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2007年2月21日 (水)

グルメ取材って美味しい?

Dsc00449_1 私がブログを始めたのは、昨年の今日。一年が過ぎた。

多くの皆様の応援を頂きながら、楽しい日課として続けてこられたことに心から感謝。

いつも、コメントを下さる方たちには、お顔は存知上げなくても、その文面からお人柄や個性、生活まで窺えて、勝手に親しみすら抱いている。

そんな方たちに、お礼の気持ちを込めて日々のご健勝を祈り、長い交流を願っている。

さて、一年前にブログを始めたキッカケは、食に関して、料理の専門家・専門店を取材したノートや写真を何かの形に纏めたかったことだ。

目標はダンボール箱に幾つもある資料を整理して、統一した形にすること・どなたかに読んでいただくこと・・・だった。

この一年に取り上げた食材はかなりの数になるだろう。

休むことなく書いたから、365・・・食材そのものを扱わない日もあったから、それでも、ざっと300くらいの食材を取り上げたと思う。

料理の専門家や専門店の取材では、ほとんどが食事を伴う。

「いいなぁ、一流の店で、一流の料理人の料理。一回くらい代わりたい」と良く言われた。

たしかに、私のふだんの生活では、度々は行けないような店で、何度も食事をした。

しかし、食べることが=仕事なのだ。キツイことの方が多い。

食べる取材のことを書き出す前に、まず、本を作る作業・編集の流れを知ってほしい。

一般的に、本は当月の前月にはもう出版されている。

例えば、新年号は遅くても11月末には出さなければならない。

ということは、10月半ばにまとめ、11月初めには初稿、ゲラ(下刷り)の校正も少なくても2度は終えていなければならない。Dsc03670

原稿の文字校正と写真やイラストの色校正が終わって、それから印刷だ。

執筆者がゲラに目を通す場合は、戻しが決まった日に来ないと、総ての流れが狂う。

編集部独自の取材記事も、締め切り日は同じだから、新年号・つまり正月の記事を10月初めに書くのだ。

早い取材は9月中か、遅くて10月頭になる。まだ秋の気配すら薄い時Dsc03781_1_2期だ。

おせちを特別に用意してもらい、正月の設えをしてもらって、かつ衣装もそれように着て貰う。

取材は、店の客が居なくなる時間帯・・・pm2時~pm4時頃か、または厨房の手が空くpm9時~pm11時頃。

食べる取材だから、当然、私の食事はその時間になる。ふだんの食事時間との調整が難しい。

こんな食事も、都内なら数日に一回でいいのだが、地方取材ではそうはいかない。

限られた(経費の都合で日数が取れない)時間で、数店の取材・・・日に数食食べることになる。

一品料理や、和食はまだ何とか食べられるが、クリスマス用のディナー(フルコース)ともなれば、胃が悲鳴を上げる。

私の性分は『出されたものは残さず頂く』。

子供の頃に料亭を連れ歩いた父が「食べた後が綺麗になっている客は一目置かれる」と、いつも言っていたことが耳に残っている。

残暑の中、神戸・大阪・京都(三都物語の頃)を、一泊二日で7軒のクリスマス・ディナー(フランス料理5軒、イタリア料理2軒)の取材をしたことがある。

一日目は午後からで3軒、翌日は夜までに4軒。

どの店にも「お宅が最初の取材です」って顔で伺う。すでに何軒かでいろいろ食べて来たとはけっして悟られないようにするのも礼儀だと思うからだ。

時季が合わない材料を集め、丁寧に時季らしく考えて作ってくれたシェフの料理説明を聞いていると残すことなど出来ない。

和・洋・中華を問わず、料理人の説明をしっかり聞いて、美味しく頂き、ちゃんと味の表現をする。

丁寧に作られた料理は、丁寧に食べなければ。

私が綺麗に食べるからと、喜んで気に入ってくれて、編集長になってからも取材を指名してくる料理人もいたし・・・。

取材中は、気合いが入っているせいか、何食でも綺麗に美味しく食べられる。

が、そうして食べ過ぎて、ホテルや帰りの新幹線で、気を失うほど気持ち悪くなり、トイレに駆け込んだことも。

こんな大食ばかりしているかと思えば、締め切り前後に編集室に居る時は、締め切りの原稿やゲラなどが山積みになった机で、食事も摂れずにいることも・・・。

かと言って外に食べに行く時間は無く、別室に行くゆとりすら無い・・・何時間食べていないのだろう。

そして、徹夜・半徹夜が幾晩続いているのだろう。

空腹を感じる暇も無く、突然真夜中に空腹が過ぎて眩暈したりする締め切り間際。

結果、私の胃腸は壊れた(心臓も少し痛んだが)。

胃潰瘍と十二指腸潰瘍が各一回・・・これは、薬で宥め続け、いまでも明け方の吐き気は止まない。

S字結腸ポリープは手術で1ヶ月の入院、「夫が秘かに医師に呼ばれたから、“癌”かも知れない」そんな恐怖が続いた。

時間と闘い、病と闘い、いつしか心と闘う自分がいた。身も心もボロボロに壊れた。

結局は編集者を辞めたが、傍で見るほど“食べ歩き取材”は美味しい思いばかりでないのだ。

S字結腸ポリープは、一昨年に再発して再手術、3週間の入院と2カ月の通院になった。

ただ、いまに思えば、二度と行けないような日本の超一流店・有名老舗の料理を食べ、取材で親しくなった料理人に、いろいろと教わったことが、大きな宝になっている。

これからは、ブログの中で、そんな宝の幾つかをご紹介したいと思う(ただ、当時の写真をデジカメで撮り直しているので、お見苦しさはご容赦)。

ローストスペアリヴ(8本分)Dsc03672

そんな一つで、有名中華料理店のシェフに聞いた一品。

  1. 漬け汁<醤油・酒(各1/2カップ)、生姜絞り汁(大2)、甜麺醤(大2)、胡麻油(大1)、下ろしニンニク(1片分)>を作る。
  2. スペアリヴ(8本)を1に2時間ほど漬ける(時々上下を返し、ムラ無く)。
  3. 天板に金網を乗せて、網ごとオーブンを220℃に熱しておく。
  4. 2の汁気を切り、3の網に並べ、約30分焼く。途中で、2~3回、スペアリヴを漬け汁にくぐらせる。
  5. こんがり焼けたら皿に盛り、レモンやクレソンを添える。

※こっそり秘密。面倒な人は、漬け汁を市販の、焼肉のタレ(辛口)を使ってもいい。

今後も、皆様のご支援で、書き続けていけたらと思っている。

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