東風吹かば・“梅干”三昧
『東風(こち)吹かば 匂いおこせよ 梅の花
あるじなきとて 春な忘れそ』
菅原道真公が大宰府赴任(左遷だったが)の折に、長年大事に愛でた庭の手植えの梅たちに名残りを惜しんで詠んだという。
東風とは、春先に東から西方向に吹く風のこと。
これから赴く大宰府(福岡)からみれば、京の都は東方・・・庭の梅が咲けば、もしや風に乗って、その香が届くかも・・・。
一説によれば、香りどころか、梅の枝が大宰府にワープして根付いた、とまで言われている。
春先、立春から3月始め頃、冬に大陸から吹いていた季節風の勢力が弱まり、移動性高気圧と低気圧とが交互に日本を通過するようになると、東風が多くなる。
春本番の南風ほど暖かくはなく、雨を伴うことも多いが、それでも冬の風よりずっと柔らかく、春の訪れを感じさせるには充分だ。
中国・四国地方でいう「ひばりごち」もこの風だが、いかにも雲雀がさえずっているような長閑な空模様のこと。
同じ風でも、大阪地方では「高野ごち」と言って、生暖かい風が吹き、必ず雨になると言われている。
東風は「こちしけ」と怖れられる反面をもち、時化を呼ぶ風として漁師たちは警戒する。
春を呼ぶ東風と言っても、各地で受け止め方はいろいろあるようだ。
さて、梅の料理を・・・と思ったが、花を使う料理は知らない。
梅の花型に人参を切る(捻じ梅)ことは出来るが、これでは・・・ということで、梅干を使った簡単な三品を。
この三品に梅昆布の吸い物でも添えれば、「梅干しコース定食」になるかも。
❤ 1)砂肝の梅肉和え(2人分) 砂肝(150g)は、硬い部分を切り落とし、塩茹でする。
- 梅干(大2個)は、種を抜き、ボールの中で軽く潰す。
- 三つ葉(適宜)は1センチほどに切る。
- 2に1を入れ、全体を混ぜ合わせ、3を加えてサッと和える。
※梅干は、なるべく薄味のものがいいようだ。
- キャベツ(2枚)は、芯部を取り、食べ易い大きさに切って、熱湯でサッと茹で、冷水に浸け水気を絞る。
- 種を取った梅干(2個)の果肉は細かく千切るり、味醂少々と混ぜておく。
- 1を2で和える。
※キャベツの芯は、薄切りにしてキンピラや汁の実に。またそのまま糠味噌に突っ込んでもいい。
- 種を取った梅干の果肉を細かく千切る。
- 青紫蘇は千切り(水に晒して固く絞って水気を取る)。
- 温かいご飯に千切った梅干と、千切りの青紫蘇を混ぜる。
※簡単これだけ!。サッパリして美味しい。
しかも原価は・・・安い。美味しく安い、しかもお洒落!。
♪♪どこかで春が生まれてる。 どこかで芽の出る音がする。
山の三月、東風(こち)吹いて、どこかで春が生まれてる♪♪
春一番、東風、台湾坊主・・・春は強風の季節でもある。
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