無くてはならぬ脇役“葱”
今日は葱の話だが、まずお奨めの一品。
- 醤油と酢と酒で漬けタレを作っておく。
- 葱を豚肉で巻いて片栗粉を薄く塗して、フライパンに胡麻油を熱して焼く。
- 中まで熱が通ったら、熱いうちにタレに浸け、味が浸みたらOK。
材料も少なく、手間も簡単で美味しいのでお試しを・・・大人向きには鷹の爪のピリ辛を加えるとなお美味しい。葱は臭=気(き)が強いと言うので、昔は敢えて別の字を当て“紀”と書いた時代もあった。
それはまだ一文字草と言われていた頃。
やがて栽培技術が進んで、白根の部分が賞味されるようになり、“紀”の上に“根”が付き、“根紀~ネギ”に・・・。
ただ、正確には白い部分は根ではなく、“葉鞘(ようしょう)”、つまり葉の一部なのだが。
夏場は、麺類の薬味などとしての消費が主で、それも仲間の浅葱や分葱、万能葱と呼ばれる細葱が市場を占めているが、冬に向かい、鍋物が恋しくなる頃から長葱の消費は大幅に伸びてくる。
とくに、白くて太い“下仁田葱”などを鍋物に用いた味は逸品で、冬の風物詩と言える。
葱は別名を“根深(ねぶか)”と言うくらい、白い部分を長く作る。
これは、関東ローム層を利用して、土を深く掘り下げ、日光に当てないように葱を埋めて軟白に作るのだ。
地上に出て日光に当たった緑の部分は硬く、とくに美味しい物ではないが、埋もれていた白い部分は甘味があって、煮るほどに美味しさが出る。
これと、比較されるのが、京都辺りで栽培される“九条葱”で、緑の部分が柔らかで美味しい。
葱は風予防に効くといわれ、生葱の白い部分には体を温める作用があるらしい。
カルシウム、鉄分、カロチン、ビタミンCなどが豊富で栄養価の高い野菜だ。
通常は、もっぱら脇役として、主役を引き立てる立場だが、時には串焼き、風呂吹き風、葱サラダなどで、主役の座を与えてやろう。
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