トマトは調味料?、薬?
トマトが山積みの箱売りで並ぶ時季だ。・・・そんな季節になったのがちょっと嬉しい。
トマトは南米ペルーが原産国で、ペルー語でトマーテ(tomate)。
ほとんどの国は、そのヴァリエーションで、ポルトガル語がトマッチ(tomate)、オランダ語でトマート(tomaat)、スウェーデン語がトモーツ(tomot)。
それなのに、イタリアではポモドーロ(pomodoro)と呼ばれる。
イタリア人は、トマトとアイスクリーム(ジェラート)は自国が世界一なんだと信じきっている。
たしかにイタリアのトマトは美味しいし、その生産・消費も世界一だ。
だから、トマトのことを『黄金の果実(実は野菜ですが・・・)』を意味する「Pomodoro」と、愛情を込めて呼ぶのだろう。
その名には、イタリア人の陽気な独断と偏見が現れている。
イタリアでは欠かせぬ調味料・おふくろの味=正に輝ける実なのだ。
トマトは16世紀にイタリアに渡ったが、当初は「愛の林檎」と言われて、欲情を刺激すると卑しめられた。
色・艶・形・・・確かにハート、連想が逞しかったのだろう。
学名のリコペルシコン(Lycopersicon)は“狼の桃”を意味する。
赤くて美味しそうだが、食べられたもんじゃないということだろう・・・トマトのヨーロッパデヴューも順調ではなかったのだ。
今では、その赤さの元・リコピンが、もてもて人気だが。
日本には明治初年に、玉葱やキャベツなどと一緒に持ち込まれた。
しかし、玉葱やキャベツはすぐに普及したが、トマトは大正時代に入るまで見向きもされなかった。
赤茄子の腐れてゐたるところより 幾程もなき歩みなりけり
斉藤茂吉の名歌集『赤光』に収められた秀作。
明治45年・茂吉30歳の作と言うが、赤茄子(トマト)が食べられることなく、畑で腐ったのだろうか。
美味しはずのトマトも、消費されなければ腐っていくだけ。
トマトの悲惨な歴史を思わせる一首だ。
栄養学的にもビタミンCが多く、ビタミンEも含まれる。
さらに、クエン酸やペクチンも含まれるので、肉料理と共に摂ると脂肪の消化を助ける。
昨今は、活性酸素の除去にも効果があるとか言われ、生活習慣病を気にする私達には、なるべく毎日食べたい野菜である。
西洋では『トマトのある家に胃病なし』と言われるが、トマトが健康にいいという認識は、西洋に限らない。
日本にも『トマトが赤くなると医者が青くなる』という諺がある。
母に子に トマト色づき 瑕瑾(かきん)なし 鐘一路
ケチャップやピューレ、ジュースなどに使う加工用トマトには、カロチンも豊富だ。
カロチンは免疫力も高めるが、美肌効果もあるのだ。
日本人、特に女性に不足しがちな鉄分もあり、貧血予防にもなる。
トマト食ぶ 治癒の肌張り 紅さして 照雄
ケチャップやピューレ、ジュースなどに使う加工用トマトには、カロチンも豊富だ。
トマトが出盛りに入ると、気分はすっかり〔イタリアン〕で、トマトたっぷりの料理が増える。今夜は・・・。
冬の間は1個が¥100以上で、とてもソースなど作る度胸も勇気も無かったけれど、1箱が安いとなれば何でもOK。
ヨーシッ! 《トマトソース》を作ろう。
トマト=1Kg、玉葱1/2個、人参1/2本、セロリ約15センチ、ニンニク1片、ローリエ1枚、オリーブ油とバターを少々。
- トマトは皮を湯剥きし、ザク切りして、ボウルなどの中で適当に潰しておく。
- 他の野菜は総て微塵切りにする。
- まず、オリーブ油とバター(半々or好み)でニンニクを炒め、色付く頃に野菜を入れ、しんなりするまで炒めたら、ローリエ&トマトを入れて、塩・胡椒で軽く調味し30分程煮詰める(水は入れない)。
- トマトの形が無くなる頃、もう一度調味して、火を止め、保存は冷めたら冷凍で。
このソースがあれば、パスタは勿論、魚介や鶏肉のソテーやにも美味しく使える。
茄子や蕪・キャベツなどの有り合わせ野菜を加熱して、このソースで和えればオシャレな一品にも変身するのだ。
私の“魔法のソース”かも・・・。
ミニトマトの簡単な一品も紹介しよう。
- ミニトマト(120g・約8~10粒)は、洗って水気を切り、ヘタを取って半分に切る。
- 胡麻(大2)は、弱火で香りが立つまで乾煎りし、俎板にキッチンペーパーを敷いて胡麻を広げ、粗く刻む。
- 胡麻をボウルに入れて、醤油(小1)、砂糖と胡麻油(微量)を混ぜて2を加え、1を和える。
※トマトをオリーブ油・玉葱微塵切り・ニンニクなどのドレッシングで食べるイタリアンなサラダは、若い人たちが上手に作っているので、私は意表をついて和風の一品にしてみた。
味も、意表を付くかなぁ。
《ば~ばの食べ物事典》を作りました。ご参考になれば幸甚。






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