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2007年2月17日 (土)

短時季の「銀宝」は天婦羅!

Photo_193 「銀宝(ぎんぽ)」という魚をご存知だろうか。

初春のいっ時、桜の花が咲く前のほんの短時季の魚だ。

平たく細長く、一見ドジョウに似た魚で、別名を“カミソリ(剃刀)”とか“ナキリ(菜切り)”と言うのも、この姿形から。

黄褐色の地肌に褐色の斑紋があり、成魚の体長は18センチほど、大きな魚ではない。

背鰭は81本の棘状で、迂闊に握ろうものなら手指が切れる。

北日本の内湾に多く棲むニシキギンポ科の磯魚。

蛇行して泳ぎ、夜行性だ。

時季が本当に短いので、それを外すと「エッ、ウッソ~ォ。美味しくない」と言いたくなるほど味が無くなる。

しかも、たとえ時季でも、生きているうちに調理しないと、これまた不味~い。

なんとも厄介な魚だが、時季に生きたままで調理した「銀宝」は、通を唸らせるいい味だ。

主産地は、東京湾沿岸各地で、まさに“江戸前”。

こんなドジョウのような、アナゴのような魚を、時季に生きたまま調理・・・となれば、それこそ“江戸前天婦羅”をおいて考えられない。

確かに、いろいろ調理してみても、天婦羅に勝る調理法は無いようだ。

「銀宝」自体が、なかなか流通に乗らない上に、それを生きたまま天婦羅にするとなれば、これは一流の専門店に食べに行くしかない。

銀座の老舗天婦羅店【銀座天一】には、通人が「春が来たと実感出来る」という名物時季天婦羅「銀宝」がある(入荷次第だが、当たればラッキー)。Photo_194

味としては、ややモッチリ感がある白身で、キスのような歯触りか。

近年は外洋のものが入荷され、巷の天丼屋などで使われているが、鮮度保持はいいとしても、生きているものを捌いた天婦羅の味とは別格のものだ。

これが“銀宝”として、市場で評価されているのは少し遺憾に思う。

この魚は生きたまま食べて“ナンボ”のもの。活魚でなければ本物の味ではない。

キトキトの「銀宝」、待ちかねるファンが多い、初春の魚だ。

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