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土用の丑だ『鰻』だ

Photo_378土用の丑、昔から「う」のつくものを食べると精が付くと言われ、鰻や牛肉がもてはやされてきた。

特に、牛肉は昨今のことだが、鰻を食べる歴史は江戸時代からだ。

土用とは、立秋までの18日間を言う。 つまり、20日が土用の入りだったから、暦の上では、あと数日で秋なのだ。

土用の頃は、海や山が荒れる・・・人間の体調も乱れる。

夏のスタミナ維持には『鰻』がいい・・・とは、万葉の昔から認められ、奨められてきたのだが、江戸時代に爆発的に人気が上がった。

あの有名な医師・平賀源内が、贔屓の鰻屋が夏の熱さで売れ行き不振で困っていると聞き、《土用・丑(うし)の日は頭に“う”の付く食べ物を》と書いて軒に貼らせた。

当時は四足禁制・・・なれば牛と言う事は無い、“う”と書いて鰻屋に張り出せば、誰だって鰻と思い込む。

まして当時の鰻は、オカズと言う以上に薬の意味があったのだ。

仕掛けは大当たり、年に一度くらいの贅沢は・・・って言うので、江戸っ子の心を捉えた。

『女房を質に措いても初鰹』と同じ意気込みだ。

『土用の丑の日は鰻』、これを食わなきゃ江戸っ子が廃るって、鰻屋は大賑わい。

天然鰻は、胸鰭のところがちょっと黄色味を帯びている。『胸黄=ムナギ』が訛って鰻になったようだ。

002_1鰻を蒲焼用に開く時、関東は背開き、関西は腹開きにする。

これは、江戸は武士優先社会、腹を切る(切腹)は縁起が悪いと忌み嫌ったからだ。

蒲焼の調理も、関東では蒸して脂を抜いてからタレで焼くので、箸ですぐに切れるほど柔らかい仕上がりだが、関西では串を打って素(しら)焼きにし、タレで仕上げるので歯応えも残る。

どちらで焼いても、鰻には良質の蛋白質と脂肪、ビタミンA・Eが豊富で、体力回復にはもってこい。

暑い盛りの滋養補給に『土用の丑の日には鰻』を摂る習慣が、続いているのだ。 ただ、近年は国内産の稚魚の漁獲量がめっきり減って、まさにウナギ稚魚の卸値は“ウナギ上り”。

さらには『割き3年、串打ち8年、焼き一生』とウナギ職人が座右の銘にしている修業に付いていけない若者が増え、職人不足。

輪をかけて、中国などから加工済みのウナギが入ってくる。

Photo_458その輸入鰻のいく手にも怪しい雲行き・・・国内産、手焼きのウナギは庶民から、どんどん遠いところに・・・。

なんて嘆きながら、国内(鹿児島)産・手焼き鰻を食べに行ってきた。

息子のマンションのすぐ近所、小金井本町の【美登里】。

隠れたる名店だったのに、最近“TV朝日「ちい散歩」”で地井武男が小金井公園周辺散歩中に立ち寄って紹介。

「旨い、旨い」と激賛して、一躍名が知れ渡り、いつも満席状態。

常連が食べ損なう人気なのだ(はやり風が通り過ぎるのを待つことかな)。

この店の見ものは、何と言っても鰻の捌き、焼き、蒸し、タレ焼き・・・の一連の技がカウンター越に全部見える。

桶の中でクネクネと動くのを、素早くスッと掴むと、俎板に・・・。

瞬間、鰻は魔法でも掛けられたように静かになる。Photo_459

そこに背中から包丁がツゥーッ!!

生きている鰻を目の前で捌き、串を打ち、焼き上げる。

一連の作業が丸見えでも、気持ち悪いという人など無く、「アレが私の分かな?」と食欲中枢がどんどん刺激され、みんなカウンターを覗き込むように焼き上がりを待っている。

昼に行ったので、¥1500のランチ(うな丼、う巻き、肝吸い、サラダ、香の物)。

夜はセットもいいが、好みで注文するのをお奨め。

蒲焼は¥1100~1900、他に吸い物やう巻き、うざくなどの単品あり。

ちょっと焼き上がりを待ちながら、う巻きで一杯、肝焼きで一杯・・・で蒲焼、肝吸いになっても、二人分で財布から諭吉さんが1人出て、英世さんが2~3人戻って来る嬉しい値段。

あまり、他人に教えたくなかったが、TVに出ちゃったら・・・ね。

因みに、鰻が大好きだったという、かの北大路魯山人は「養殖鰻でもよい餌を食べている時は美味いし、天然のうなぎでも彼らの好む餌にありつけなかった時は、必ずしも美味くはないと言える。

要は餌次第である。天然に越したことはないが、養殖の場合でも、それに近いものが望まれる」と、冷静な判断をしている。

その魯山人、「私の体験から言えば、鰻を食うなら、毎日食っては飽きるので、三日にいっぺんぐらい食うのがよいだろう」と言った。

エッ、いくら好きな鰻でも、三日にいっぺんは~~。

魯山人、さすがである。

鰻の食べ方には、白焼き、雑炊、茶漬け・・・八幡巻きもあるが、「やはり鰻は蒲焼に落ち着く」と、池波正太郎の言。

《ば~ばの食べ物事典》を作りました。ご参考になれば幸甚。

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コメント

流石~タイムリー・・・

丑の日はやっぱり、ウナギですよね~!

投稿 マグロ君 | 2007年7月30日 (月) 17時05分

日本におりました頃、お気に入りの鰻屋さんが数軒ありました。うち一軒は、各テーブルの上に‘お知らせ’なるものがあり、それには「お客様のお顔を見てから鰻をさばきます。時間がかかりますのでお急ぎの方はどうぞ他所へお回りください」と書かれてありました。
 お店の自信の程が伺えて、このお知らせ、さらにイメージアップにつながったと思います。今でもこのお店に機会があったら訪ねたいと思うほどです。

 生家の近くには清流が流れていましたので、家には鰻専用の生簀もあり、父の捌いた天然鰻を食べた日々が懐かしいです。炭火で焼かれた鰻は半分以下に身が縮み、盛り付けもうずたかく重ねて大皿に盛られておりました。
 レストランで戴くふわふわのとろけるような鰻(大好きです)とは異なりますが、手でつまんで戴ける、程よい固さと軽く馴染んだタレの味がしつこくなくて、何枚でも食べられました。これはこれで子供心にも大変美味しかったです。
 

投稿 はなあかり | 2007年7月30日 (月) 19時50分

土地柄、江戸前はなかなか食べれませんね。
やっぱり、私は『ひつまぶし』が好きです。
山葵とネギ・・・最高です。

投稿 frusic | 2007年7月30日 (月) 22時52分

ウナギも結局食べずじまいでした。
ウナギ屋さんで食べるウナギは、空腹を刺激しまくる香りと、長い長い待ち時間が美味しさを倍増させますね^^;
子供連れでは、間違いなく空腹に耐えられず子供が泣き出すでしょう(>_<)

で・・諭吉さんが出て行き、戻ってくるのが博文さん・・!?
いえいえ、たぶん英世さんがいらっしゃるのではないかと・・。
つまらないことですいません(^_^;)

投稿 三ツ木冴子 | 2007年7月31日 (火) 00時17分

小金井本町の「美登里」のうなぎ、おいしそ~(*^。^*)
あの有名なおすし屋さんと一緒の名前なんですね~♪
私はお昼にランチバイキングをたらふく食べすぎ、
お腹の中に入るスペースがなかったのですが、
オットの夕飯はうなぎにしました。
私のぶんは、一口冷蔵庫に眠ってま~す。
食べるの楽しみです(*^^)v

投稿 みえり | 2007年7月31日 (火) 07時56分

昨日はウナギにありつけず・・・

今日こそは・・・と思うのですが~

食べれるかな?


ぽちっと!

投稿 マグロ君 | 2007年7月31日 (火) 09時46分

はなあかり様
お客の注文があってから、鰻を捌く・・・。
けっこうそんな職人気質の店が残っていて嬉しいです。

鰻を食べに行く、と決めた時点で時間がかかることも覚悟して出かけます。
だから、待っているのも楽しい味のうちだと思っています。

投稿 ば~ば | 2007年7月31日 (火) 10時31分

frusic様
江戸時代には、鰻屋は深川に多く、ご飯と蒲焼は別々に出されるものだったそうです。
当時、日本橋の芝居小屋のオーナーが、大好物の鰻を小屋に出前させたが冷めると不味い。
で、出前の鰻を熱々のご飯の中に埋めて届けさせたとか。

これがうな重やうな丼の始まりと言われます。

鰻をご飯に埋めたり、混ぜたりする食べ方は、いまでは地方にこそ残っていますね。

投稿 ば~ば | 2007年7月31日 (火) 10時45分

三ツ木冴子様
千円札の肖像画、野口英世ですね。
古いお札も確認したら、夏目漱石・・・。

伊藤博文って、どこから勘違いしたんでしょう。思い込んでいたんですよ。
お恥ずかしい限りです。
教えてくださって、本当にありがとうございます。

文中の間違い、訂正しました。<(_ _)>

投稿 ば~ば | 2007年7月31日 (火) 10時51分

みえり様
ちゃ~んと旦那様に鰻の用意、さすがラブラブ夫婦。

今日のお昼は、取り分けておいた鰻で・・・丼?、櫃まぶし?。

投稿 ば~ば | 2007年7月31日 (火) 10時56分

マグロ君様
鰻は、丑の当日じゃなきゃ・・・ってことは無いんですもの。

今日でも、明日でも。
8月8日の立秋までは“土用”なのですから。

投稿 ば~ば | 2007年7月31日 (火) 11時00分

鰻、見るとまたまた食べたくなってしまいます^^
名店の鰻とあらばまた格別なんでしょうねー*
隠れ家が有名になる寂しさはあると思いますが、
そんなお店を最初から知っていらしたば~ばさんの舌は
間違いない!と確信ですね^-^
TVを見て新たに常連になった方やイチゲンさんたちにも、
バッチリ美味しさが伝わっているといいですね♪

投稿 ダブチ | 2007年7月31日 (火) 12時59分

ウナギ食べ損ないました。忙しかった・・・

ウナギといえば、昔勤務していた日本橋は、ウナギやさんオンパレードの場所。
伊勢定に大江戸、喜代川、築地丸正、宮川本店、美国屋、いづもや屋、青葉とよくこれだけ近所にあってやていけると関心するばかり。
土用丑の日は、伊勢定で鰻重を社長がとってくれるのがちょっぴりうれしかったです。

あとは、埼玉県浦和のウナギ、小川町のウナギもよくいただきました。
でも、福岡のせいろ蒸し食べたい(東京にないんです)と思うこの頃です。

投稿 ムシコ | 2007年7月31日 (火) 13時31分

ケイビランについて・・・・・
最近は、ヤクシマケイビランとケイビランをきっちり別の種としてわけるそうです。
ヤクシマケイビランの明確な記載文が、実はうちになかったことが発覚。というわけで、ただ今取り寄せ中です。

しばし、おまちください。

投稿 ムシコ | 2007年7月31日 (火) 13時37分

ダブチ様
一日早く、鰻を食べてましたものね。

魯山人は「三日に一回・・・」と言ってます。
明日あたり、また食べます~ぅ?。

投稿 ば~ば | 2007年7月31日 (火) 15時19分

ムシコ様
(1)
鰻の蒸篭蒸し、食べたことがありません。

関東では、蒲焼の前に蒸篭で蒸しますが、それを直ぐ食べるような感じですか?。

私は山の上ホテルの鰻処《山の上》で、いろんな鰻料理を食べましたが、蒸篭蒸しは無かったんでしょうね。

普通の蒲焼なら、南千住駅前の《尾花》もお奨めです。
ただし、待たされます。

(2)
ゲイビランのことで、とんだご厄介をおかけし、お時間を割いて頂いているようですね。
でも、教えていただけたら、勉強になり、知識が増えて嬉しいことです。


投稿 ば~ば | 2007年7月31日 (火) 15時31分

ウナギのせいろ蒸し・・・
多分福岡県の柳川中心のウナギの食べ方だと思います。
柳川に元祖本吉屋という老舗があります。ここの初代本吉七郎兵衛が、
江戸で作った料理といわれています。だのに、東京にないんです。
1863年文久3年に柳川に帰って元祖本吉屋を創業したそうです。

たれで味を付けたご飯を器にはめ込んだ蒸籠(せいろ)に入れ、その上にたれを付けて焼いた鰻(福岡は腹開きで蒸さずに焼く)をのせ、錦糸卵をちらし、器のまま蒸します。
ご飯の上に脂がのったウナギをのせて蒸すことにより、味が深くなります。

投稿 ムシコ | 2007年7月31日 (火) 17時09分

ムシコ様
蒸篭にご飯、鰻、錦糸卵を乗せた“鰻蒸し寿司”は、似たようなものかしら。

大阪で食べました。

話がしつこくてごめんなさい。
本物が食べられれば、即解決なんですが・・・。
どんな物か気になって。

投稿 ば~ば | 2007年7月31日 (火) 19時22分

子供の頃、川で捕ってた天然ウナギの蒲焼、、、その芳醇な香りは、丁度天然鮎と養殖鮎の違いのように、今我々が食べる養殖ウナギの味とはまったく異なる。
もう一度、味わってみたいと、最近川に仕掛けを沈めて、ウナギを捕ろうとしてるのですが、、、、、

投稿 ナベショー | 2007年7月31日 (火) 22時45分

そういえば、大阪や京都には鰻蒸し寿司ってありましたね。
ご飯は酢飯だったと思います。
外見は、鰻重っぽいんですけど生米をウナギのたれをかけまわして、蒸すので、ご飯の部分が均等に茶色です。

http://www.yanagawa-cci.or.jp/kigyo/kigy0363.html

投稿 ムシコ | 2007年8月 1日 (水) 08時09分

ナベショー様
静岡には富士山の伏流水など流れ込む清流がありますから、美味しい鰻が期待できそうですね。

ただ、最近は天然物は生簀で泥を吐かせても、泥臭さが抜けないものに当たるリスクが高くなって、人気薄だと聞きました。

魯山人じゃありませんが、名のある店でも、いい餌を与えて、いい水で養殖したものを使うらしいです。

投稿 ば~ば | 2007年8月 1日 (水) 10時19分

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