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2007年5月14日 (月)

時を駆ける“レイシ”&“シロウオ”

Photo_143 茘枝・・・レイシ、ライチ、レーシーなど呼び方はいろいろだから、漢字を使うことにした。

この果実は、かの楊貴妃がこよなく愛し好んだといわれる。

彼女は、玄宗皇帝の目に止まり、愛妾となって華やかな生活をしていたが、玄宗失脚と同時に殺された。

よって“亡国の美女”と言わせるのだが、その楊貴妃があまりに好んだから、荔枝までが“亡国の美果”と呼ばれる。

いい迷惑だろう。

竜眼という果実の仲間で、じつに良く似ている。

楊貴妃が、何より好んだのも当然で、熱帯果実としては、繊細で上品な甘味と香りがある。

ただ、繊細なのは、味や香りだけじゃなく、果実そのものが極めてデリケートなのだ。

中国古書に「枝を離るるや、一日にして色変じ、二日にして香気失せ、三日にして色・香・味 ことごとく尽く」と記述がある。

また、「剥けば凝りて水晶の如く 食えば消えて降雪の如し」と漢詩に詠まれている。

そんな傷み易い荔枝を、楊貴妃は、権力にもの言わせ、中国の華南辺りから早馬で運ばせたのだ。

華南から、宮廷がある長安までは、馬も人も乗り継いで、寝ずに走って8日8晩・・・腐っていようモンなら首が飛ぶ。

いや、腐ってなくても、労苦と責め苦で死者が続出。

荔枝を楊貴妃の手元に届ける道には、多くの民の犠牲が積もっていった。

秘かに『荔枝歎』という人民の怨嗟歌が流れていた。

そんなことが、やがて安禄山の乱を起こし、栄華を誇り、贅の限りを尽くした《唐》国を滅亡させたのだ。

もし、楊貴妃がこの荔枝の味を知ることが無かったら・・・少しは歴史が変わっていたのだろうか。

冷凍物がほとんどだが、初夏には、生の荔枝が店頭に出る。

時間が勝負の食品も、空輸が発達し、その恩恵で、犠牲者の恨みを買うことなく、新鮮な荔枝を味わえることは幸せだ。

荔枝(れいし)は、その堅い皮を剥けば、甘く香って、ツルリと艶やかな丸い麗姿(れいし)を現す。

*****親友J子さんが、飛行機で運んだ《活きシロウオ》*****

空輸といえば、今日は飛行機で、思いがけない珍味が運ばれてきた。

私は、2月15日に「シロウオ」の記事を書いたが、そのシロウオは、いま青森で旬を迎えている。

いつも、いろいろと美味しい物を届けてくれる、親友のJ子さんが、ご主人(町並みデザイナー)とともに、青森に出かけて、シロウオの簗がある、市郊外・野内川で“踊り食い”をして来たと言う。 Photo_146

そこまでなら「あら、いいわね、羨ましい」だけだが、なんと、大きな袋の生簀情態で急ぎ、飛行機に乗せ、そのシロウオを“活きシロウオ”のまま運んできたのだ。

よくシロウオはシラウオと混同されるが、シロウオはハゼ科で、シラウオは鮭や鱒の仲間。

青森県は、太平洋側の小川原湖ではシラウオが有名だが、陸奥湾に面する野内川ではシロウオが有名なのだ。

シラウオに関しては『世の中のうまい話』のマグロ君様が書いておられる。

シロウオとシラウオ、大きな違いはハゼ科のシロウオには脂鰭が無く、腹鰭が左右癒合してお猪口型にくっ付いている。つまり、鰭が双方ではまるで形が違う。Photo_149

主に“踊り食い”するのはシロウオの方だが、シロウオは生きていないと生臭みが出る。

だから、地元以外で“踊り食い”するには、時間が勝負となるのだ。

小鉢に入れ過ぎて、黒っぽく見えるが、実は透明。スプーンに3匹くらい、掬い難いなぁ・・・。 

酢醤油をかけたら、暴れることしきり。泡でシロウオが見えなくなるくらいだ。Photo_148

ピチピチと喉を流れ落ちる。美味しいと言うより、命を頂く荘厳な儀式のようだ。

当然ながら、卵とじも頂かなければ・・・。

ビックリのスゴイ土産げ、久しぶりに食べた“踊り食い”だった。

“レイシ”も“シロウオ”も、飛行機が時を駆け抜けるおかげで、何処にいても鮮度良く味わえる。

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