瓜売りが瓜売りに来る
日本は“瓜”天国。
胡瓜(きゅうり)・越瓜(しろうり)・南瓜(かぼちゃ)・西瓜(すいか)・甜瓜(まくわうり)・苦瓜(にがうり=ゴーヤ)・糸瓜(へちま)・・・ア、冬瓜と言うのもある。
しかも、メロンも瓜の類だから、それを入れると・・・もう、数え切れない。
それらの中で、野菜料理に使う、初夏~夏の瓜で一般的なものは、キュウリとシロウリだろうか。
いまでは旬を忘れるほど、一年中出回っているが、露地物は初夏から夏の物。
初夏を表す『瓜売りが瓜売りに来る季節』という言葉がある。
キュウリの原産地は東インド、そこから中国西域を経て日本に入った。
このルートで渡来した物には、胡椒(こしょう)・胡桃(くるみ)・胡麻(ごま)などのように、“胡”の字が付いた。
胡瓜も然り。
同様にシロウリは原産地が南アジア。
中国広東~広西を経て日本に渡来、その地の漢古名“越”の字が付いて、越瓜(シロウリ)になっている。
シロウリより、かなり早く日本で一般的になったのがキュウリだ。
その青さで、河童の好物と言われ「初生りは、河童にお供えして」と習慣にされたくらいだ。
江戸時代になると、その切り口が『三つ葉葵のご紋』(将軍家の家紋)に似ていると、武士や生粋の江戸っ子は、口に入れるのも畏れ多いと食べることを躊躇った。
サラダ・漬物・酢の物・中華風に炒めても、スープでも、生で味噌を塗っただけでも・・・どうにも食べられる、順応性抜群のキュウリやシロウリ。
- キュウリ(2本)は薄い小口切りにして、塩(小1)を塗して、しんなりしたら水気を絞る。
- 塩蔵若布(10g)は洗って水に戻し、熱湯を通して冷水に取り、ザク切りして水気を切る。
- シラス(1/3カップ弱)も、笊に広げて熱湯を回しかけ、水気を切る。
- 酢(大3)、砂糖・味醂・薄口醤油(各小1強)を混ぜて溶かし、半分を取り分ける。
- 4の半分に、まず3を浸し、魚臭さを抜いておく。
- 残り半分の4に、1と2を入れて酢洗いしたら、汁気を切っておく。
- 食べる直前に、5と6を和えて、小鉢に盛り、おろし生姜を乗せる。
《ば~ばの食べ物事典》を作りました。ご参考になれば幸甚。
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