“アメリカンチェリー”の手製ケーキ
さて、6月19日は太宰 治を偲ぶ《桜桃忌》だ。
サクランボの季節に亡くなったことと、最晩年作『桜桃』にちなんだ忌名だが、厳密に言えば、サクランボと桜桃は品種が異なる。
サクランボは保存が効かず、促成栽培も出来ないので、店頭に並ぶのは極めて短期間だ。
だからこそ初夏の風物詩になる。
“西洋実桜”と呼ばれ冷涼な気候を好むが、雨は嫌う。
山形・福島を主要産地として、北は北海道まで栽培されている。
梅雨時は、長野・山梨の早生種が出回る。
原産はアジア西部からヨーロッパ、そして中国。
とくに栄養があるとは言えないが、彩り・歯触り・甘酸のバランスなど、初夏らしい爽やかさがある。
国産より庶民的値段で人気の輸入物。
平成3年までは、アメリカンチェリーには解禁日があったが、4年以降は輸入自由になり、5月の中旬~下旬には店頭に出る。
国産は、小粒の『高砂』から始まり、大粒の『佐藤錦』まで、これから7月半ばまで収穫される。
人気は『佐藤錦』だがなにしろ高価、贈答用ならまだしも自家用に買うには財布との相談が先決。年に一度、形ばかり数粒の貴重品だ。
バイオ技術で産まれた佐藤錦と掛け合わせた新品種『正光錦』や『香夏錦』なども期待されている。
サクランボは生食の他、卵豆腐や素麺・サラダの彩りにする。
国産より味が濃いチェリー(カリフォルニアorワシントン)はプリザーブやブランデー漬けなど加工用に適す。
同じサクランボでも、爽やかで甘酸っぱい国産は“乙女”、味が濃くジューシーなダークチェリーは“熟女”か?。
17日の“父の日”用にと、近所の若い奥さんから「おばさん、教えて」と、ケーキ作りを頼まれていた(おばさんには、ン?だったが)。
15~16日は、夫が泊りがけゴルフだったので、16日はその人に付きっ切りで、男性にも好評の、チーズを使ったケーキ作り。
1~10までを手作りするのは無理なので、土台のスポンジは市販品を使う。
まず、準備として
- 板ゼラチン(8g)はたっぷりの水に浸けてふやかす。
- クリームチーズ(250g)は室温にしておく。
- レモンの皮(1個分)は摩り下ろす。
- 市販のスポンジケーキを1センチ厚さにスライスしておく。
- 砂糖と水(各1カップ)を2分ほど煮溶かしてシロップに。
以上の準備をしたら、根性投入・・・製作開始。
- ボウルにクリームチーズを入れ、泡だて器で掻き混ぜ、滑らかにする。
- 鍋に卵黄(3個分)を入れ、泡だて器で溶き解し、砂糖(75g)、白ワイン(75cc)、摩り下ろしたレモンの皮を加えて掻き混ぜる。
- 2の鍋を火にかけ、沸騰したら火からおろし、水気を切ったゼラチンを加えて、静かに掻き混ぜながら溶かして、ボウルにあける。
- 大きいボウルに氷水を七分目ほど入れ、3のボウルの底を当てて、ゴムベらか木杓子で掻き混ぜ、粗熱を取る。
- 4に1を加え、混ぜる。
- さらに、別のボウルに生クリーム(300cc)を入れ、氷水のボウルに底を当てながら、泡だて器で泡立て、5に静かに合わせていく。
- 皿かバットに、18センチのセルクルを乗せ、スポンジケーキを底に敷いて、6を流し入れ、冷蔵庫で冷して固める。
固めている間にソースを作る。
- サクランボのシロップ漬け(缶詰 or 瓶詰め・実だけ125g)と、用意したシロップをミキサーにかける。
- 皿に、固まったチーズケーキを乗せ、サクランボとミントを飾り、ソースを周囲に敷く。
※市販のスポンジを使ったので、デコレーションに集中でき、すごく好い出来になった。
きっと、あの若奥さんの舅さんは、昨日の“父の日”には満面の笑顔で、あのケーキを頬ばったことだろう。
多分、ご主人も、お裾分けなど頂いて、嬉しかったかも・・・。
私にとっても、心がアッタカイ嬉しい一日だった。
《ば~ばの食べ物事典》を作りました。ご参考になれば幸甚。
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