「独活」の香りは春の使者
地下の室(むろ)でモヤシのように育てる『東京ウド』は、アクが少なくエグミもないので食べ易いが、その分香りも弱い。
そこで、近年は、山野の自生独活と同じように、自然光に当て、ハウスで育てた『山独活』が人気になっている。
独活はウコギ科の多年草で日本原産と言われ、英名もudo.あの高麗人参と親戚筋で、当然ながら薬用効果もある。
漢字で『土当帰』とも書くくらいだ。邪気を除き、熱を取り、風邪予防にいいとか、手足の痺れを取り、痛風・リュウマチ・神経痛の痛みを軽減するとか言われる。
独活の名の由来は、風は強くないのに独りで動き活きているようだ=独活が一説。
またの説は運動の訛り=ウド、だそうだ。
独活には山独活のほか、白独活と呼ばれる物があり、いわばホワイトアスパラ・黄韮・白葱などと同じ様に、日光に当てず育てた物。
いまでは山独活も栽培物が多い。
新芽季の山独活は30~40センチくらいで可愛いものだが、夏ともなると2メートル余にもなり、こうなると葉も広がり茎は硬くなってとても食用にはならない。
硬いとは言ってもたかが茎では杖にもならず、せいぜいが小動物が身を隠すくらい。
役に立たないと《独活の大木=役立たず》なんて言葉が生まれたくらいだ。
山独活ほどの強い香りはないが、灰汁が少なく万人向きだと栽培されているのが白独活。
東京の特産野菜にもなっている。三鷹や立川あたりが有名だが、地下3~4メートルくらいの深さに横に掘った地下室で作られるが、モヤシ状態なので60~80センチにもなるが柔らかい。
山独活も白独活も食べ方に大差はないが、山独活なら灰汁抜きをする。
皮を剥いたら酢水に晒すと変色しない。
香りの風味と野趣を味わうには生が一番で、シンプルに醤油or味噌orマヨネーズなどでカリッとやりたい。
和え物・汁の実・煮物にするほか、粕漬けは酒肴にバッチGoo!!皮もキンピラにして旨い。
山独活は伸びて茎はもう食べられなくても、先っぽのまだ開き切っていない柔らかな葉を摘んで、天ぷらにすると美味しいらしい。
手足の痺れ、痛風、リュウマチにも効くという話もある。
今夜は、旬の山独活と、走りの鯛・・・出会い物の和風味。
- 独活(1本)は、皮を剥き、5センチほどに切って水に晒し、水気を切ったら鍋に水から入れて沸騰したら笊に取り出す。
- 鍋に酒(1/2カップ)、醤油(大3)、砂糖と味醂(各大1)と水(1カップ)を入れて火にかけ、沸いてきたら水気を拭いた鯛(4切れ)と、薄切り生姜(1片分)を並べて入れる。
- 強めの中火で、再び煮立ってきたら1を加え、10~15分煮る。
- 器に盛り、あれば木の芽など添える(絹サヤか柚子でも)。
独活は思ったより多様に使える。
丸剥きして、熱湯に通して冷ましてから、味噌と味醂少々を混ぜた酒粕に漬け込んで1週間ほど置く・・・絶品の酒肴になる。
煮物に使うのもよし、マグロの切り身と葱・独活を一緒に鍋にする“葱マ鍋”もいい味だ。
天婦羅も美味しい。
剥いた独活の皮は捨てずに、キンピラにすればこれもいける(皮を剥く前にタワシでゴシゴシと表面の細かい毛を落とすといい)。





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