虎落笛が鳴る夜は“けんちん汁”
今年の冬は異常なくらいの暖冬で、《札幌雪祭り》も散々だったようだし、《氷像祭り》《カマクラ祭り》《雪だるま祭り》など、各地で雪が無いため中止になる祭りの被害もあるようだ。
津軽・五所川原地方の《地吹雪体験ツアー》は、息も出来ない目も開けられない猛吹雪がウリなのに、雪も風も無いのではどうしようもない。
北国がそんなだもの、東京ばかりか、空っ風で知られる北関東でも、戸外に♪ヒュウゥーと寒々しい風音が響いたことが殆どなかった。
こんな暖冬では「暖かな、いいお日和で・・・」なんて、呑気な挨拶をしている場合ではない。
各地の観光・それに伴う商業・交通・・・野菜や魚の旬も狂っている。
動物の発情期にも影響が懸念され、すべてのサイクルが危うくなりそうなのだ。
冬には、冬らしい寒さ・風・雪や氷・・・自然なのだ。必要なのだ。
このまま春になったら、暑い春に反して寒い夏・・・豪雨・洪水・飢饉。
ただ、まだ期待はしている。急に冷え込んで風が強くなる夜もあるだろう。
“虎落(もがり)笛”・・・楽器としての笛の種類ではない。
冬、風のはげしい時に、竹垣や柵などにあたって通り過ぎる風が♪ヒュウゥ~!と鳴るのが、いかにも笛の音に聞こえることからそう言われる。
そんな冬の風が吹く夜が一晩くらいはあって欲しい。
虎落(もがり)とは、中国奥地で「虎を追い払い、寄せ付けないための竹を連ねた柵」のこと。
それが、何時の間にか、戦さの時などに竹を筋交いに組み合わせ、縄で結んで堅固に作った柵・矢来もこう呼ぶようになった。
さらには、枝が付いたままの竹を並べ物干し用に作ったもの、高所に設けた紺屋(こうや=藍染屋)の干し場・・・そんなものも虎落(もがり)と呼んだ。
現在では、竹垣や柵に拘らず、冬の強い風が電線にぶつかって♪ヒュウゥ~と鳴る場合も“虎落笛”。
障子の破れ目を隙間風が通って♪ヒュウゥ~と鳴る場合も“虎落笛”。
♪ヒュウゥ~と、いかにも寒そうな風の音は全部“虎落笛”と呼ばれている。
もの悲し なにを語るか もがり笛 (今 一空)
- 大根(5センチ)、人参(小1本)は、皮を剥いて7~8ミリ厚さのイチョウ切り。
- 蒟蒻(1/2枚)はスプーンで一口大に千切る。油揚げ(1枚)は細切り。
- 豆腐(1丁)は適宜一口大に切る。
- 葱(1本)は2センチ長さ、シメジは石付きを取って小房に分ける。
- 大きめの鍋に油を熱し、1と2を強火で炒める。
- 油が馴染んだら、出汁(5カップ)と塩(小1)を入れ、沸騰したら3を入れて蓋をして、中火で具が軟らかくなるまで煮る。
- 4を加えてひと煮、醤油で調味する。
- 好みの味に出来たら、水溶き片栗粉(水・片栗粉、各大1)を回し入れてトロミを付ける。
- 食べる時には盛った椀に、万能葱の微塵切りや摩り下ろした生姜、柚子、七味などを好みで乗せると味がUP。
立春は過ぎたが、二月は本来風の季節・・・東風(こち)、台湾坊主、春一番・・・。
「春は名のみの風の寒さよ」・・・そんな早春がいい。
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