“クラゲ”は邪魔者?or珍味?
海中をフワフワ・・・ユラユラ・・・一見、優雅に見えるクラゲは結構嫌われ者なのだ。
(写真は図鑑より)
日本中の漁師の敵とも言える“越前クラゲ”を始め、土用過ぎの海に多くなるクラゲも、刺されたら一大事。
痛みと腫れで、全身に震えがくるほどだ。
クラゲが現れたら、もう海水浴シーズンは終わりになるのも、たんに海水温が低くなるだけではなく、土用波の危険と、クラゲ被害が増えるから。
水母or海月と書くが、捉えどころのない生物というイメージを持つ人が多い。
そんなクラゲの種類は多いのだが、食用に出来るのはほんの一部に過ぎない。
代表的なのは、傘の直径が30~50センチの備前クラゲだが、あの傘の直径が1メートルにもなる嫌われ者の越前クラゲだって食用になる。
中華料理などでは、珍味として前菜に使われるクラゲは、傘の部分を食用にする。
その98%が水分というクラゲは、まず石灰+明礬+塩で水分を抜く作業が大変。
水分が抜けて、嵩(量)が減ったら、さらに塩漬け。
市販されているのはこの状態だ。
調理は一晩ほど水に漬け、塩抜きをして、熱湯でサッと湯通し、氷水に漬けてから水気を切る。
邪魔者の越前クラゲが、世間で騒がれ出した頃、何か消費出来ないかと、和え物だけでなく、刺身や寿司種で食べる研究会をした。
寿司種は、シャリとネタの間に青紫蘇を挟んであることで、風味と歯触りが楽しめた。
ただ、水分を抜く作業などの手間がかかり、商業ベースに乗らず、越前クラゲは相変わらず大邪魔クラゲ・・・今冬も漁業に支障をきたすのだろう。
越前クラゲから、有効成分を取り出すことに成功した・・・という話を小耳に挟んだが、商業ベースで消費される日が来るのは何時になるのか。
食用クラゲは、一般的には、乾燥品や塩蔵品を戻して、和え物や酢の物、サラダにして食べる。
- 塩蔵クラゲ(80g)は30分ほど水に浸け、塩気を抜いて流水で揉むように洗って水気を切っておく。
- 胡瓜(1/2本)は斜めに薄切りして、それを重ねて千切りにする。
- カニ風味蒲鉾(5本)は斜め切り。
- 1~3をボウルに入れ、醤油と酢(各少々)を振りかけて混ぜる。
- 酢(大1/2)、醤油(大3/5)、胡麻油(大1/2)、マスタード少々を混ぜ合わせてソースを作る。
- 4の汁気を切って、器に盛り、食べる直前に、5のマスタードソースをかける。
※クラゲはローカロリーでヘルシー。
酒の肴にうってつけ・・・で、安心して飲みすぎる・・・。
《ば~ばの食べ物事典》を作りました。ご参考になれば幸甚。
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