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2006年12月

2006年12月31日 (日)

除夜の鐘

Dsc03508 電波映像のお蔭で、我々はいま、好きな場所で好きな格好で、全国の有名寺院の除夜の鐘が聞ける。

除夜と言うのは、除日(旧年を取り去る日の夜)という意味で、つまりは大晦日の夜のことだ。

寺院には、朝夕に鳴らす梵鐘(釣鐘・大鐘)と、集合用に鳴らす喚鐘(小鐘)がある。

本来は朝(暁鐘)、夕(晩鐘)ともに108声を打ち鳴らすのだが、いろいろな問題もあり、通常はどちらも18声に止めている。

鐘声の108声という数は、人間の六根(眼・鼻・舌・身・意)から生じる感覚(境)に、好・悪・平なる三つの感情が働いた6×3=18の煩悩と、さらに苦・楽(捨)という感情が働き誘発した18×2=36煩悩、それに過去・現在・未来の三世に現れるものは、36×3=108の煩悩になるのだそうだ。

わたしは、数字にはカラキシ弱い。数字に強い方、よろしく。

除夜の鐘は、この夜に限り、夜半から撞くようになったが、108声の煩悩分を撞くのだが、何時の頃からか、107声は旧年中に撞き、最後の一声は新年に撞くのが習いになった。

子供たちが小学生だった頃には、鐘を撞かせて貰える社寺を探してお参りに行き、皆で1声ずつ撞かせていただいた。

日頃は精進心が薄い私だが、荘厳な除夜の鐘声には身が引き締まる。

早めに総ての掃除・炊事などを終わらせ、いつもより時間をかけて入浴。

先日頂いた《伊勢海老》の天婦羅で飲み始める。

締めは、やはり蕎麦。昨日頂いた十和田蕎麦粉100%の手打ち蕎麦を茹でる。Photo_264 Dsc03529

トロロ芋を一杯擂って「細く長く・・・粘って生きる」と心に願いながら食べる。

紅白歌合戦も、若い歌手・知らない歌が多くなって、何となく「TVを付けているだけの番組」になった。

『行く年・来る年』で各地の鐘声を聞いて、初詣の前にちょっと一眠り。

皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。

2006年12月30日 (土)

長命の願い《年越し蕎麦》

明日はいよいよ大晦日、ジタバタしても残り一日となれば、開き直りの根性。

出来なかった掃除や書類整理は、年が明けてから考えよう(と、言って数年も持ち越していたりするが)。Dsc03529_1

《行事食》という言葉までがあるほどに、年中行事に食べ物が付いて回るのが常。

大晦日の“年越し蕎麦”も、そんな行事食の一つだろう。

京都辺りでは“晦日(つごもり)蕎麦”、東北地方の一部では“運(気)蕎麦”などと言う。

ただ、各地共通しているのは「年越しに蕎麦を食えば運が開く(または長命になる)」と言った俗信。

これには諸説あって、細く長くと蕎麦の形状からきた説。

三角形は邪気を払い縁起がいいと、蕎麦の実の形状から言われる説。

金銀細工師が、金箔を延ばす時に散らばる金銀粉を寄せ集めるのに蕎麦粉を用いたから、金に縁あるとする説。

鎌倉時代に博多・承久寺で振舞った『世直し蕎麦』が、習いとなったという説。

まだまだ諸説紛々というほど言い伝えはある。

習慣として定着したのは、江戸時代と思われる。

夜遅くまで、何かと多忙な大晦日・・・やっと年内の仕事を終えて、亭主は“年越し蕎麦”を食べながら、仲間と一杯(当時は蕎麦は“蕎麦屋”で食すものだった)の息抜き。

亭主が蕎麦屋にいる間に、女将さんは「ヤレヤレ・・・」と、腰を伸ばして一年が終わる。

夫の友人が、定年後“蕎麦打ち”を趣味にして、我が家にも30日の午後と言うと届けてくださる。

7年ほど前は、ポロポロと切れ易く、太さも長さも不揃いだったが、かなり上達してきたようで、つなぎを使わないと言うのに、しっかりした蕎麦が打てている。

蕎麦は「引き立て・打ちたて・茹で立て」と言われるが、十和田の蕎麦粉100%で打った蕎麦は明日でも香りよく美味しい。

と言う訳で、我が家は今夜は“年越し蕎麦イヴ”、明日が“年越し蕎麦”と相成る。

2006年12月29日 (金)

“歳夜祭”にはナマハゲが来るぞ!

明後日の大晦日の夜は、日本の各地で伝統の“歳夜祭り”が行われる。Dsc03515

良く知られているのは、京都の『白朮詣(おけらまいり)』、山形の『松例祭(しょうれいさい)』、そして有名な秋田の『なまはげ』。

『白朮詣』は、祇園の八坂神社の行事で、社前に白朮の篝火を焚き、参詣者はその火を吉兆縄に移して、火が消えないようにグルグル回しながら家に持ち帰る。

この火種で熾した火で雑煮を煮て、神棚の灯明に火を付ける。これで一年の息災を願うのだ。

『松例祭』は、出羽三山神社の祭礼で、元は羽黒山の修験者が行った結願行事。

住民から選ばれた二人の松聖(まつのひじり)が執行。本祭りは火が付いた大松明を引く“ツツガ虫送り”や、“火打ち替え”“松打ち”などの神事がある。

『なまはげ』は、秋田県男鹿地方に伝わる来訪行事で、鬼に仮託した神の降臨とされる“なまはげ”が各家を訪ねる。

つまりは、鬼面と蓑で扮装したオトコたちが、木製の包丁や手桶を持ち「泣く子はいねが、怠け者はいねが」と声高に回り歩くのだが、《ナモミハギ》の転訛だと言われている。

子供たちは怖い思い出から、怠けてはいけないと学び、大人は躾役の当番に、酒や軽食を振舞って労う・・・素朴に信じるものがあった時代・・・残しておきたい祭事だ。

楽しい正月の前に、大晦日の“歳夜祭”で『なまはげ』が来る。

子供たちは、ワクワクしながらもドキドキしている年末だ。

2006年12月28日 (木)

正月準備と簡単『豆腐親戚鍋』

年の瀬、「♪もう幾つ寝るとお正月♪」なんて、はしゃいでいられるのは子供だけ。

勤め人の大半は今日が仕事納め。家庭では、大掃除、買い物、正月準備・・・と、大人たちは一番忙しい時季だろう。Dsc03512

年末、歳神を迎えて新年を祝うための準備は、どこの地域、どこの家庭でも行われるが、その祭具は、山間部・農村部・漁村・・・と、それぞれに違いがある。

一般的に準備されるものの一つとしては、門松や注連縄などがある。

門松には永遠の命の象徴として、常緑樹が使われ、東京では目出度さを重ねて“松竹梅”を用いる。

これは、決まったものではなく、松だけを使う地方もあれば、愛知や長野のように榊(サカキ)を立てる所もある。

また、歳神を迎える聖地を示すのに注連縄を張るのだが、この注連縄も、入舟を模ったもの、宝舟を模ったもの、放射状に編み広げて翼を広げた鶏形に見せたもの・・・etc、まるで芸術品のような立派なものが沢山ある。

注連飾りに使われる、橙は未熟の青い実が冬になって熟すと黄色くなるのだが、摘まないで木に付けたままにしておくと、春には再び青い色に戻って、やがてまた黄色になる不思議な変化がある。

これを、代々に渡って実が続くという繁栄の意味と、青い色から始まり、また青い色に戻るという回青の意味をとって、縁起がいい果物だとされる。

ユズリハは、新しい葉の芽吹きを待って、旧い葉が落ちる伝承・相続の意味。縁起ものが土地ごとに沢山飾られる。

そんな正月準備には、歳棚もあり、ここには鏡餅に橙や譲り葉、裏白、伊勢海老などを乗せ、地域によっては鯛や海藻、大根や串柿などを供える。

これらは皆、縁起言葉に因んで使われているのだ。

あれやこれやと忙しくしていると、食事の支度の時間も少なくなる。

そんな時は“鍋”。安い材料で、栄養があって、カロリー控えめ、アッタマル・・・って言うこと無しの鍋を。

豆腐の親戚鍋(2人分)596

  1. 豆腐・厚揚げ各半丁、油揚げ1枚、下ろした大根(笊で水切りして1カップほど)。
  2. 土鍋に出汁(濃い目のもの)1カップを煮立て、醤油・酒各大1.5を入れる。
  3. 適宜の大きさに切った、豆腐・厚揚げ・油揚げを入れて中火で煮る。
  4. 豆腐が熱くなったら、もう一度味を整えて、下ろした大根を加える。
  5. 柚子皮や万能葱などの薬味を散らして、汁ごと食べる。

大根は下ろした後、笊で自然に水気を切る(絞らない)のが美味しい。

暮れも押し迫ると、忙しさに紛れて自愛を忘れがち、くれぐれも健康を第一に、良いお年を迎えていただきたい。

なお、正月飾りなどは、明日29日は“九日(苦にち)飾り”で、31日は“一夜飾り”でどちらも忌み嫌われる。

今日中に飾り終えられなかったら、30日の朝には飾るようにしたい。

2006年12月27日 (水)

翁の風格“伊勢海老”

Photo_265 正月の目出度さを演出するものの一つが“伊勢海老”。

最近は、正月用にと、お歳暮に伊勢海老を贈る人が多くなったそうだ。

我が家にもありがたいことに、この2匹が届いた。

一匹は今日のうちに刺身で、あと一匹は大晦日に天婦羅で頂くつもりだ。

鏡餅に、蓬莱台に、そして注連縄に、料理にと、正月気分を盛り上げる、赤く茹で上伊勢海老。ヒゲが長く伸びて腰が曲がるまで長命に、との願いを託している。

伊勢海老は、他の海老と違って、黒潮洗う、波の洗い外海の浅い岩場に棲息する。

昼間は岩陰に身を潜め、夜になると餌を採るために出てくるが、見た目と違って極端に意気地なし。小心なので月光明るい夜は採餌を我慢して出てこない。

また、夏場の産卵期は禁漁で、寒くなってから美味しくなるが、寒い時期で真っ暗な夜に獲れるだけなので、そんなに漁獲量は多くは無い。

和・洋・中華と、どんな料理にも使えて、生でよし、煮てよし、焼いても揚げても・・・調理法が幅広い。

身を食べて残った頭や具足は、汁の出汁にするといい味になる。Photo_266 Photo_267

正月用の伊勢海老は、ヒゲが折れただけで商品価値が下がるが、味に変わりは無いので、自宅用には“はじき品”で充分。

ヒゲや足の折れた“はじかれ伊勢海老”は半値くらいで美味しく贅沢に楽しめる。

さて、海老を使って、正月料理にもなる一品を。使うのは伊勢海老でなくても、大きめの海老なら充分。

海老の生ハム巻き焼きPhoto_268

  1. 海老(4本)は、殻を剥き、腹側に包丁の切り目を入れて、そり曲がらないようにしておく。
  2. 生ハムを広げて海老を巻き、小麦粉を薄く塗して、巻き終わりを楊枝などで止めておく。
  3. フライパンにオリーブ油を敷き、2とセージ(4枚)を転がすように焼く。
  4. 焼けたら余分な油を捨て、白ワイン(50cc)を注いで、アルコール分を飛ばし、レモン汁(1/4個分)で香りを付ける。

2006年12月26日 (火)

羅臼から“開き真ホッケ”が

日曜日、羅臼のたけし様が、知床の海の恵み“羅臼産開き真ホッケ”を送ってくださった。Photo_269 590_2

たけし様は「羅臼昆布・魚介類直販どっとcom」(http://www.shiretoko1.com/)を開いていらっしゃる。そのHPの昆布はこの辺のスーパーでは入手出来ない品質で、出汁の味が数段に上等になる(つまり、出汁を使う料理がプロ並になる)。

昆布の他に扱っている魚介も、見るからに見事な大きさ・形・色・・・、蟹もホッケもみんな美味しそうなのだ。

そんな立派な“羅臼産開き真ホッケ”を、クリスマスにプレゼントととして届けてくださったのだ。

有頂天になり、直ぐにも食べてみたかったが、24・25日は食事の予約を入れていたので、今日ようやくいただける。Photo_270

ふつうにスーパーなどで売っているのも、炉辺焼きなどの居酒屋で食べられるのも、「ホッケの開き」は殆どが縞ホッケだ。

まれに、デパ地下など「真ホッケ開き」を見ることがあるが、真ホッケ自体の漁獲が減っているのだそうだ。

北海の魚だが、これだけ輸送手段が発達した昨今も、関東以南に出回るのは干物が殆ど。

それは、ホッケ類の鮮度が保ち難いことによる。

私が子供の頃は、寒くなると、漁師が一本釣りの真ホッケを持って、父と酒を酌み交わしに来ていた。

その時の真ホッケの美味しさは、いまでも舌が思い出せるほど鮮明に記憶にある。

獲れたての鮮度のいいホッケは、刺身でも食べられる。その味は平目にも匹敵すると言われるくらいだ。

ホッケは味がいい魚だというのは、漢字で書くと分かるのだが、魚偏に花(魚花)の漢字がどうしてもPCに出ない。

つまりは、花のように美しい味なのだ。

アイナメ科で、地味な体色をした魚、体長は40センチほど。Photo_271

真ホッケの他に、縞ホッケ、蝋燭ホッケなどがあるが、真ホッケの味には及ばない。

燻製も美味しいし、半身をさらに縦半分にして味醂醤油かワインに漬けて一夜干し・・・サッと炙るのも酒肴に何よりだ。

北海道や北東北では、塩漬けにしたものや、それをさらに飯寿司にしたものなど、ホッケの食べ方もいろいろだ。

生だとフライやムニエルが美味しいが、干したものは適度に水分が抜けて身が締まり、その分脂の味と香りが際立つ。

大きい“羅臼産開き真ホッケ”は、一枚を夫婦二人ではお腹一杯になる。タップリ大根を下ろして、焼きたての熱々を堪能した。

獲り立てを直ぐに開いてサッと乾した、脂の乗った真ホッケだから、焼きたてをおろし醤油で食べるのが一番。美味しい~い!。

2006年12月23日 (土)

滋養豊富な“人参”でクリスマス料理

寒くなって、人参の甘味も増してきた。人参が苦手な人にも大丈夫、色が綺麗で見た目も可愛いので、クリスマス・パーティーにも好評間違いなし。

鶏笹身の人参衣揚げDsc03630

  1. 鶏の笹身(約200g)は白い筋を抜き取って、一口大の削ぎ切り、塩と酒を少々振り掛けておく。
  2. 人参(2本)は摩り下ろして、水気を絞る。
  3. 2をボウルに移し、小麦粉(大5)、卵白(1/2個分)、塩(小1)を混ぜる。
  4. 1に3を貼り付けて衣にするが、肉が見えないようにムラ無く、厚味も均等に付けて、軽く握るようになじませる。
  5. 油を170℃に熱し、ゆっくり揚げていく。表面がカリッとすればOK。
  6. レモン汁をかけて食べる。※鶏笹身の代わりに貝柱でも。

古くから、滋養強壮の野菜として知られている“人参”は、芹科で、原産はアフガニスタンを中心にする地域。

501_1 太くて短く、肉質が柔らかいのが西洋種で、市場の主流になっている。

東洋種は、細長く濃紅色の“金時人参”が主で、別名京人参と呼ばれる。

ほかに、ミニキャロットという種もある。

野菜の中でも、カロチンの含有量は抜群で、ビタミンAの供給源にもなっている。ビタミンBやミネラル分も豊富で、昔から貧血や強壮に効果があると言われている。

常用したい野菜ではあるが、人参にはアスコルビナーゼが含まれ、これがビタミンCを酸化させる。

だから、そのままビタミンCの多い野菜と一緒に使うのでは意味が無い。

生で使うなら、酢を加えると、その作用が無くなり、ビタミンCを守れる。例えば大根と人参の『紅白なます』などは大丈夫。正月にはたっぷり食べよう。452_2

また、加熱してもその作用は失せるので、煮しめなどもOK。

油で料理すると、体内でのカロチン吸収率が良くなる。サラダのドレッシングには酢も油も入っているから、これもお奨めだ。

滅多に店頭では買えないが、葉付きがあったら、天婦羅にしてほしい

2006年12月22日 (金)

本格的“ローストチキン”を焼く秘密

クリスマスのパーティー、メインに自作のローストチキンをドーンと丸ごと一羽焼き上げて、豪快に出そう。

そのチキンが皆の歓声を呼ぶ美味しさなら、明日から、あなたの評価は変わる!!。

鶏の洋風料理の中でも人気の“ローストチキン”。焼くだけという簡単な料理だけに、ちょっとしたコツが物言う。

最大のコツは(秘密だが)鶏は一晩塩水に漬けて置くこと。鶏の余分な水分が抜けて、身が締まり、皮もパリッと焼き上げる。

ローストチキン婆ァバ風Dsc03527

内臓を取ったあとの腹は、詰め物無しでもいいのだが、野菜・茸類の詰め物をして焼いた方が一味UPで、絶賛間違いなし。

  1. 鶏(丸鶏)は5%ほどの塩水(鶏が1Kgで水1リットル・塩50g)に漬け、少なくても10時間は置く。
  2. 1の水分を良く拭き取り、胸の皮部を少しだけ切って、V字形の骨を取る。
  3. 鶏を仰向けにして、手羽先を背側に折込み、形を整える。
  4. 脚は関節よりも1センチ下で切り落とし、飛び出して見える骨は皮で包み隠す。
  5. 詰め物は、椎茸6枚を4等分、玉葱150gとベーコン90gは2センチ角切りにして、40gのバターで炒める。
  6. 鶏のお尻から5を詰めていくが、詰めすぎても火の通りが悪くなるだけなので、無理に詰めず、半分ほどは付け合せように残しておこう。
  7. 両手にサラダ油を付け、鶏の表面を撫でて油の膜を作り、280℃に熱したオーブンに入れる。
  8. 役10分ほどして、表面に焼き色が付いてきたら、温度は180℃に下げ、そのまま30分ほど焼く。
  9. 焼きあがったかどうかは、あれば温度計を鶏の腿に挿して確かめる(60~65℃がOK)のがいいが、金串を中心まで刺してみて串先が唇に当てて熱く感じればほぼ大丈夫。
  10. 丸鶏の切り分け方は写真を参考にして・・・。
  11. 付け合せは、揚げた角切りジャガ芋と詰め物の残りを炒め合わせるほか、好みで。

詰め物無しで焼いても構わないのだが、その時は腹中は空洞なので火の通りが早い。熱する時間は短くなるので要注意。

ローストチキンは丸ごと焼かなくても、充分美味しくできる。

骨付き腿肉を使って作る時も、同じように塩水に漬けてから焼けばプロ級の味。水気を拭いて180℃のオーブンで15分も焼けば、こんがり美味しい・・・出来上がりを買ったのとは一味違う美味しいチキンで、楽しいクリスマスを。

さて、食べきれずに残ったチキン・骨に付いて食べられなかった肉・・・それはチキンサラダに。

  • マカロニを混ぜてマヨネーズで和え、パンに挟んでサンドイッチ。
  • 茹でたジャガ芋とフレンチドレッシングで和えてポテトサラダ。
  • マヨネーズで和えてからゼラチンで固めてテリーヌ風に。
  • 横半分にしたイングリッシュ・マフィン(食パンでも)にトマトソースやホワイトソース・チキン・ピザ用チーズたっぷりでオーブン焼きすればピザ風(写真)。
  • パスタ・ピラフ・・・etc。

アイディア次第で、暮れの忙しい時間節約に役立つランチを。

2006年12月21日 (木)

冬至に柚子と南瓜

冬至は24節気の一つで、通常は12月22日頃(および、それから小寒までの間)。Dsc03347

日本では、冬至には柚子湯に入り、カボチャや小豆粥を食べる風習がある。

この日にカボチャや小豆粥を食べると「風邪を引かない」「中風にならない」「厄除けになる」・・・etc、いろいろ言われている。

カボチャも小豆も体にいい食品で、とくにカボチャのビタミンA・B1・Cは、不足しがちな冬季のビタミン補給源だ。栄養学など発達していない時代の祖先もたちの知恵だったと思う。

柚子湯に入るのは、柚子は“融通”に通じ、冬至は“湯治”に通じると言われ、また柚子の香りには邪気を払う霊力があると信じられていたからだ。

ところで、なぜ冬至にカボチャや小豆粥・蒟蒻などを食べるのか・・・これは、古代には冬至が一年の始まりだった名残で、暦の基準になっている。

太陰太陽暦では、冬至がある月は11月だとしている。そしてきっちり19年周期で11月1日に冬至が訪れる。

月の始め・1日を“朔日”と言うが、冬至と重なった場合は『朔旦冬至』と言い、盛大に祝われたのだ。

過去の近『朔旦冬至』は1995年、次回は2014年になる。

つまり、朔旦冬至は大きな祝日で、宮廷で節会が開かれたり、禅寺では冬夜振る舞いがあり、民間でも餅などを搗いて祝ったとされる。

この祝いの餅や振る舞いが、カボチャや蒟蒻の煮物・小豆粥として残ったものだが、これらの食品は外来のものだ。

珍しい野菜を供物にした・・・古来の神事や節会の様子が伺える。

冬至に食べるカボチャ料理も、いつも煮物ではつまらない。今年は若い男性も喜ぶカボチャ料理を。

カボチャのニンニク炒め(2人分)015_1 カボチャ(1/4)は、種とワタを取り、皮側が1センチ程の櫛切りにする。

  1. ニンニク(1~2片)は微塵切り、乾し海老(大1)はサッと洗い、大きければ半分にする。
  2. 鍋に揚げ油を170℃に熱し、カボチャを素揚げする。
  3. 鍋の油を別器に移し、新しい油をDsc03525少々とニンニクを入れて、弱火でニンニクの香りが出るまで炒める。
  4. 乾し海老も加えて、さらに炒めて香りを出し、カボチャを炒める。
  5. カボチャに、ニンニクと乾し海老の香りが移ったら、塩と胡椒で調味。

カボチャの煮物も、肉類と一緒に煮ると皆大好き。

→カボチャ&牛筋&巻き昆布の煮物

2006年12月18日 (月)

フルコースの仕上げはデザート・(Ⅵ)

クリスマス・ディナーに役立てていただこうと書いてきた、レストランでの楽しみ方も6回目。Dsc03449

食事の締めくくりはデザート。食後の楽しみは女性だけのものではない。男性も一緒に美味しく楽し味(み)を決めたい。

ヨーロッパ諸国には、それぞれの国自慢のデザートがあり、それは土地名産の果実や酒を使ったものや、その国の歴史上の人物に因んだものがおおく、それぞれの国の文化や伝統そのもの。味に込めて発展してきた美味しさだ。

グラス類と呼ばれる氷菓(アイスクリーム、シャーベット、ムース、パルフェなど)のほか、歴史をもつ有名なケーキ類、時代や国境を越えて、世界中で愛され続けているデザート・ケーキのプロフィールを知れば、今夜のディナーは美味しく終わる。

フランス

  • Beigneets(ベーニェ)=熱湯(または油)で揚げたもの。英語ではフリッター。5種に分けられ、①衣で包んで揚げた菓子。②スフレと呼ばれるシュー種を揚げた菓子。③ブリオッシュ生地を揚げたウィーン風と呼ばれる菓子。④クリームを揚げた菓子。⑤ワッフル(ゴーフル生地)を揚げた菓子。
  • Blane-Manger(ブランマンジェ)=白い食べ物と言う意。アーモンドの香りがするゼリー菓子など。純白ほど本格的という。
  • Compote(コンポート)=フルーツのシロップ煮。崩れないように中まで味を浸み込ませるのが手間と時間がかかる。よって高級品になる。
  • Crepes Suzette(クレープ・シュゼット)=みっちり、しっかり細かい焼き目が付いた布地のクレープ・デシンを思わせるのが上等なクレープだ。これにオレンジバターを包み、酒をかけて火を付ける・・・雰囲気は最高、高級レストランの見せ場だ。
  • Gellees(ジュレ)=つまりゼリー。滑らかさはゼラチンの量で決まると言われ、多いと硬く、少ないと弾力が無い。パテシェの腕だ。2~4%が適量らしい。
  • Langues-de-Chat(ラング・ド・シャ)=訳のまま、猫の舌。薄いクッキー。少し大きめに成型し、アーモンドスライスを散らして焼き、丸みをつけるように反らせると“チュイール=瓦”と呼ばれる。
  • madeleines(マドレーヌ)=作った料理人の名だ。ルイ15世の王妃・マリー・レクチンスカのお気に入りデザートだった。
  • Mont Blane(モン・ブラン)=ヨーロッパ・アルプスの最高峰を模った栗のケーキ。マロンペーストを山のように絞った伝統的な形。
  • Mousse(ムース)=泡のよう・と言った意。フルーツピュレをベースに、空気の気泡性を利用して泡立てた軽い種を凍らせたもの。
  • Parfait(パルフェ)=卵黄と生クリームを使ったカスタード風の種をベースに、ムースと同じように空気を含ませて冷す。
  • Peches Mellba(ペーシュ・メルバ)=フランス料理の偉大なシェフ、オギュスト・エスコフィエが作り出した傑作デザート。アイスクリームを乗せたコンポートにラズベリーソースをかけたもの。正餐に良く使われる。
  • Sagayon(サバイヨン)=ムース状のクリームの一種で、単独より、温かいプディングにかけて供される。
  • Sable(サブレ)=サクッとした生地が特徴。 Sorbets aux Fruits(ソルべ・オ・フリュイ)=シャーベット。果汁や酒類などをベースにしたものを凍らせたもの。

その他の国

  • Apfel Strudel(アプェル・シュトゥルーデル)=オーストリアやドイツのバイエルン地方でよく食べられる菓子。パイ生地を透けるほどに薄くのばしてリンゴを巻いたもの。芥子の実もよく使う。
  • BABA(ババ)=ポーランドの代表的な菓子。サバランの生地にレーズンを混ぜたもの。アリババの好物だったから“ババ”なのだと言われている。
  • Baumkuchen(バウムクーヘン)=ドイツの代表菓子。回転する長い芯棒に種を流し塗りながら14~15層重ねて焼き上げると、樹木の年輪のように焼き色が模様になってくる。
  • Kardinal-Schnitten(カルディナル・シュニッテン)=オーストリアの菓子。卵白で作るメレンゲと、卵黄で作った黄色い生地を組み合わせて焼き、その間に赤いジャムを挟んだもの。シュニッテンとは切り分ける菓子のこと。
  • Margarethen-Kuchen(マルガレッテン・クーヘン)=ドイツの菓子だが、元はイタリア・トスカーナのマルガリータ姫に因んだ名で、マーガレット・ケーキのこと。
  • Mince-pie(ミンス・パイ)=ミンス・ミートと呼ばれる混ぜ物を長時間酒に漬け、これを使って焼いたパイ。混ぜ物は牛の腎臓・脂・フィレ&ドライ・フルーツなどで、イギリスのクリスマスには欠かせないケーキだ。
  • Pudding(プディング)=いろいろな作り方があって、種類も多いが、基本は小麦粉と卵・牛乳を主材料に湯煎したものを蒸し焼きしたもの。温・冷どちらもあり。
  • Sacher Torte(ザッハ・トルテ)=オーストリアといえばこれ!。ハプスブルク王朝に仕えたコック、エドワード・ザッハが作った。表面にショコラーデン・グラズールを3mmの薄さに掛けただけで、ほかに何の飾りも無いチョコレートケーキ。しかしこの完璧と言える表面の美と形に風格が滲み、100年来愛され続けている。
  • Tira mi su(ティーラ・ミ・ス)=イタリアのデザート。泡立てた卵黄・卵白にマスカルポーネチーズを混ぜ、珈琲粉を振ったもの。直訳すると「私を天国に連れて行って」。
  • Zuger Kirsch-Torte(ツガー・キルシュトルテ)=スイスの銘菓。チューリッヒ近郊のツーク地方はキルシュが名産で知られるが、そのキルシュから作った酒をたっぷり使った菓子。香りも色も“サクランボ”を連想させる。

世界には限りないオリジナル・デザートがある。しかし、先人の作った伝統の味があってこそ、新しい味が生まれる。

今夜の締めくくりのデザートに、あなたはどんな味を選んだのだろう。

6回に渡り、フランス料理その他について書いたが、書くのも大変だったが、読むのも大変だったことと思い、目を通してくださった皆様に心から感謝。

《MENU・Dictionary》として、何時かお役に立てることがあれば幸せ。

国内・海外のレストラン選びは慎重に、旅行社に相談するもよし、個人的旅行なら“ミシュラン・ガイド”のような信用出来る中から選ぶことだ。

2006年12月17日 (日)

フランス料理を楽しむマナー・(Ⅴ)

『思いっきり堪能しよう』と張り切って出かけたフランス料理。そのフルコースに出た食べ辛そうな料理、「サテ、これってどう食べればいいの?」と悩んだことは?。Dsc03348

落語に出てくる、長屋の八っさん・熊さんじゃないけれど、隣のご隠居に“”右倣え”したくなるが、そうもいかず、といって手も付けないのは不自然だし失礼。

こんな困ったメニューも、意地悪でも何でもない、本格的なフルコースにはありがちなこと。

ピンチに追い込まれる前に、基本的マナーを知っていれば大丈夫。

マナーの原点

食事を楽しむ・・・あくまでこれが基本だから、堅苦しく考えすぎず、周囲の人に不快感を与えないように心がけて、気持ちよくにこやかに美しく食べられればいいのだ。

『案ずるより生むが易し』の気持ちでアタックしよう。怖気ずに堂々と食べると魅力的に見える。

基本的マナー

  • 着席=ウェイターの案内に従って、年配客や女性客を優先してテーブルへ。椅子は左側から腰をおろし、女性のバックなどは椅子の背部か足許に置く。
  • ナプキン=食前酒かオードブルが配られる頃合をみて広げる(くれぐれも着席した途端に、なんてことをしないで)。二つ折りにして、折り目を自分の方に向けて使用。口の端や指先を拭う程度に使う(間違っても汗など拭かぬよう)。
  • 中座=出来れば食事中は中座しないこと。止むを得ず席を立つ時は、ナプキンは軽く畳んで椅子の上に(テーブルには置かない)。
  • 食器類=ナイフ、フォーク、スプーンなどは、外側から順に使用する。オードブルやデザート用は前方上に置いてあることが多いので、形や大きさ、次に出る料理で判断する。使う順番を間違えた時は、さり気なくウェイターを呼び足りない分を補充してもらう(落とした時も同様)。食事中のナイフやフォーク類は皿の上に八の字に置き、食べ終えたら両方揃えて、先端は10時方向・柄は4時方向に向けて皿の上に(これはフィニッシュの合図なので、食べかけでも皿が下げられるから注意)。
  • 退席=食事が終わったらナプキンはザッと畳んでテーブルの左側に。キチンと畳むのは無用。

食べ方の基本

  • パン=パン皿は通常左側が自分用。パンは最初から出ている場合もあるが、手を付けるのはスープの後。スープの後から食べるが、メインの肉料理が終わると同時にパンも下げられるから気を付けて。
  • ワイン=最初は白、肉料理になってから赤が出るのがふつう。ワイングラスの足(細い部分)をしっかり持って、まず色を見、香りをスッと片鼻程度に嗅いで、一口含んで舌の上で転がすように味わって飲む。一気飲みは厳禁!!。
  • スープ=コンソメ、ポタージュの他、グラタン風のものまである。例えば『オニオンスープのパイ封じ』なんて飲みにくそう・・・パイ皮をスプーンでカップの中に落としながら食べるように飲むが、パイはスプーンで上手く取れる分だけで終わり。カップの縁にこびり付いた分は無理しない。普通の器で出たスープは手前からすくい、スプーンを斜めに口に当てスッと流し込む(決してズルッと音は立てないこと)。器の底に残ってすくえない分は潔く諦めて、スプーンは器の向こうに置く。
  • 魚料理=最近は骨付きの魚は滅多に出ない。が例えば『舌鮃のムニエル』なんていうのが姿ごと出ちゃったら・・・頭は左だ。頭の下と頭から尾にかけて中央にナイフを入れ、その切れ目から手前の身を骨に添って剥がすようにナイフを入れる。左から少しずつ切り分けながら食べ、残った上半分も同じようにたべる。ここで骨が現れるが裏返さない。骨とその下の身の間に気合でナイフを入れて、下半分~上半分と4半身を同じように食べる。口中に小骨が残ったら目立たぬように出して、食べ終えたら骨はまとめて皿の前向こう側に。
  • 添え物=グリンピースなどの食べ難い添え野菜は、ナイフで潰して形を崩してからフォークに乗せるとラクに。
  • 肉料理=骨付き肉の場合、少しくだけた席でフィンガーボールが用意してあるなら手を使ってもOKだ。ナイフで食べなければならないのなら、骨の傍にナイフを入れて肉を骨から切り離し、左から一口分づつ切って食べる。骨に残った身は諦めよう(ホントは一番美味しいところなんだが)。
  • デザート=高さのある場合は無理してそのまま切ろうとせず、横に倒して切り分ける(大きければ、縦半分に切って半分づつ倒す)。
  • フルーツ=皮付きのフルーツは、慌てず・焦らず、深呼吸して・・・。オレンジなら、まずヘタを切り落とし、花付きも切っておくと安定する。皮に縦4カ所くらい切れ目をいれ、皮と身の間にナイフを入れながら皮を剥がし、小房を切り離しながら食べる。小房の薄皮が飲み込めなかったら目立たぬように出して剥いた皮の中に。バナナなら、皮に横一文字に切れ目を入れて、そこから開くように皮を剥く。左から切り分けて食べる。リンゴなら、ナイフを真ん中に2/3ほど入れて、切り終える手前でちょっと力を抜き、ソロリと刃を下ろす(皿がガシャンと音を立てないように)。半割りしたら皮側にフォークを刺して芯を切り取り、フォークを取った芯側に刺し直して皮を剥いていく。皮を薄く剥こうなんてカッコ付けなくていい。あとは一口づつ切って食べる。※果物の皮は表に返して伏せて皿の前向こうに。

習うより慣れろ・・・家庭での普段の食事で練習して、いざ本番!。

2006年12月16日 (土)

“ソース”の種類は無限・(Ⅳ)

フランス料理の基本は、何と言っても“ソース”。Dsc03450 ところで、“ソース”といって思いつくのは何種類?。

ウスター、ケチャップ、タバスコ、マヨネーズ・・・?。それでは、テーブルソースだけ。

ベシャメル、ドミグラス・・・?、ン~ン、まだまだ。

ごく一般的・基本的なソースだけでも、数十種は下らない。独創的なものや、特殊なものを含めたら、無限にあると言っていい。

料理が独創的になれば、当然、ソースはその都度違う。料理の数・素材の数だけのソースがあると言っても過言ではない。

そのような、オリジナルソースは別にして、一般的に使われるものを紹介しよう。きっと、どこかの店で味わったことがある・と思い出すことだろう。

まず、ソース(Sauce)と言うのは、液体調味料の総称で、料理のかけ汁、タレにするほか、材料を和えたり、つなぎにも使う。

❤各種ソースの基となるもの

A :だし汁(Fonds de cuisine)

  • フォン・ブラン(Fonds brun)=鳶色をしただし汁。エストゥファードとも呼ばれ、砕いた牛骨と屑肉をオーブンで軽く焼き、人参・玉葱・パセリ茎根・トマトなどに香辛料を加えて、6時間以上煮出して布で濾したもの。
  • フォン・ブラン(Fonds blanc)=日本語で書くと同じようだが、ブランが違う。白色のだし汁。犢(こうし)の骨や脛肉、家禽のガラなどをアク抜きしてから、玉葱・ポロ葱・セロリ・パセリ茎根などに香辛料を加えて、3時間ほど静かに煮て濾したもの。
  • フォン・ド・ボゥ・ブラン(Fonds de veau brun)=犢の鳶色だし汁。分厚い鍋に、玉葱・人参・ベーコンの皮を敷き、犢のブツ切り肉と砕いた骨を入れ、白色のだし汁を注いで煮詰める。煮詰まったらだし汁を足し、それを繰り返してブーケ・ド・ガル二(香草の束)を入れ、アクを取って煮立たせ、布で濾したもの。
  • フュメ・ド・ポワッソン(Fumet de poisson)=魚のだし汁。白身魚の屑肉と骨を、バターで軽く炒め、白ワインと水を注いで、パセリ茎根・海老の屑殻・白胡椒・レモン汁・塩を入れ、20~30分煮込んで濾したもの。
  • その他=これらのだし汁のバリエーション。

B:ルウ(Roux)=バターを溶かして、等量の小麦粉を炒ったもの。brunは鳶色、blondはクリーム色、blanceは白色。

C:合わせバター(Beurres composés)=バターに他の材料を潰して加え、濾したもので、Beurres~と、あとに材料名が付く。

❤A~Cを応用した基本ソース

  • ベシャメル(Béchamel)=白色ルウを牛乳で溶き調味。玉葱薄切りや犢肉、香辛料を加えて弱火で煮て濾して使う。
  • ドゥミグラス(demi-glace)=鳶色ルウを鳶色だし汁で溶き、ミールポウやシャンピニオンを炒めたものに加え、トマトピュレを入れて煮詰めて濾し、マディラ酒を加える。
  • ヴェルーテ(veloute)=クリーム色ルウを白色だし汁で溶き、ミールポウや犢肉をバターで炒めたものに加え、シャンピニオンや香辛料を入れて煮込み濾したもの。
  • トマト(tomates)=白色ルウを、フォン・ド・ボウと白ワインで溶き、ミールポウをバターで炒めたものに加え、トマトピュレを入れて煮込み濾したもの。

❤一般的に使われる応用ソース

  • アイヨリ(ailloli)=ニンニクをたっぷり使ったオリーブ油製のマヨネーズ。南仏料理に使われる。
  • ブール・ブラン(beurres blanc)=エシャロットを炒めて、白ワインを加えて煮詰め、バターと合わせたもの。ロワール地方の料理に使う。
  • ビガラード(bigarade)=苦オレンジの汁を入れて作る甘辛い茶系ソース。ジビエ(野生肉)料理に使われる。
  • シャンティイ(Chantilly)=泡立てクリームを入れた白色系ソース。
  • クラランス(Clarence)=カレー風味のクリームソース。
  • エマルジョン(émulsion)=油とバター、酢で作る乳濁色ソース。卵黄を入れる場合もある。
  • グリビッシュ(gribiche)=固茹で卵の黄身を使って、香草で風味付けをしたマヨネーズ。
  • オランデーズ(hollandaise)=卵黄とバター、レモン汁を湯煎しながら混ぜた温製ソース。
  • ジョワンヴィル(joinville)=小海老とトリュフを使った魚介料理用のソース。
  • モルネー(Mornay)=牛乳、バター、小麦粉で作ったソース。
  • ポワヴィラード(Poivrade)=胡椒を効かせた酸味のある茶系ソース。ジビエ料理に使う。
  • ラヴィゴット(ravigote)=香辛料を効かせたヴィネグレット・ソース。
  • リッシュ(riche)=オマール海老とブランデーを入れた魚介料理用ソース。とくに“舌鮃”料理に使う。
  • サルミ(salmis)=野鳥のガラやレバーをワインで煮詰め濾したもの。
  • スュプレーム(suprême)=鶏のブイヨンに、生クリームとバターを入れて作る白色ソース。
  • タルタール(tartare)=玉葱、ケイパー、マスタード、香草などを入れたマヨネーズ。
  • トルテュ(tortue)=香草、マディラ酒、トマトで作るソース。トルテュとは亀のこと。
  • ヴネゾン(venaison)=胡椒を効かせた茶色ソースで、鹿肉や猪肉料理に使う。
  • ヴェール(ト)(vert(e))=パセリや香草を入れた緑色ソース。

レストランでの食事の際に、メニューのソース名から味を想像する楽しみを・・・。

2006年12月15日 (金)

メニューを読んで料理を想像・(Ⅲ)

Dsc03448 フランス料理のメニュー、2回目の今日は、職業や身分を表す名詞が使われている“~風”について。

地方名が使われているものより、さらに考える面白さがあり、クイズのようだ。

雰囲気的なもの

  • ancienne(アンシエンヌ)=昔風、いわば日本で言うおふくろの味。
  • demi-deuil(ドゥミドゥイユ)=半喪服風、白と黒の材料を組み合わせた料理。
  • diable(ディヤーブル)=悪魔風、辛味の効いたソースや料理。
  • mode(モード)=現代風、いま流行の味。
  • printanie're'(プランタニエール)=春風、春野菜を付け合せた時季的料理。

職業・身分などのもの

  • archiduc(アルシデュック)=大公風、玉葱とパプリカを使ったハンガリー風料理。
  • arleguine(アルルキーヌ)=道化師風、カラフルな料理や盛り付け。
  • cardinale(カーディナル)=枢機卿風、枢機卿の衣の色が緋色=赤、つまりオマール海老を使った料理。赤い果物や野菜を使うこともある。
  • charcutie're(シャルキュティエール)=豚肉加工店主人風、白ワインと酢、マスタード、ピクルス、エシャロットなどで作った辛いソースを使う。
  • cha^telaine(シャトレーヌ)=城主風、栗のピューレを使ったものや、レタスを蒸したもの、またはジャガ芋団子を添えたもの。
  • diplomate(ディプロマット)=外交官風、冷製のプディング料理の一種。ソースの場合はオマール海老とトリュフで作ったもの。
  • duchesse(デュシェス)=公爵夫人風、シューに詰めものをした料理。
  • financie're(フィナンシエール)=銀行家風、鶏の鶏冠や腎臓にクネルやトリュフを加えて煮込むリッチな料理。ソースの場合はマディラ酒とトリュフで香りを付けたもの。
  • forestiere(フォレスティール)=森林監視員風、モリーユ茸などを使った鶏料理。
  • grand-me're(グランメール)=祖母風、家庭的な料理。
  • imepe'riale(アンペリヤル)=皇帝風、フォワグラやトリュフ、鶏の鶏冠などを付け合せた豪華な料理。
  • imepe'ratrice(アンペラトス)=王妃風、豪華な料理、とくにお菓子など。
  • jardinie're(ジャルデニエール)=園丁風、人参、蕪、隠元などをグリンピースとまぜ、クリーム和えした付け合わせを言う。
  • maison(メゾン)=当家風、自家風。
  • manie're(マニエール)=店主風、親父風。
  • marinie're(マリニエール)=船員風、主としてムール貝や鱸(スズキ)を使った料理。
  • meunie're(ムニエール)=粉屋風、小麦粉を付けてバター焼きしたもの。
  • princesse(プランセス)=王女風、アスパラガスの穂先、トリュフ、アーティチョークの詰めものなどを付け合せて、ホワイトソースを使う。

調理法の場合

  • chamborl(シャンボール)=鯉を赤ワインソースで煮込む。
  • collbert(コルベール)=魚を卵に漬けパン粉を塗してバター焼き。日本のフライ。
  • crapaudine(クラポディーヌ)=骨を取った鶏肉を背開きにして平にし、小麦粉を塗して網焼きに。クラボーはヒキガエルのこと。
  • crogue au sel(クロコッセル)=生のまま。
  • etouffe'e(エトゥフェ)=蒸し煮したもの。
  • nage(ナージュ)=魚や海老のブイヨンを煮詰めたソース(時には少量のクリームを加えることもある)をかけた魚介料理。
  • parmesane(パルムザーヌ)=パルメザンチーズを使った料理。
  • paysanne(ペイザンヌ)=拍子木切りの根菜類と四角切りの葉菜類を煮る。
  • presse'ce(プレッセ)=プレスと言う場合もある。圧搾したもの。

このように、ソースの種類は無限に近いほどあるが、フランス料理のメニューの基本とも言える“~風”について2回に分けて書いてみた。

明日は、基本的・伝統的なソースを・・・ソース=液体調味料の総称。お楽しみ(味)に。

2006年12月14日 (木)

メニューを読んで料理を想像・(Ⅱ)

Dsc03448_1 さて、今日は難関のフランス料理・・・昨日は中国料理とイタリア料理だったが、少しは「ン~」と言っていただけただろうか。

今日は、私も完全にはメニューを読みきれない(そんな、自信の無いことを書くな!、ご尤もなれど・・・)世界一メニューが難しいフランス料理に、少しでも踏み込んでみたいと敢えて挑戦。

フランス料理には、イタリア料理以上に、“~風”と言うのが使われる。

この“~風”は、職業名だったり、地方名だったり、時には人名だったり・・・、これって勝手に付けているのだろうか・・・。

この“~風”が分かれば、料理法や味付けの見当が付き、楽し“味”が広がると思うでしょ。

メニューでは、 a' la ~と続くが、この~部分が料理の特徴になる。

地方名が付く場合

  • allemande(アルマンド)=ドイツ風、マッシュポテトを添えたり、サワークリームを使った肉のローストが多い。
  • alsacieme(アルザシェンヌ)=アルザス風、キャベツの酢漬けを添えたり、料理に使っていることが多い。フォアグラを使うこともある。
  • americaine(アメリケーヌ)=アメリカ風、煮崩したトマトにニンニク・エシャロット・玉葱で風味付けをして、オマール海老のミソでトロミを出したソースを使う。
  • anglaise(アングレーズ)=イギリス風、主としてカスタードソースを使っている。
  • basguaise(バスケーズ)=バスク地方風、トマトやピーマン、米などを使う。セップ茸やジャガ芋を使うこともある。
  • bayonnaise(バヨネーズ)=バイヨンヌ地方風、バイヨンヌ名物のハムを使っている。
  • bordelaise(ボルドレーズ)=ボルドー地方風、ぶどう酒を使う料理。
  • bourguignonne(ブルギニョーヌ)=ブルゴーニュ地方風、赤ワインを使いキノコや玉葱、ベーコンを入れることが多い。
  • bressane(ブレッサンヌ)=ブレス地方風、マディラ酒とオレンジジュース、鶏レバーで作ったソースを使う。主材料は鶏がほとんど。
  • bretonne(ブルトンヌ)=ブルターニュ地方風、白隠元豆を主に使う。
  • cancalaise(カンカレーズ)=カンカル地方風、牡蠣や海老と白ワイン・クリームで作ったソースを使う。
  • charentaise(シャランテーズ)=シャラント地方風、ピノー・デ・シャラントと言うワインか、ベルモット酒を使ったソースをかける。
  • dieppoise(ディエポワーズ)=ノルマンディ地方のディエップ風、主として舌平目などの料理。海老や貝を添えてクリームソースをかける。
  • dijonnaise(ディジョネーズ)=ディジョン風、マスタード料理。
  • e'cossaise(エコセーズ)=スコットランド風、羊肉や鮭、豆や粒大麦を使った料理。
  • espagnole(エスパニョル)=スペイン風、トマト・ピーマン・玉葱・ニンニクを使う。
  • flamande(フラマンド)=フランドル地方風、キャベツ・ビーツ・ジャガ芋などの野菜とベーコンを使った、田舎っぽさが身上の料理。
  • genevoise(ジュヌヴォワーズ)=ジュネーブ地方風、魚の出汁と赤ワインで作ったソースを使う。鮭などの料理が多い。
  • grecgue(グレック)=ギリシャ風、オリーブ油を使った野菜料理が主。
  • hongroise(オングロワーズ)=ハンガリー風、パプリカ・玉葱・トマトを使う。
  • indieme(アンディエンヌ)=インド風、米やカレーを使う。
  • japonaise(ジャポネーズ)=日本風、チョロギを使った肉料理など。
  • landaise(ランデーズ)=ランド地方風、バンヨンヌハムやガチョウの脂、アルマニャックを使った料理。
  • lyonnaise(リヨネーズ)=リヨン地方風、最大特徴は玉葱を使う。
  • marseillaise(マルセイエーズ)=マルセイユ地方風、トマト・ニンニク・玉葱・オリーブなどやアンチョビを使う。
  • milanaise(ミラネーズ)=ミラノ風、パスタ類を付け合せる。主としてトマト味。
  • moscovite(モスコヴィット)=モスクワ風、木の実やスグリとワインを使ったソースが多く、主として鹿肉料理。
  • nantaise(ナンテーズ)=ナント地方風、蕪やグリンピース、ジャガ芋を付け合せた料理。またエシャロットとプチ胡瓜のピクルス、白ワインとバターで作ったソースの場合も。
  • nicoise(ニソワーズ)=ニース地方風、基本的には南仏料理。
  • normande(ノルマンド)=ノルマンディー風、リンゴやリンゴ酒を使った料理。ソースの場合は魚介やキノコの煮汁に卵黄と生クリームを使ったもの。
  • orientale(オリエンタル)=東洋風、米や胡麻、オクラ、カレー粉を使った料理。
  • pe'rigourdine(ペリグルディンヌ)=ペリゴール地方風、トリュフとフォアグラの料理で、マディラ酒で風味を付けたソース。
  • pie'montaise(ピエモンテーズ)=ピエモント地方風、白トリュフを使い、トマトソースとパルメザンチーズで味付け。
  • provencale(プロバンサル)=プロヴァンス地方風、トマト・ナス・オリーブ・玉葱・ニンニクなどとアンチョビを使う。
  • russe(リュス)=ロシア風、ロシア宮廷料理のような豪華なもの。
  • sarladaise(サルラディーズ)=ペリゴール地方のサルラ風、トリュフを使う。
  • savoyarde(サヴォワイヤルド)=サヴォワ地方風、チーズとジャガ芋を使う。
  • viennoise(ヴィエノワーズ)=ウィーン風、卵に漬けパン粉を塗した肉をフライパンでバター焼きする。日本のカツレツの源?。

このように、地方名のほかに良く使われるのは、職業や身分を表す言葉。例えば皇帝風、銀行家風、店主風、漁師風・・・etc。

調理法を表す言葉も使われるが、ひとひねり考えてみると「ナルホド」と頷けることが多い。

そんな面白い“~風”については、また明日にして、さて今夜のディナーは何処の地方名ソース味を選ぼうか・・・美味しくお楽しみ(味)を。

2006年12月13日 (水)

メニューを読んで料理を想像・(Ⅰ)

クリスマスが近くなると、レストランで食事をする機会もあるだろう。

また、年末年始に海外に出かけ、料理店に入ることも。

※国内・海外でのレストラン選びは、なんと言っても“ミシュラン・ガイド”が一番信用出来る。海外でのフリーの食事は信頼のおける旅行社で相談すること。飛び込みは危険。いい店は予約客より受け付けないと思って。

どこの国の料理を食べに行くにしろ、レストランで出されるメニューが読めたら・・・と思うことは無いだろうか。

その国の言葉が堪能でなくても、メニューを見て、どんな料理か見当が付いたら、もっと楽しめるのでは。

日本語の説明が付いていないメニューを手渡されてまごつく方に、ちょっとした予備知識で、料理の見当が付く“隠し技”を。

勿論だが、国内のレストランなら、料理の説明をしてもらうのが最良で、知ったかぶりをして失敗するほうが恥ずかしいことだ。

ただ、予備知識があれば、説明されても分かり易いし、メニューを読むことが楽しくなる。

中国料理の場合

漢字が並んで一番馴染み易い。基本的には《調理法~主材料~材料の切り方》の順に漢字が並んでいる。

1 調理法

  • 炒・爆・吃=炒める 
  • 焼・燉=焼く、煮る、揚げ煮
  • 炸=揚げる      
  • 燻・烤・樟=燻し焼き
  • 拌=和える、ドレッシングをかける
  • 湯=汁物、スープ   
  • 清=薄味、生っぽいもの
  • 紅・醤=醤油味。    
  • 白・塩=塩味
  • 辣=辛味、酸味。    糖醋=甘酢かけ、甘酢味
  • 糖・甘・甜=甘味。    脳羹=ドロリとしたもの

2 主材料

  • 肉・鶏・蝦・鴨・蟹・鮑などは字のまま
  • 肘・腿・筋・心・掌・舌・耳なども使用している獣肉部所
  • 猪=豚。         脆=モツ
  • 甲魚=スッポン。    墨魚=イカ
  • 頭魚=鯉。        皇魚=鯛
  • 扇貝=帆立。      海蜇=クラゲ
  • 菇=椎茸。        銀耳=白キクラゲ
  • 飛燕=ツバメの巣。  海参=ナマコ
  • 排翅・魚翅=フカヒレ(姿煮は扒翅)
  • 泡飯=粥

3 材料の切り方

  • 全=丸ごと、姿のまま
  • 片=薄切り。      絲=せん切り
  • 散・砕・鬆=細かくしたもの

4 その他

  • 盤・盆=皿盛り(オードブル)
  • 単・双・参など=盛り合わせの品数
  • 美・彩・華・錦・精など=豪華、特選

中国料理と一口に言っても、発祥地によって字の並べ方や使い方が違う。

漢字一文字づつの意味を考えながら、パズルのように解いてみよう・・・ピンポ~ンなら料理の味はさらに美味しくかんじられるかも。

イタリア料理の場合

イタリア料理は、地方の特産品を活かして地方料理の集大成と言ったふうで、メニューには、アラ・~(~風)という地方名がよく付けられる。

基本的には《主材料~~調理法~アラ~地方名》の順に並ぶ。注文する時は、①前菜~②第一の料理~③主菜を考え、それに合わせたワインやデザートを選ぶ(ワインについては11/17・18の記事を参照)。

  1. antipasto(アンティパスト)=前菜、オードブル
  2. aperitivo(アペリティーヴォ)=食前酒、アペリティフ
  3. acqua(アクア)=水。 ~minerale(~・ミネラーネ)=ミネラルウォーター
  4. Primo-piatto(プリモ・ピアット=第一の料理)。 ふつうはこれが主菜の前にある。☆中心をなすのはMinestra(ミネストラ)という具沢山の野菜スープ。Minestre(ミニストレ)と複数形になればスープを含んだpasta(パスタ)かrisotto(リゾット)、gnocchi(ニョッキ)、またはpolenta(ポレンタ)などのこと。 ☆ナポリを中心とする南部イタリアでは、パスタの主流はmaccheroni(マカロニ)とspaghetti(スパゲッティ)で、トマトやナス、アンチョビなどでシンプルに調理。オリーブ油を使い香辛料を効かせるのが特徴だ。 ☆中部イタリアでも、ローマ周辺の主流はニョッキ。アドリア海側では海の幸豊富なrigatoni(リガトーニ)が有名。 ☆北部イタリアになると、隣接するフランスの影響で、バターや生クリームを使うことが多い。パスタも生平打ちのfettuccine(フィットチーネ)やravioli(ラビオリ)が主になる。 因みにパスタは練り粉、リゾットは米料理、ポレンタは熱湯で練った玉蜀黍粉。
  5. 主菜には、pesce(ペッシェ=魚料理)とcarne(カルネ=肉料理)があるが、主材料は多すぎて書ききれない。何とか単語集片手に頑張って・・・!。 

調理法も同義語が多く、レストランによって使い方もまちまち。ただ、覚えておきたいのはbistecca(ビステッカ=牛ステーキ肉の焼き加減)だ。

  • bencotta(ベン・コッタ)=ウェルダン、良く焼く。 
  • media(メディア)=ミディアム、中程度焼き。 
  • alsangue(アル・サングェ)=レアダン、軽い焼き。

地方名や味付け、alla~(アラ・~)、つまり~風と言うのはレストランの主張したい部分で、ミラノ風とかシチリア風、ナポリ風と言った具合に地方名のほか、田舎風とか当店風、我が家風というような味の見当を付け難いものもある。

分かり易いのは、クリーム煮とか、~添え、~風味と言った使われ方。

分かり難いのは、政治家風、金満家風、海賊風、水夫風、樵(きこり)風・・・大食漢風なんていうのもある。想像がつきそうな気もするが・・・。

最後に、大事なのは、知ったかぶりで注文してガッカリするよりは、店員によく説明してもらって料理を選ぶこと。

どうぞ、楽しいお食事を。明日はフランス料理のメニューを。

2006年12月12日 (火)

チーズ大好き(2)

Photo_49

チーズが好きだ。 牛乳をそのまま飲むのが、あまり得意ではないので、乳製品はチーズを使う。

日本人に馴染みが深いのは、フレッシュタイプ(乳を酵素で固め、水分を切っただけ)のクリームチーズや、白かびタイプ(白かびをチーズ表面に植え、内部まで熟成させる)のカマンベール、セミハードタイプ(やや硬く弾力があり、保存性もいい)のゴーダなどだろう。

粉チーズで普及しているハードタイプ(かなり硬く、保存が効く)のパルミジャーノ・レッジャーノは、本当は摩り下ろしたり、削ったりして使う方が美味しい。

同じハードタイプの、エメンタールやグリュエールはグラタンやフォンデュに欠かせない。

最近は、サラダ用にフレッシュなモッツァレラやカッテージチーズなども一般的になった。

ティラミスで一躍有名になったマスカルポーネもフレッシュタイプだ。

あまり馴染まれていないのが、青かびタイプ(青かびをチーズの中の隙間に繁殖させて熟成する)のロックホールやゴルゴンゾーラだろうが、特有の刺激的匂いやコクは、慣れるとくせになる味。

山羊乳を原料にしたチーズ(シェールタイプ)は、熟成が進むほど味も香りも強いくせが出るが、栗の葉で包んで熟成を遅らせたシャビは、爽やかな風味が特徴だ。

ほかには、マンステールのように、塩水や酒で洗いながら熟成させるウォッシュタイプがある。外側は強い香りだが中はクリーミーだ。

ブルザンとかロンドレと言った、ニンニクやハーブ・黒胡椒などが入ったクリーミーなチーズはパンに塗って美味しいもの。

日常では、市販品のとろけるチーズを使った、ピザ風トーストなどが手軽だ。

因みに、世界中で個性的なチーズが作られているが、国ごとに少しずつ特徴が違う。

フランス=地形や気候、土壌が変化に富み、家畜の種類も多いので、チーズのバラェティの豊富さでは世界一。代表的なのは、クールドリヨン・カマンベールやミモレットなど。

イタリア=チーズの歴史の古さではヨーロッパNo,1、チーズの種類も多く、世界有数の生産と消費国。何と言っても、パルミジャーノ・レッジャーノやモッツァレラが有名。テラミス用にマスカルポーネも人気だ。

スイスアルプスの恵まれた自然が育む味が高く評価されている。ヱメンタールやグリエールを使った、チーズフォンジュが美味しい。

オランダ屈指の酪農国だけに、チーズの消費も多い。代表はヱダムやゴーダ。鎖国時代の日本(長崎)にチーズを運んだ国だ。

ドイツ周辺国の影響を受けながら、独自のチーズを生み出した。グリーンペッパーやババリアブルーが知られる。

デンマーク=クリームチーズが主流。

イギリスチェダーチーズが一番。

スペイン=羊・牛・山羊などの独特なチーズ文化がある。

ギリシャ=日本の豆腐に似た、山羊乳で作るフェタチーズが有名。

トルコ真っ白で素朴な味のトルム。

モンゴル=カッテージチーズのようなホロートが正月の必需品。

オーストラリア&ニュージーランド=酪農王国で、生産量も多いが、殆どが料理用だ。

アメリカ=世界各国からの移民によって、それぞれの国のチーズが作られ、さらにオリジナルが生まれて、いまや世界一のチーズ生産国になっている。

チーズ大好き

Photo_49

チーズが好きだ。 牛乳をそのまま飲むのが、あまり得意ではないので、乳製品はチーズを使う。

日本人に馴染みが深いのは、フレッシュタイプ(乳を酵素で固め、水分を切っただけ)のクリームチーズや、白かびタイプ(白かびをチーズ表面に植え、内部まで熟成させる)のカマンベール、セミハードタイプ(やや硬く弾力があDsc02771り、保存性もいい)のゴーダなどだろう。

(←クリームチーズのオムレツ

粉チーズで普及しているハードタイプ(かなり硬く、保存が効く)のパルミジャーノ・レッジャーノは、本当は摩り下ろしたり、削ったりして使う方が美味しい。Dsc02767

同じハードタイプの、エメンタールやグリュエールはグラタンやフォンデュに欠かせない。

(→ジャガ芋のグラタン)

最近は、サラダ用にフレッシュなモッツァレラやカッテージチーズなども一般的になった。Dsc02717_1

(←モッツァレラのサラダ)

ティラミスで一躍有名になったマスカルポーネもフレッシュタイプだ。

あまり馴染まれていないのが、青かびタイプ(青かびをチーズの中の隙間に繁殖させて熟成する)のロックホールやゴルゴンゾーラだろうが、特有の刺激的匂いやコクは、慣れるとくせになる味。

山羊乳を原料にしたチーズ(シェールタイプ)は、熟成が進むほど味も香りも強いくせが出るが、栗の葉で包んで熟成を遅らせたシャビは、爽やかな風味が特徴だ。

ほかには、マンステールのように、塩水や酒で洗いながら熟成させるウォッシュタイプがある。外側は強い香りだが中はクリーミーだ。

ブルザンとかロンドレと言った、ニンニクやハーブ・黒胡椒などが入ったクリーミーなチーズはパンに塗って美味しいもの。Dsc02780

日常では、市販品のとろけるチーズを使った、ピザ風トーストなどが手軽だ。

因みに、世界中で個性的なチーズが作られているが、国ごとに少しずつ特徴が違う。

フランス=地形や気候、土壌が変化に富み、家畜の種類も多いので、チーズのバラェティの豊富さでは世界一。代表的なのは、クールドリヨン・カマンベールやミモレットなど。

イタリア=チーズの歴史の古さではヨーロッパNo,1、チーズの種類も多く、世界有数の生産と消費国。何と言っても、パルミジャーノ・レッジャーノやモッツァレラが有名。テラミス用にマスカルポーネも人気だ。

スイスアルプスの恵まれた自然が育む味が高く評価されている。ヱメンタールやグリエールを使った、チーズフォンジュが美味しい。

オランダ屈指の酪農国だけに、チーズの消費も多い。代表はヱダムやゴーダ。鎖国時代の日本(長崎)にチーズを運んだ国だ。

ドイツ周辺国の影響を受けながら、独自のチーズを生み出した。グリーンペッパーやババリアブルーが知られる。

デンマーク=クリームチーズが主流。

イギリスチェダーチーズが一番。

スペイン=羊・牛・山羊などの独特なチーズ文化がある。

ギリシャ=日本の豆腐に似た、山羊乳で作るフェタチーズが有名。

トルコ真っ白で素朴な味のトルム。

モンゴル=カッテージチーズのようなホロートが正月の必需品。

オーストラリア&ニュージーランド=酪農王国で、生産量も多いが、殆どが料理用だ。

アメリカ=世界各国からの移民によって、それぞれの国のチーズが作られ、さらにオリジナルが生まれて、いまや世界一のチーズ生産国になっている。

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黒豚ロース肉のチーズ焼き

  • Dsc02769◎塩・胡椒した肉をフライパンでソテー、細かく切ったグリエールチーズを乗せてオーブンでチーズが溶けるまで(約5分)焼く。
  • ◎フライパンの脂だけ捨て、底に残った肉の旨味をワインビネガー少々で溶かして濾す。
  • ◎生クリームを加えて少し煮つめ、塩・胡椒で調味、マスタードとパセリ微塵切りで風味付け。
  • ◎ソースを敷いて、肉を乗せ、茹でたジャガ芋など添える。

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明日から6日間ほど、海外料理に付いて書いてみます。読んでください。

2006年12月11日 (月)

北国の冬は“ハタハタ”!

Photo_272 近年は幻魚になりつつある魚の一つが“ハタハタ”。

いつもご主人の仕事に同行しながら、各地の美味しい物を届けてくれる親友のJ子さん。

今回は秋田県男鹿から、♪『秋田名物、八森ハタハタ、男鹿でオガブリコ・・・』と唄われる、ハタハタの子持ち(ブリコ入り)を届けてくれた。

体長が25~28センチ、お腹は卵が今にも飛び出しそうにパンパン!!(簡便スケールは15センチ)。

こんなに大きくて、はち切れそうなお腹をしたハタハタは見たことが無い。

ショッル、田楽、煮付け・・・どう食べようかなんて悩むことも無い。大きなハタハタが30数匹だ。知っている限りの料理をしてみよう。

ハタハタ田楽Photo_273

  • サッと水洗いしたハタハタは、塩を軽く振って10分ほど置く。
  • キッチンペーパーで水気を拭き、卵が落ちないようにアルミホイルを下に敷いて、裏側から先に焼く。
  • 表に返したら、酒で解いた味噌を塗り、アルミホイルを被せて焼く。
  • 火が通った頃、アルミホイルを外して、味噌に焦げ目を付ける。
  • 焼けると腹が破れ、卵が溢れてくるので要注意(心配ならオーブンで焼こう)。

ハタハタの簡単しょっつる鍋Dsc03626

  • しょっつるは最近では瓶入りで市販されているが、手に入らなければナンプラーで代用出来る。
  • 豆腐や白菜、葱、大根(薄切り)など冷蔵庫に有る物を用意。
  • 出汁に酒と味醂・醤油とナンプラーで調味。
  • ハタハタは煮え易いので、腹の卵に火が通ったらOK。

骨が多くて食べ難いと思われているが、殆どの骨は柔らかくて、とくに気にならずそのままでも食べられる。

秋田県の魚、そんなイメージのある魚“ハタハタ”。

『しょっつる鍋』や『ハタハタ飯鮨』などが有名なせいだろうが、日本海沿岸で漁獲される。

ありがたい魚だからと、魚偏に神=『鰰』と書くこともあるが、一般的には魚偏に雷で『鱩』と書くことが多い。

ハタハタは別名を“カミナリウオ”という。ふつうはカミナリは夏が相場なのだが、北国では海が時化る11月下旬から12月にも、寒冷前線の影響でカミナリが鳴る。

また、この時期は、沿岸に温水帯が発生してハタハタの接岸を妨げることがあるのだが、時化ると、この温水帯が破られ冷水帯になって、ハタハタが沿岸で豊漁になる。

カミナリ=時化=豊漁・・・と言いたいところだが、近年はいくら時化てもハタハタの漁獲高は減る一方。解禁期間はほんの僅かとなっている。

はち切れんばかりに腹に卵を抱えたメスのハタハタ。焼いても、煮ても美味しく、塩焼き、田楽、煮付け、鍋物・・・魚の身も旨いが、卵の周りのヌメリとした食感の美味しさ・卵のブリッとした噛み応えなど、幻にならないように祈るばかり。

Photo_274 唐揚げも美味しい。

ハタハタが海中に産み落とした卵は球状になり、それを煮付けて噛むと、それこそカミナリの雷鳴のように「ブリッ、ブリッ」と口中に響き、トロリと甘い汁が喉に流れる。

舌の上に残った卵膜だけを「ペッ」と出す・・・また味わえる日は来るのだろうか。

ハタハタをご飯と人参・生姜などで漬け、発酵させた飯鮨も、酒肴にはなかなかの佳品である。

2006年12月10日 (日)

簡単な塩辛作り

自分で作った塩辛・・・自分好みの味だもの、美味しくて当然。

塩辛は“親父くさい”なんて敬遠してる?、それとも自分で作るには無理!なんて決めてな~い。

塩辛って簡単に出来て、自分で作ると何倍も美味しい。烏賊素麺(刺身)を食べて、残った部分(耳やゲソ)を塩辛にしよう。

耳とゲソの塩辛Photo_275

スルメイカの鮮度のいいものを買ったら、足、上身、耳、ウロ(肝臓)に手早く分別。

  1. 上身は烏賊素麺や烏賊刺しにして食べる。
  2. ウロは破らぬように外して、塩をしてタッパーに入れ、一昼夜置く。
  3. 耳と足はキッチンペーパーに包み、水気を切って、そのまま冷蔵庫で一昼夜乾す。
  4. 3を細かく切って、2を破って笊などで濾したものと混ぜ、塩と薬味(柚子や七味など)で調味。
  5. 2~3日して味が馴染んだらOK(簡単)。

塩気も薬味も好きなように調整できるのが手作りのよさ。

身は刺身で楽しんで、耳や足で塩辛・・・2~3日後の塩辛の出来で、日本酒、焼酎・・・楽しみ。

細かく刻んだチーズと合わせて、ワインにも合うって想定外?。美味しいんだよ。

2006年12月 9日 (土)

食べられない柑橘“仏手柑”

子供が手をつぼめたような形の実が、仏様の手を彷彿とさせるからと、付いたその名は“仏手柑”。

柑橘類は、ほとんど種名が Citrus' (シトラス)。

よって、柑橘類は総称的に“シトロン”と呼ばれるが、“シトロン”の原型は薬用柑橘群を指し、現在、これに当たるのは、本当のところ唯一“仏手柑”だけなのだ。

インド原産の“仏手柑”は、11月になると色付き始め、正月頃に見頃になる。

活け花や床飾りに使ったり、乾燥させて金粉などを塗って装飾品にしたりするが、まるっきり食用にはならない。

ただし、そのバラやスミレを連想させる、微妙な香気は、嗅ぐ者を陶然とさせる。

柑橘類では、ライムの香りが最も爽やかでいいとされるが、“仏手柑”の香気はまた別物で格別だ。

2月頃までは花屋などに置かれているので、2~3個買って、その形の面白さと馥郁とした香りを、部屋や寝室で存分に楽しみたい。

さて、紅茶にレモン・・・の愛好者も多いだろう。

フランスでは、紅茶を注文して「レモンを」と言っても通じない(日本語だから通じないのではない)。

「シトロン!」と言えば、レモンを持ってくる。

とくにパリでは、レモンはキッパリ「シトロン!」と言わねば通じない。あれだけ料理にうるさい国で、レモンとは元来別の品種のシトロンをレモンと同義に使うとは・・・。

フランス人こそ、シトロンとは食用にならない“仏手柑”のことだと理解すべきだと思うが。

レモンはラテン語で“リモン”、本来の言葉にしてほしい。

さて、クリスマスから正月と、しばらく“仏手柑(シトロン)”の形と香りを楽しんだら、輪切りにして入浴剤代わりにしよう。

茶の湯では、薄切りして水に入れ、それを沸かして茶を立てることもあるそうだ。なんと風流なこと。

2006年12月 8日 (金)

強い香りが身上“春菊”

Photo_276 関西では“菊菜”ともいう春菊。

いまは一年中出回っているが、本来の旬は11月から2月。この頃が、一番葉が柔らかくて美味しい。

春菊のキッシュ風Dsc03388

  1. 春菊(約400g=1&3/5束ほど)は2センチほどにザク切り。
  2. ベーコン(5枚)は1センチ幅に切り。
  3. グリュエールチーズは5ミリ角切り。
  4. フライパンにバター(大2)を熱し溶かし、2~1の順に炒める合わせる。
  5. 生クリーム(1カップ)と3、ナツメグ少々、おろしニンニク(1片分)をボウルに入れて混ぜる。
  6. 5に4を加え、均一に混ぜたら、バターを薄く塗ったグラタン皿に流し入れて、180℃に熱しておいたオーブン(中段)で約30分ほど焼く。
  7. 表面がこんがり色付いたら、粗熱を取って切り分ける。

特有の強い香りがあるが、その香りがこの野菜の身上だ。

キク科で、地中海沿岸が原産。日本には室町時代に中国から入ってきた。

葉の形・大きさで、大葉・中葉・小葉の三種類あるが、関西では中葉が主流で、関東では大葉が主Dsc03387流のようだ。

ビタミンAが豊富で、ビタミンB2やカルシウム、鉄分、カリウムなども多く含まれている。血圧を下げ、精神安定効果があるといわれる。

←春菊&エノキ茸&菊花の煮浸し

春菊とエノキ茸というと、鍋物に使うのが一般的だが、お浸しや胡麻和え、汁の実、天婦羅も趣がある。

春菊の柔らかな葉はアクが少なく、最近ではサラダにも好んで使われる。Dsc03661

→春菊生葉のサラダ・胡麻芥子醤油マヨ

葉を茎から摘み取って使うが、茎の方は斜め切りにして炒めものにすると、歯触りのいい一品になる。

茎は細かく刻んで、雑炊に散らし入れるのも美味しいので活用したい。

2006年12月 7日 (木)

大食漢の“真鱈”の卵と白子

魚偏に雪、と書いて“鱈”。北国はすでに雪景色で、真鱈の季節。

スケトウタラ(助宗鱈とも)ではなく“真鱈”、その身が雪のように白いことと、雪に季節が旬だから付いた名だ。

真っ白な身が淡白で美味しいのは言うまでも無いが、真鱈はその卵巣や精巣(白子)が珍重される。どちらもかなりの美味だ。

真鱈卵の子和えPhoto_277 079_1

  1. 真鱈卵巣の生か薄塩漬けが手に入らなければ、普通のタラコでも構わない。
  2. 人参は細切り、戻した高野豆腐は小さな角切り、糸蒟蒻は3センチほどの長さに切っておく(入れる具は好み・有り合わせでも構わないが、小さめに切ること)。
  3. 出し汁で2を少し煮て、酒、味醂で好みの味に調味。薄塩漬けの卵巣(タラコも)の場合は塩気があるので、醤油はまだ入れない。
  4. 卵巣を解すように入れて、全体を混ぜ、醤油で味を整える。

Photo_278 真鱈の別名は大口魚。ガバッと開けた口は体径ほどもある。その大きな口で、腹の皮がはち切れるほど大食する。

だから、大食いすることを「鱈腹食う」と言うのだ。

鮮度の良い身は、その淡白さを活かして、刺身や昆布締めにすると美味しい。

しかし、漁場から遠い土地や、都市部では、そこまで新鮮な身は入手し難く、切り身を買うことが多いので、ちり鍋、ムニエル、フライ、味噌付け焼きや塩焼きにするのが一般的。

Dsc03545_1 “真鱈”の白子は、《菊子》とか《雲子》と呼ばれて、魚の白子としては河豚に次いで珍重される。

サッと湯がいて(蒸しても)ポン酢や紅葉おろしで食べるのは、酒肴に絶品だ。

卵巣は、厚くて黒い皮膜に包まれていて、一見グロテスクだが、塩漬けしたものを輪切りにしてお茶付けや酒肴にすると、これは病みつきになる旨さだ。

皮膜やそれに付いている卵は、先ほど紹介の『子和え』に。北海道や津軽地方では正月料理に欠かせない。

身を使った“鱈ちり鍋”は北国の定番だが、アラや内臓、とくに肝臓が手に入るなら、大根の葉や豆腐と味噌仕立ての鍋にしよう。

津軽の名物料理『ジャッパ汁』だ。ジャッパとは雑端のことだが、想像以上の旨さだ。ただし“肝が決め手”で、これが入っていないと旨味は出ない。

2006年12月 6日 (水)

《武士の一分》にみる食事

Photo_182 映画《武士の一分》を観て来た。

時代劇・演歌・・・どちらかと言えば好きな分野ではないが、山本周五郎、藤沢周平の描く、庶民(というより下級社会)の人間模様が好きだ。何ともいえない命の情緒がある。

とくに、藤沢作品には、下級武士たちの、精錬潔白・忠誠清貧・真実薄倖・・・日本人は、我が祖先はこれほどに美しく倹しく生き、命に誠を賭けたのかと、己の日々の怠慢を反省させられる。。

アメリカのアカデミー(オスカー)外国映画賞にもノミネートされた『たそがれ清兵衛』、ベルリン国際映画祭に出品された『隠し剣 鬼の爪』に次いでの、山田洋次が監督する藤沢周平の三作目。

原作は読んでいたから、話の筋・山場・結末などの想定は出来るが、内心ではキャストに少々の不安はあった。

主人公の三村新之丞を演じる木村拓哉は、シティドラマでは卓越した演技で注目されたアイドルではあるが、文学小説を方言でこなせるか・・・そんな私の取り越し苦労は、涙と感涙と、久々に清しい気分に消えた。

『武士の一文』の粗筋は、ここでいちいち書くまでも無く、大方の人はご存知だろう。

主君の食事の“お毒見役”が任務の主人公にとって、食事は何の楽しみも無い“仕事”だった。

が、愛妻・加世が作るささやかな(本当に、現代では考えられないほど質素・粗餐)食事に、安堵して口に出来るホッと思いと、味わえる幸せを感じる。

それは、主君の贅沢な食材には及びも着かない質素な惣菜。

「茄子の浅漬け如何でした?」「明日は、あなたのお好きな芋茎の煮物を作りましょう」・・・こんな会話が為される日常。

一汁・一菜、食後の白湯・・・それが、幸せな食事だとシミジミ感じた矢先・・・突然に不幸は訪れた。

贅沢と言われた“赤螺の刺身”が時季外れで、猛毒の貝毒を有していたために、毒見した結果で失明した新之丞は、やがて魔道のごと『武士の一分』を通さざるを得ない方向に突き進む。

私は、映画の始めから、妻・加世の素足に注目した。細く・白く・・・なんと清潔感のある色っぽい素足かと。この素足が彼女の不幸を感じさせた。

監督は素足に彼女の行く末を暗示させたのだろうか。Dsc03710_1

不義をした加世を、苦痛の思いで離縁し、長く仕える中間の徳平に「不味い飯を喰わねばならん」と(心ならずも)八つ当たりする。

心に忠義であるための果し合い、“必死”の文字通り、死を覚悟した一太刀。

(←パンフレットより)

『武士の一分』を貫いて、我が怨敵・妻の恨敵を倒したが、心は晴れない・・・そこで口にした“芋茎の煮物”。

誰が煮たのか、言わずとも分かる。「おまえの味は、分かる」・・・この一言が夫婦の絆。

ここで煮付けられた“芋茎”は、赤芽芋の茎を乾したもの(ズイキ・イモガラ)だろう。暑い季節のようだったから、乾燥した保存食と思えわれる。Photo_6

ズイキなどは、戦国時代には、下ッ端の雑兵が腰紐代わりに使った携帯用非常食だった。それが好物だと言うから、生活のレベルが分かる。

茄子の浅漬けが一品・・・妻はにこやかに「明日は、あなたの好きな芋茎を・・・」と言う。何と倹しい会話。しかし、この一言の陰には大きな夫婦の幸せと愛情がある。

戻ってきた妻の、芋茎の煮物を口にした時の新之丞の、嬉しそうな幸せな戸惑い。Dsc03711_1

夫は、此処が一番「泣けましたね」と言った。私はその夫の言葉に泣けた。

(←パンフレットより)

時代劇は嫌い・・・でも、これは時代劇ではなく、日本人の心の美意識・人間の信頼と情愛・誠心の映像だった。

シティドラマのアイドルから、本格的な役者と成長した木村拓哉にも驚き、宝塚の娘役から演技者に転身した妻役の壇れいにも・・・ベテランの脇役たちに支えられたとはいえ、二人はこれからが楽しみな存在感を出していた。

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2006年12月 5日 (火)

女性上位の“蝤蛑(がざみ)”

Dsc03509 抱いている卵の量で値打ちが決まると言われる“蝤蛑(がざみ)”。

俗に“ワタリガニ”と呼ばれ、冬場が最も美味しい時季だ。

ズワイガニほど高級品扱いはされないが、ポクポクと締まった歯触りのガザミの美味しさも格別なのだ。

東京あたりでも獲れる『蟹』と言えば、まず挙げられるのがこのガザミ(ワタリガニ)。

薄鼠色で、甲羅は菱形。10脚目短尾亜目ワタリガニ科で、砂泥底に棲み、群れをなして移動する。

ズワイガニなどは脚を主に食べるが、ガザミは甲羅に詰まっている部分(胸部)を主に食べる。

とくにその部分に抱える卵が絶品で、従ってこの卵の量で値打ちが決まると言われるのだ。

冬場は、この卵やミソ(肝臓)がギッシリと詰まったメスが多く獲れる。

ズワイガニでは、コウバコとよばれるメスより、オスの方が高価なのだが、ガザミに関しては断然に女性優位。メスが珍重されるのだ。

見分け方としては、俗に「蟹のふんどし」と言われる、裏側の三角部分が幅広であればメス。

しかも、そのフンドシが真っ白で、脚の付け根が桜色なら最上品。

Photo_279 二杯酢、鍋物、唐揚げなどで食べるが、近年は韓国の名物料理『ワタリガニのケジャン』が人気で、通販などで売れているそうだ。ガザミをキムチのようにコチュジャンで漬け、ヤンニョムを付けて食べる。

また、パスタやブイヤベースなどに使っても抜群に美味しい。

和・洋・中華など、どう料理してもコクのあるミソが濃い旨味になるようだ。

2006年12月 4日 (月)

昔・寒鰤一本=米一俵

北陸から西日本・日本海の冬魚の代表は鰤(ぶり)。

鰤大根Photo_280

  • 鰤のアラは、熱湯に通して、氷水に取り、血や鱗、余分な脂などを取る。
  • 大根は糠(無ければ生米)を入れて下茹でして、糠を洗い落としておく。
  • 生姜は1片は千切りにする。
  • 酒・味醂・醤油で調味した湯に生姜と大根、鰤を入れて煮込む(味付けは好みでいいが、簡単には麺つゆなどを利用してもOK)。
  • あれば柚子皮細切りなど散らす。

寒鰤は、正月に欠かせない魚と言われて、この時季はとくに高値が付く。 

古い俗言に『寒鰤一本、米一俵』と言うのがある。

Photo_281 昔の人の収入から考えると、とんでもなく高い魚・超高級魚で、正月に鰤を買うのは最高の贅沢だったろう。

最も、今年の相場でも大きな鰤は¥80,000は下らないそうだから、高級魚の地位は譲っていない。

一般家庭では、切り身を買うことが多いが、天然物の新鮮なものは身の色がピンクに近い。

とはいえ、北陸や関西、九州・博多あたりでは、どんなに高くても正月に鰤を一本買いするのが甲斐性だったのだ。いまでも、正月は鰤が無くては済ませられないという家庭が結構多い。

鯵科の出世魚。稚魚から成魚まで、移り変わる成長差が大きく、それぞれの段階で漁獲され、その度に名が変わるから・・・ゆえに、出世魚の代表とされている。

この出世魚たることも、鰤が縁起良さのしるしとして、正月用魚のトップに挙げられるひとつだろう。

因みに、変化していく名は、ワカシ~イナダ~ワラサ~ブリとなり、鰤嗜好に応えて始まったハマチ(イナダ~ワラサ)養殖も、ますます盛んになった。天然物ではハマチと言わない。

養殖ハマチも、一時期の問題解決で、味も良くはなったが、天然物の寒鰤の味は絶品。とくに日本海・能登沖で獲れる寒鰤は最高。漁期もちょうど、師走から正月にかけて脂の乗りが一番いい時期に当たる。

鰤は照り焼きが一番だが、洋風ソテーや唐揚げもいい。

アラは潮汁にもするが、大根と煮付けた“鰤大根”は美味しいとファンが多い。

師走に味が良くなる魚だから、魚+師=鰤。また究極は師にまで出世するから魚+師=鰤・・・と両説ある。

2006年12月 3日 (日)

味噌付けが美味“鯧”

『西海に鮭なく、東海に鯧(まなかつお)なし』と言われる。

鯧の佑庵焼き

醤油、酒、味醂に漬けた切り身を焼き、香りの薬味を添える。

佑庵焼き(幽庵焼き)でも、味噌焼きでも、焦げやすいので、まずアルミホイルを被せて焼き、仕上げにホイルを外して焦げ目を付ける。

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西日本では馴染み深い魚だが、関東以北には馴染みのない魚だ。Photo_285

とくに関西では、晩秋の魚の中では最も旨くて高貴な魚とされ、懐石料理などに好んで使われる。

かつては、お歳暮には、東日本では荒巻鮭、北陸では鰤、そして関西では鯧の味噌付けが贈られた。

名前にカツオと付き、真奈鰹と書いている場合もあるが、形は鰹とは似ても似付かず、どちらかと言えば、疣鯛(いぼだい)か平鯵に似ている。

硬骨魚目マナカツオ科に属し、海中では銀色の細かい鱗を光らせて優美に泳いでいるが、釣り上げると、各ヒレの端から引いた軟体質の線条が切れて、そこから生臭い臭気を発する。

時間が経つほどに、この臭気は強くなるので、味噌付けや佑庵(幽庵=ゆうあん)焼きが適すようだ。

とくに味噌も西京味噌につけたものは絶品で、かの北大路魯山人が絶賛・激賞したほどのもの。 鮮度が良ければ、刺身でも食べられるが、一般的には照り焼きにする。

Photo_286 一般市場で見ることがあるとすれば、こんな形で売られていると思う。

ぜひ、買い求めて味噌付け(西京味噌でなくても、酒と味醂で味を調整すれば、かなり美味しくなる)にしてほしい。

醤油タレ漬けもいい味なので、馴染みの無い方は、今季こそ是非お試しを。

2006年12月 2日 (土)

和え物にコク“胡桃”

胡桃(くるみ)の漢字から想像する通り、中国経由で渡来したと言われる。Dsc03198

胡瓜、胡麻、胡椒・・・同様の名の由来だ。

中国から朝鮮まできた“胡桃”は、豊臣秀吉の朝鮮遠征の手土産として持ち帰られたとも言われている。

“呉(くれ)の実”が訛ったという説。“来る実”なのだという説などあるが、いずれにしろ輸入されたことには間違いないようだ。

ただ、鬼クルミや姫クルミは、日本に自生していたらしく、渡来したのは“ペルシャクルミ”を基本種にする菓子クルミ。

それに、中国や朝鮮の“手打クルミ”も渡来し、両者の自然交配で“信濃クルミ”が出来た。Photo_287

チャイコフスキーの『クルミ割り人形』然り、花嫁・花婿に子供たちが祝福の“クルミ投げ”をするイタリアの習慣然り・・・欧米には、子供たちと胡桃の微笑ましい取り合わせが見られる。

日本では、縄文後期の長岡遺跡から出土した胡桃が、3000年の眠りから目覚めて発芽したという話もある。

人間と胡桃は、洋の東西を問わず、太古から親密だったのである。

胡桃は、多量の良質脂肪と、蛋白質を含み、生活習慣病の予防にもいいと言われる。

殻付きの2個を、掌で包み揉むように、コロコロしていると「脳梗塞や脳卒中の予防」だと、縁起物にされている。

殻を割って、そのまま食べてもいいが、摺って、和え物に使うと、風味とコクが増して、料理がランクUP。とくに山菜の和え物に合う。

クルミ豆腐、クルミ餅、クルミ味噌など、料理にも菓子にも活用・・・細かく砕いたものを、アイスクリームやサラダにトッピングすれば、手軽に格上料理が出来る。

クルミをたっぷり入れて焼いたパンも美味しい。

ナス&キノコ&鶏肉のグラタンも、ソースに少し細かく刻んだ胡桃を混ぜると香ばしい。

胡桃は長く保存しすぎると劣化・酸化するので早めに使い切りたい。

2006年12月 1日 (金)

東京生まれの“小松菜”

寒くなってくると、小松菜の美味しさが増す。

小松菜の茶碗蒸し600

  1. 小松菜(5~6株分)は熱湯で茹で、水に取って急冷し、水気を絞って細かく刻む。
  2. 卵(3個)を良く解して、冷ました出し汁(3カップ)と、塩・酒・味醂(各小1&1/2)、薄口醤油少々を混ぜる。
  3. 2を濾して、1を加え、泡立たないように静かに混ぜる。
  4. 蒸し茶碗に3を分け入れる。
  5. 蒸し器(無い時は,深い鍋に皿を置き、網など乗せる)に、4を均等に並べ、蓋をして強火にかけ、蒸気が出てきたら弱火にして焼く13分ほど蒸す。

いまでは通年栽培され、店頭に並ぶので、旬が分からなくなりつつあるが、本来は冬菜の代表と言える野菜だ。 Dsc03444_1

昔から、東京の正月雑煮には欠かせない青野菜だった。

アブラナ科で、蕪から改良されたものと言われる。その名で見当が付くように、江戸時代に東京・小松川あたりで栽培されたのが、その名の由来になっている。主産地は、東京、埼玉、千葉、群馬などだが、全国各地で食べられている。

冬の小松菜は、とくにカロチンを多く含む。ほかにもビタミン類や鉄分、カルシウム分に富み、ビタミン・ミネラルの供給源として活用したい、栄養的に優れた野菜。

風邪の予防にも効果がある。

緑色が濃く、葉が厚めで葉先がピンと張った瑞々しいものがいい。

お浸し、芥子和え、汁の実などに使うが、油揚げと煮浸しにすると懐かしい味の惣菜に。

小松菜とコンビーフ炒め214_1

  • オリーブ油でスライスしたニンニクを炒め、香りが出たら解したコンビーフを入れる。
  • コンビーフが熱くなり、柔らかくほぐれたら、小松菜を加える。
  • 味を確認して、塩・胡椒で調味。

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