不細工魚“鮟鱇”が美味しい
お世辞にも「美形」と言い難い“鮟鱇”。
しかし河豚にも負けない冬の美味しい深海魚だ。『ヌルヌル、グニャグニャは総じて美味なり』とは良く言ったもの。
扱いにくい魚としても代表のような“鮟鱇”は、独特の《吊るし切り》にするのが一般的だ。
硬いアゴの骨に縄を通し、横に渡した柱に下げ、安定を良くするために口からたっぷり胃袋に水を注ぎ入れる。
そうして重心を低くしてから、出刃包丁で各部を削ぐように切り落としていく。
マ、素人には簡単に真似できない技だ。
最近は大手のスーパーなら、鍋用に切り分けられたパック入りが売られている。
一時前に比べて、ずいぶんと家庭の鍋に使い易くなったと思う。
全身がゼラチン質とも言える“鮟鱇”は、捨てるところが無い。
と、これらは「七つ道具」と呼ばれて珍重される。中でも肝は“アンキモ”として人気が高 い。
鍋がポピュラーだが、身と肝のトモ和えも酒を進める。
2月一杯が賞味の限度だ。
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