メロンをサラダに
花でさえ、多くの種のハウス栽培が当たり前になって、季節感を失いつつある現代、野菜や果物には季節感を求めることさえ難しくなっている。
そんな果物の一つ、年間を通して栽培され、いつでも店頭にある『メロン』だが、これも瓜の仲間だから、実はいまが旬なのだ。
日本人は瓜好きで、瓜の仲間はいずれも人気者だ。
昔のマクワ瓜からメロンまで、スイカも瓜だ・・・野菜の瓜物も入れると、瓜類の消費は膨大な量になる。
メロンの類は、大きくはネット系(マスクメロンなど)と、ノーネット系(マクワ瓜・ハネデューメロンなど)に分けられる。
さらには、東洋系(マクワ瓜・ハミ瓜など)と、西洋系(マスクメロン・ハネデューメロン)に分ける場合もある。
プリンスメロンなどの新種メロンは、ほとんどが東洋系と西洋系の一代雑種で、その新種開発は日本が世界に先んじている。
新種の登録は、百種以上あるが、代表的なのはプリンス・アムス・アンデス・コザック・キングメルティ・キンショウ・シラユキ・ホームラン・・・etc。
メロンのトップは、果物の王とも言われる『マスクメロン』で、マスク(Musk)とは高級香料・麝香のこと。香りも味も、ネットの張り具合もメロンのトップだからこその冠名だ。
マスクメロンの作出者は、新宿御苑顧問の子爵・福羽逸人博士で、御苑の農事試験場温室での品種改良から産まれた。
当初は子爵メロンと呼ばれたが、大隈重信侯爵がこれを愛し、メロン栽培を華族や貴族の間に流行させた。以後、侯爵メロンと呼ばれるように・・・子爵から侯爵に出世した訳だ。
果物として食されるメロンの、ピン~キリは、例えばマスクメロン~マクワ瓜だが、もとはアフリカ砂漠地帯から発した同一種。これが、西洋に発達したのが西洋メロンで、東洋に渡ったのがマクワ瓜。そのピン(西洋メロン)とキリ(マクワ瓜)の混血児がプリンスメロンなのだからビックリ。
くだものに総じて言えることだが、蔓に付いていた方(頭)より、花が落ちた方(尻)が甘い。だから輪切りでは不公平、縦に切り分けよう。
生ハムは、メロンの甘さを適度に引き締め、深みのある味にする。果物の酵素は肉類の消化を促進・・・別々に食べたい、と、わざわざハムを取り外して食べる、約1名が目の前にいる。
昨日のアボカドに限らず、果物は使い方で、デザート以上の一品に使える。
甘味がイマイチのメロンでも、美味しく変身する。
- まず、ドレッシング<酢・胡麻油・醤油が各大2、砂糖は大1、胡椒少々>を良く混ぜておく。
- トマト(2個)は、皮を湯剥きして1個は櫛型切り、もう1個は角切りする。
- メロン(1/4個)は、皮を剥いて、一口大に角切り。
- サニーレタス(約半分弱)は、葉を水に浸けてシャキッとさせ、手で千切る。
- 皿に、櫛型切りトマトを円形に並べ、その中に他の材料を混ぜて盛り、ドレッシングをかける。
※トマトの皮の湯剥きは、トマトの上中央に、十文字に包丁を入れ、ヘタ部分にフォークを刺してサッと熱湯にくぐらせる。直ぐに氷水に突っ込むと、スルッと簡単に皮が剥ける。
《ば~ばの食べ物事典》を作りました。ご参考になれば幸甚。
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