“ソース”の種類は無限・(Ⅳ)
フランス料理の基本は、何と言っても“ソース”。
ところで、“ソース”といって思いつくのは何種類?。
ウスター、ケチャップ、タバスコ、マヨネーズ・・・?。それでは、テーブルソースだけ。
ベシャメル、ドミグラス・・・?、ン~ン、まだまだ。
ごく一般的・基本的なソースだけでも、数十種は下らない。独創的なものや、特殊なものを含めたら、無限にあると言っていい。
料理が独創的になれば、当然、ソースはその都度違う。料理の数・素材の数だけのソースがあると言っても過言ではない。
そのような、オリジナルソースは別にして、一般的に使われるものを紹介しよう。きっと、どこかの店で味わったことがある・と思い出すことだろう。
まず、ソース(Sauce)と言うのは、液体調味料の総称で、料理のかけ汁、タレにするほか、材料を和えたり、つなぎにも使う。
❤各種ソースの基となるもの
A :だし汁(Fonds de cuisine)
- フォン・ブラン(Fonds brun)=鳶色をしただし汁。エストゥファードとも呼ばれ、砕いた牛骨と屑肉をオーブンで軽く焼き、人参・玉葱・パセリ茎根・トマトなどに香辛料を加えて、6時間以上煮出して布で濾したもの。
- フォン・ブラン(Fonds blanc)=日本語で書くと同じようだが、ブランが違う。白色のだし汁。犢(こうし)の骨や脛肉、家禽のガラなどをアク抜きしてから、玉葱・ポロ葱・セロリ・パセリ茎根などに香辛料を加えて、3時間ほど静かに煮て濾したもの。
- フォン・ド・ボゥ・ブラン(Fonds de veau brun)=犢の鳶色だし汁。分厚い鍋に、玉葱・人参・ベーコンの皮を敷き、犢のブツ切り肉と砕いた骨を入れ、白色のだし汁を注いで煮詰める。煮詰まったらだし汁を足し、それを繰り返してブーケ・ド・ガル二(香草の束)を入れ、アクを取って煮立たせ、布で濾したもの。
- フュメ・ド・ポワッソン(Fumet de poisson)=魚のだし汁。白身魚の屑肉と骨を、バターで軽く炒め、白ワインと水を注いで、パセリ茎根・海老の屑殻・白胡椒・レモン汁・塩を入れ、20~30分煮込んで濾したもの。
- その他=これらのだし汁のバリエーション。
B:ルウ(Roux)=バターを溶かして、等量の小麦粉を炒ったもの。brunは鳶色、blondはクリーム色、blanceは白色。
C:合わせバター(Beurres composés)=バターに他の材料を潰して加え、濾したもので、Beurres~と、あとに材料名が付く。
❤A~Cを応用した基本ソース
- ベシャメル(Béchamel)=白色ルウを牛乳で溶き調味。玉葱薄切りや犢肉、香辛料を加えて弱火で煮て濾して使う。
- ドゥミグラス(demi-glace)=鳶色ルウを鳶色だし汁で溶き、ミールポウやシャンピニオンを炒めたものに加え、トマトピュレを入れて煮詰めて濾し、マディラ酒を加える。
- ヴェルーテ(veloute)=クリーム色ルウを白色だし汁で溶き、ミールポウや犢肉をバターで炒めたものに加え、シャンピニオンや香辛料を入れて煮込み濾したもの。
- トマト(tomates)=白色ルウを、フォン・ド・ボウと白ワインで溶き、ミールポウをバターで炒めたものに加え、トマトピュレを入れて煮込み濾したもの。
❤一般的に使われる応用ソース
- アイヨリ(ailloli)=ニンニクをたっぷり使ったオリーブ油製のマヨネーズ。南仏料理に使われる。
- ブール・ブラン(beurres blanc)=エシャロットを炒めて、白ワインを加えて煮詰め、バターと合わせたもの。ロワール地方の料理に使う。
- ビガラード(bigarade)=苦オレンジの汁を入れて作る甘辛い茶系ソース。ジビエ(野生肉)料理に使われる。
- シャンティイ(Chantilly)=泡立てクリームを入れた白色系ソース。
- クラランス(Clarence)=カレー風味のクリームソース。
- エマルジョン(émulsion)=油とバター、酢で作る乳濁色ソース。卵黄を入れる場合もある。
- グリビッシュ(gribiche)=固茹で卵の黄身を使って、香草で風味付けをしたマヨネーズ。
- オランデーズ(hollandaise)=卵黄とバター、レモン汁を湯煎しながら混ぜた温製ソース。
- ジョワンヴィル(joinville)=小海老とトリュフを使った魚介料理用のソース。
- モルネー(Mornay)=牛乳、バター、小麦粉で作ったソース。
- ポワヴィラード(Poivrade)=胡椒を効かせた酸味のある茶系ソース。ジビエ料理に使う。
- ラヴィゴット(ravigote)=香辛料を効かせたヴィネグレット・ソース。
- リッシュ(riche)=オマール海老とブランデーを入れた魚介料理用ソース。とくに“舌鮃”料理に使う。
- サルミ(salmis)=野鳥のガラやレバーをワインで煮詰め濾したもの。
- スュプレーム(suprême)=鶏のブイヨンに、生クリームとバターを入れて作る白色ソース。
- タルタール(tartare)=玉葱、ケイパー、マスタード、香草などを入れたマヨネーズ。
- トルテュ(tortue)=香草、マディラ酒、トマトで作るソース。トルテュとは亀のこと。
- ヴネゾン(venaison)=胡椒を効かせた茶色ソースで、鹿肉や猪肉料理に使う。
- ヴェール(ト)(vert(e))=パセリや香草を入れた緑色ソース。
レストランでの食事の際に、メニューのソース名から味を想像する楽しみを・・・。



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