大きな帆立貝柱でイタリアン
今日の多摩地区は、朝から大荒れ、大きなカミナリに何度もビビッた。
こんなカミナリの時には、PCを開けるのも考えちゃう・・・。
先日青森から届いた帆立貝、30枚以上もあったので、その夜の相模湖でのキャンプにBBQ用として15枚持参した。
あとは、紐は酢の物で食べ、貝柱は冷凍保存に。
その帆立貝も、直径15cm以上(4~5年物)のものばかり。
帆立の産卵は、春先なので、早いうちの帆立は生殖巣がペタンコで、身(貝柱)も痩せている。
初夏になると、そろそろ身も味も充実してくる。
味が良く、貝柱が大きいのは夏の帆立だ。
漢名では『海扇』と呼ばれ、日本でも『扇貝』と言う美称もある。
西洋料理では、“サン・ジャック(太陽乗っ取り?)”・・・。
フランス料理のシェフにとっても、いい素材なのだ。
帆立については、日本の古書『和漢三才図』には、「平らな方の殻を帆にして海上を走る」とある。
平らな方・・・つまり、赤茶色の方の殻が帆になるのだ。
ただ、実際には、海上は走らず、二本の噴射口から水を噴出し、その反動で海底を1~2メートルくらい吹っ飛ぶ。一晩で500メートルは移動するらしい。
波の静かな内湾の推進15~30メートルくらいの砂地に半ば埋もれるように棲息。
成長すると、殻は径・20センチ、貝の厚さは4センチにもなる。通常は25本の放射筋が見られるはずだ。
貝柱が立派なので、貝柱の料理が知られる。
優しい甘味を活かした刺身、酢の物、吸い物、揚げ物、旨煮、バター焼き、コキーュ、など・・・etc。
貝柱を塩茹でして乾燥したものは、中国では“乾貝(かんぺい)”と呼ばれ、料理の素材・出汁として欠かせない。
この乾し貝柱を水で戻し、身を崩して、油揚げや人参など加え、薄口醤油で調味、戻し汁で炊いた炊き込み飯は絶品。
帆立貝は、その柱が大きいのが特徴で、立派な柱は独特の甘味があり、刺身(とくに昆布締め)にするとその甘味が活きる。
甘味・旨味の成分、アミノ酸やグルタミン酸が豊富で、本当に甘味と旨味の宝庫といってもいい柱は、嫌いと言う人が居ないほど広く人気がある。
刺身はもちろん、酢の物、天婦羅、フライ、コキーユ・・・和・洋・中華と、どう料理しても合う。
プッタネスカ(puttanesca)と言うのは、“娼婦の~”といった意。
イタリア料理に使われる表現だが、刺激的な・濃厚なといえばいいだろうか。
赤唐辛子、ケイパー、黒オリーブ、アンチョビなどを使うのが特徴。
- まず、プッタネスカソースを作る・・・フライパンにニンニクの微塵切り(大1/2)と、赤唐辛子(1/2本)、オリーブ油(25cc)を入れて、弱火でニンニクが色付くまで炒める。
- アンチョビ(1枚)を解しながら加え、ケイパー(大1)、瓶詰めの黒オリーブ(10個)の粗微塵切りを加えてさらに炒める。
- トマトソース(市販品を250cc)とパセリ少々を入れて軽く煮詰めたら、そのまま冷ましておく。
- 生食用の帆立貝柱(4個)は、サッと湯通しして3等分に割り切り、塩・胡椒を振っておく。
- 4を3で和えて、器に盛り、少し冷蔵庫で冷す。
※プッタネスカソースは、パスタに良く合うほか、いろんな魚介にも使えるので、多めに作って小分けに冷凍保存しておくと便利。
※3のトマトソースは湯剥きした種抜き完熟トマト(6個)に、おろしニンニク(半株分くらい)、トマトペーストとオリーブ油(各少々)を煮詰めて作れる。
ところで、料理素材としては、一般的ではない内臓も、これまた捨てがたい珍味。
紐は歯応えが身上、ぶつ切りして山葵醤油で食べるのが合うが、甘辛い煮つけも、刻んで掻き揚げも、マリネやサラダもイケる。
これから充実してくる生殖巣も使い途いろいろ。
赤いのは雌の卵巣、白いのは雄の精巣。煮付け、焼き物、空揚げ・・・ちょっと人に教えたくない美味しい一品になる。
《ば~ばの食べ物事典》を作りました。ご参考になれば幸甚。
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