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2007年8月17日 (金)

鯖、で揚げ漬け

脂が乗って丸々と肥り、口の中でトロリとするほどの秋鯖は、特有の美味しさ。Photo_392

その味を表す諺として『秋鯖は嫁に食わすな』なんて言うのがある。

そんな古い嫁いびりなど置いておき、美味しいものは皆で仲良く食べよう。

秋鯖の ずしりと重し たなごころ  桜山

一般に出回る鯖は、主に本鯖と胡麻鯖だが、秋鯖として喜ばれるのは本鯖の方。

『鯖の生き腐れ』の謂われがあるほど、鮮度が落ちやすく、その上、鮮度がおちても分かり難いのが難点。

『秋鯖の刺し身にあたると薬が無い』と言われるほど、食中毒の上位を占める。

この中毒は魚の蛋白質が腐敗してアミン質になるからだが、鯖はとくに蛋白質分解酵素の働きが強く、腐敗が進み易いのだ。

『鯖を読む』という諺も、鯖は傷みが早いので急いで数え、いちいち数の確認などしなかった・・・という説があるのだ。

鯖に限らず、魚を数えるのは時間との勝負、もたもた一本ずつなんて数えていられない・・・そこで五十集(いさば=魚市場のこと)読みという、大雑把な数え方言葉まで生まれた(五十集読み=いさば読み→鯖読み)という説もある。

鯖の鮮度は、眼を見ろ・・・と言うのだが、この時季の本鯖は、脂が瞼にまで蓄えられ、眼が乳白色になっているものもあるくらいだから、不透明な眼の色でも鮮度の目安にはならない。

丸々と身も皮も張りがあるものを選ぶことがまずは第一。

脂の乗りが良く、高級魚の鯛などとは違う独特の美味。

本鯖は初夏の産卵直後には、脂が落ちてゲッソリ痩せているのだが、根が貪食家なので、産卵後から旺盛な食欲をみせ、秋に入る頃には肥って、味も栄養も豊富になる。

旬の本鯖は締め鯖、酢の物、昆布締めなどが一番。Dsc00444

塩焼き、味噌煮、船場汁などの定番料理も、もちろん美味しい。

ピリッと唐辛子を利かせた鯖のちょい辛煮も。

かつて、海から離れた地域の人に、沢山漁れる鯖を運んで売り捌くのにも、鯖は自身が持っている分解酵素で腐り易いので、内臓を取り出し塩漬けにした。

この“塩鯖”は山間の人たちの貴重な海の幸で、とくに若狭から京へ・・・また熊野から大 和へと、塩鯖を運んだ道は“鯖街道”とよばれていた。

京都の“鯖鮨”、吉野の“柿の葉寿司”などは、その産物だ。

鮮度のいい秋鯖を締めて、上質の白板昆布で巻いた『鯖鮨』や、箱に詰めて押しをした『バッテラ』などは、関西の名物だが、最近では焼いた鯖を酢飯に乗せた『焼き鯖鮨』なども人気が出ている。

高級魚のイメージが無かった鯖も、近海物が減り、ノルウェーやオランダからの輸入物が増えた。当然、近海物の値段は高級魚に近づきつつある。

ただ、生活習慣病の予防になるAPE(エイコサペンタエン酸)が豊富なので、この一番美味しい時季にこそ食べよう。

俗に「秋茄子・秋鯖は嫁に食わすな」というのを、どちらも美味しいから“嫁いびり”のように思われるが、秋茄子には種子が無く、子宝を願うあまり・・・。

秋鯖は傷み易いので、お腹を壊さぬようにとの思いやり・・・と、解釈したらどうだろう。

鯖の揚げ漬け(2人分)864

  1. 鯖(三枚おろしの半身分)の水気を良く拭いて削ぎ切りする。
  2. 人参(小1/2本)は斜めに薄きりしてから千切り、玉葱(1/4個)は繊維に添って薄切りする。
  3. 生姜(半片ほど)は皮を剥いて千切り、万能葱(適量)は2cmほどに切る。
  4. 醤油と味醂(各大1&1/2)を合わせて、生姜を加え、漬け汁を用意。
  5. 1に薄く小麦粉を塗し、170℃くらいの揚げ油で中に火が通るまでカリッと揚げる。
  6. 5を熱いうちに4に漬け、2も一緒に漬ける。
  7. 6の上下を返しながら味を染ませ、器に盛って万能葱を散らす。

《ば~ばの食べ物事典》を作りました。ご参考になれば幸甚。

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