芹

渡り鳥の代表格、鴨は11月になると大群を成してシベリアから日本へ渡ってくる。

その種類は何と30余種もあるそうだ。

中で、食用として珍重されるのは“真鴨(まがも)”。

形も大きくて、赤味を帯びた肉の味は抜群に旨い。

頸部が美しい青緑色をしている(オス)ところから、「青首」と俗称されている。

通常、料理店などで使用するのは“合鴨”と呼ばれる、真鴨のオスと家鴨(あひる)のメスを掛け合わせた雑種だ。Dsc03358_1

野生の鴨はなかなか入手困難だからだが、一部の専門店では時季を限って予約で提供していることもある。

かつて編集者だった頃は、季節に2~3度は野生鴨を食べる機会があった。

滋賀の『大黒屋』、岐阜の『すぎ山』などの老舗では、緊張したのか、味の記憶は残念ながら薄いが、千葉・旭の『才兵衛』での記憶はいまだに鮮やかだ。

当時の私は、結腸にポリープがあると言われ、医者から「刺激物、脂っこい物、アルコールは厳禁。あまり動き回ってもダメ」と厳命されていたが、野生鴨の誘惑には勝てず、誘われるままに、出かけたのだった。

合鴨(間鴨)は、いろいろな料理で体験しているが、野生鴨を食べるチャンスなんて滅多にあることでは無い。Photo

千葉の入船町(南行徳)に『かも苑』という店がある。

すぐ傍は皇室の鴨場・・・国内外のVIPに供される独特の味付けの“鴨すき焼き”が有名だ。

合鴨も、両国の老舗『鳥安』は、独特の焼き鍋で、なかなかの味わいではあるが、野生鴨の風味とは少し違う。

野生鴨の、赤味の強い肉は地鶏に近い歯応えではあるが、全てのジビエに共通の、“血”の濃さをかすかに感じる原始的・本能的風味。

「これはオスです」と、店主が言ったが、となれば、まさに“青首”。

小鴨丸蒸し、鴨飯と出してもらったが、残念ながら当てにしていた“ツクネ”は無かった。

これは、内臓や頭を雀と共に叩いてツクネにして煮たものだが、雀が獲れないので作れないと言われた。

そんな野生鴨も、予約してもなかなか食べる機会に恵まれない。

最近ではほとんど“合鴨”ばかり。 Photo_301

それでも運良く、デパートなどの食肉売り場で、野生鴨の《抱き身(胸肉)》に出会うことがあり、そんな時は値段に目を瞑って買ってしまう。

簡単で間違いなく美味しいのは、鉄板で焼いて、大根おろしと生醤油で食べる・・・絶品だ。

勿論、鴨は、鍋にして良し、麺類に使って良し、加賀料理の冶部煮もバッチリ。

ソテー、燻製なども捨てがたい。Photo_300

さて、鍋なら合鴨で充分美味しく食べられるが、『鴨が葱背負ってくる』なんて諺にあるから、当然に葱は鴨と相性がいい訳だが、実は、鴨の幾分しつこいくらいの味には芹の方が合うのだ。

鴨の脂が味をくどくするのを、芹が和らげてくれるようで、葱より美味しい・・・と、私は自信を持って奨める。

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