« 京の祭りは“鱧(はも)” | トップページ | トウモロコシの髭=粒の数 »

山菜「ミズ」のくせになる味

786 また、親友J子さんが旅先・十和田から旬の味覚を届けてくれた。

山菜の“ミズ”、しかも美味しい赤ミズだ。

ミズ(ミズナとも言う)は、深山渓谷の沢の両側に密集して生えている山菜だ。

ウワバミ(大きな蛇)の出そうな奥深い渓谷に生えるから、“ウワバミソウ”と言われる。

5月下旬から6月が、柔らかくていいと言うが、秋田・青森では6月から7月上旬が美味しい。

特に西日本の“ヒメウワバミソウ”に比べて、北日本の“ウワバミソウ=ミズ”は大型で柔らかく、品質的に数段いい。

高くて深い山で、沢沿いの水が滴り落ちる崖下、ジメジメして日の当たらない場所。

そんな所が好適地だ。

とくに、北日本の茎根元が赤く太い赤ミズは、粘りが強く柔らかで、一番好まれている。

この赤ミズに、“ヤマトキホユリ(別名・青ミズ)”が良く似ていて、混生しているので紛らわしい。

区別は、赤ミズは初夏に淡黄色の花を付け、茎が赤っぽいが、青ミズは夏から秋に淡緑色の花を付ける。

ミズは、横に地下茎を伸ばし、其処から地上に50cmほどの茎を出す多年草だ。

葉は食べずに、地上に出た茎を食用にする。

瑞々しいから“水=ミズ”と呼ばれるだけに、シャキシャキとした歯触りで、噛むと粘りを感じる独特の食感。

この食感を生かして、山菜なのに《ナメロウ》や《タタキ》が好まれる。

薄皮を剥き、サッと湯通して、鮮やかなグリーンになったところを冷水に取る。

保存はこのまま密閉容器に入れ、水を換えながら数日保たせる。

後は、水気を切って油炒め、煮物、お浸し、和え物、潰してトロロ風・・・などにするが、ミズの風味がくせになって、夏の北東北を訪ねる人も多いと聞く。

9月過ぎると、茎の葉の付け根に、赤黒い小さなムカゴのようなコブ状の実が付く。

これは現地では“ミズのコブ”と呼ばれ、サッと茹でて塩昆布で和えたり、汁の実にしたり、また油炒めやお浸しなどに使われる珍味だそうだ。

山菜・ミズの油炒め792

  • 炒める場合は生から炒めるのがいいが、保存中のものでも美味しくできる。
  • 調味は、醤油でも塩・胡椒でも好みで。

山菜・ミズのなめろう789

  1. サッと茹でたミズ(500g)をビニール袋に入れ、擂粉木などで潰す。
  2. さらに、俎板に移して、味噌(大2~3)を加えて、包丁で混ぜながら切っていく。
  3. 山椒の葉(2~3枚)を刻んで混ぜる。

※最近では、都会の八百屋(スーパーではなく)でも、たまにミズを仕入れている店がある。

もし、ミズを見かけたら、ぜひ一度その味を確かめてほしい。

《ば~ばの食べ物事典》を作りました。ご参考になれば幸甚。

Banner2_30 人気blogランキングの応援をして頂けると嬉しいです。

にほんブログ村 料理ブログへこちらも応援してくださるともっと嬉しいです。

« 京の祭りは“鱧(はも)” | トップページ | トウモロコシの髭=粒の数 »