クルマエビの塩焼き
ということは“名月”ではなかったのだ。
本当の満月は今夜だが、仲秋を過ぎたので、これも“名月”ではない。
と言うことは、今年も“名月”は無かったのだ。
仲秋の夜に満月が来なければ、それは“名月”では無く“明月”。
最近は、この区別が曖昧になってしまって、メディアでさえ間違った使い方をしている。
名月や 池を巡りて 夜もすがら (芭蕉)
この句は、滅多に見られぬ数年ぶりの名月(仲秋に来た満月)なので、寝てしまうのが惜しいという意。
ま、どうでもいいことだが、“名月”と“明月”は文学上は違うという薀蓄でゴメン。
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車海老は、波が穏やかな、内湾や汽水域の砂泥底に棲息する、やや大型の海老だ。
成体は体長15cmほどだが、雌は時に30cmになるものもあるという。
体形は細長い円筒形で、太くて短い足と、頭に鋭い額骨がある。
生体の色は青灰色か淡褐色で、黒い縞模様があり、体を丸めるとその縞模様が車輪のように見えることから“車海老”と呼ばれるそうだ。
西太平洋、インド洋、地中海南部辺りの、熱帯から温帯の沿岸に広く分布。
日本では北海道の南部から南で獲れる。
昼間は砂泥に潜って、目だけ出しているが、夜になると採餌のために動き出す。
餌は、かなりの雑食で、藻類や多毛類、貝類、小魚、動物の死骸・・・etc。
黒鯛、マゴチ、蛸などが主な天敵(もちろん人間が一番の敵かも)。
古来より日本人は海老好き。
重要な漁業資源である車海老の研究は早くから進み、海老類ではもっとも早く養殖技術が確立された。
1年中漁獲はあるが、夏の漁獲がもっとも多い。
死んだ後は傷みが早いが、生体はオガクズに詰め、湿度を保っていれば長時間生きる。
その方法で、近年は高級食材として贈答用にも使われる。
刺し身、塩焼き、天婦羅、フライなど料理法も多い。
海老(種類は問わない)を生ハムで巻いたソテー(☜)は、生ハムの塩味と香りが海老とピッタリ。
- 頭までバリバリ食べられるよ(そんなに丈夫な歯じゃなくても多分大丈夫)。
《ば~ばの食べ物事典》を作りました。ご参考になれば幸甚。
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