自分で作る簡単「きりたんぽ鍋」
例年に比べると、なんと暖かい冬なのだろう。
とはいえ、休日の夜は“鍋”がいい。なにしろ準備が楽なので時間に余裕が出来る。
日曜日だから、家族で出かけるのもいいのだが、みんなで協力して「きりたんぽ鍋」に入れる《たんぽ》を作るのも面白い。
もとは、県北部・白神山あたりのマタギ(猟師)料理だった。
だから白神山の青森県側にも似たような料理がある。
潰したご飯を硬く纏めて団子状にし、鍋に入れて煮る(ダゴ鍋)ものだ。
さて、話は「きりたんぽ鍋」の由来に戻る。
昔、藩主が視察に訪れた際に「ダゴ鍋」を出すことになった。
潰したご飯を団子状に纏める時に、これも秋田名産の杉の棒に巻きつけて、囲炉裏の火で焼き目を付けてから煮たところ、藩主はこの鍋が気に入り、鍋の名を聞いた。
はて・・・とっさに思いついたのは、杉の棒の先に潰したご飯を巻き付けた形が、長槍の稽古に使う“たんぽ槍”に似ていること。
その“たんぽ”を切って煮た鍋だから「切りたんぽ鍋」が良かろう、で藩主に報告。
つまり、切ったものが「きりたんぽ」で、切る前は“たんぽ”なのだ。
その“たんぽ”を作るのは案外簡単で、ご飯を固めに炊きさえすれば準備はOK。
- まず、割り箸を2膳合わせて両端をタコ糸か輪ゴムで止める(串に出来る太さと長さの棒があれば利用)。
- ご飯を擂鉢かボールに移し、熱いうちに擂粉木などで8分ほど潰す。
- 手を塩水で濡らして、1の串に、茶碗1杯分くらいの2を巻きつけていく。均等な太さで長さが15~16センチくらいに握りながら形を整えていく。
- テフロン加工のフライパンやホットプレートで転がしながら焼き色を付ける。
- 冷たくならないうちに串を抜く。
ところで、先の写真で皆様が「オヤッ?」と思われたのは、我が家の「きりたんぽ鍋」には豆腐が入っているからだろう。
これは夫婦が二人とも豆腐好きなのと、晩酌もするので、最初から「きりたんぽ」は入れずに肉や野菜、豆腐などで飲んでからなのだ。
今日は、写真のために先に入れたが、直ぐに取り出し、芹を加えて飲み始まる。
鍋の中の具が無くなる頃、晩酌も終わり、ご飯代わりに「きりたんぽ」を煮込む。
一般的には、鶏もも肉、ささがき牛蒡、舞茸、長葱、白滝を煮込み、「きりたんぽ」を加えて2~3分煮る。芹を入れて仕上がり。
欠かせないのは、牛蒡と舞茸、芹だ。
鶏肉は、昔は『比内地鶏』を使ったのだが、それが昭和17年に天然記念物に指定されて食べられなくなった。
いまではロードアイランドレッドを掛け合わせた新しい『比内鶏』を使う。
ただ、これもどこでも買えるものではないので、普通の鶏もも肉で構わない。
因みに、私は、岩手赤鶏 or 青森シャモロック(ジャスコで扱っていた)、時には鴨を使う。
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