胃に優しい“リンゴ”の和え物
リンゴが出回る季節になった。
日本の果物では生産量がトップ。
また、品種の多様さでは世界一と言われる。
現在、市場に出ているリンゴのルーツはアメリカやフランスから導入された西洋リンゴだ。
日本には、元々、中国から伝来した野生の“林檎”があり、これと区別するために、当初は西洋リンゴは“苹果(へいか)”と呼ばれた。
『一日一個のリンゴは医者要らず』と言われるリンゴは、整腸効果も高く、塩分の排出に欠かせないカリウムも豊富。
ストレスから来るイライラを静める鎮静効果もあって、健康維持食品として知られる。
子を近く 呼び寄せてより 林檎剥く 秀子
リンゴは明治初年に106種の西洋リンゴが導入され、青森や北海道などに配分された。
ただ、当時は栽培技術がまだ未熟だったので、大半の苗木は死滅、十数種が生き残った。
その後、東北各地のリンゴ試験場などでの栽培技術向上の研究や努力と、新たに導入された西洋リンゴの苗木との交配で、リンゴの品種は本国を凌ぐまでに多様に発展した。
中でも、リンゴ王国・青森の発展の陰には、二人のアメリカ人の大冒険が絡んでいる。
昭和6年(1931)、それより四年前のリンドバーグの大西洋無着陸横断飛行に刺激された、ハーンドンとバングボーンの二人のアメリカ人が、青森県淋代(さびしろ-現・三沢)から、ワシントン州ウェナッチに向かって太平洋無着陸横断飛行を決行した。
二人は単葉のミス・ピードル号で、7400kmを41時間11分で飛んだ。
その快挙を支えた、淋代の町民たちは、飛び立つ際に、特産のリンゴ・紅玉&国光を持たせた。
二人の着陸地・ウェナッチも、アメリカ有数のリンゴ産地だ。
二人の飛行士は返礼の意を込め、翌年、ウェナッチ特産のデリシャスの穂木を送った。
この穂木を接木したデリシャスを父や母として、青森では次々にデリシャス系の美味しいリンゴを生み出し、王国の基盤が出来たのだ。
ふじ、むつ、ジョナゴールド、王林、そして世界一・・・etc。
最近“サン”が頭に付くリンゴが人気だが、サンは太陽・・・陽を浴びて育った“無袋リンゴ”のことなのだ。
因みに、アップルとは果物そのもの・・・リンゴとは似てもいないのに、パインアップル、シュガーアップル、スターアップルなどと、アップルが付くのは果物という方の意味。
暑さに胃も疲れる、サッパリした食感と、リンゴや大根おろしの整腸効果で胃に優しさを。
- リンゴ(1/4個)と胡瓜(1/2本)は1cm角切りに、ロースハム(薄切り4枚)はイチョウ切りする。
- 酢(大1&1/2)、砂糖(大1)、塩少々を良く溶き混ぜ、軽く水気を切った大根おろし(100ccくらい)を混ぜて“おろし大根酢”を作る。
- 食べる直前に1を2で和えて、器に盛り、あれば防風などあしらう。
《ば~ばの食べ物事典》を作りました。ご参考になれば幸甚。
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