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ハロウィンだ「カボチャのヨーグルトサラダ」

10月31日はハロウィンの前夜祭、クリスマスと同様イヴの方が祝われる。

ハロウィンはカトリックでいう11月1日の諸聖人の祝日なのだが、カトリックの宗教行事ではない。

前夜祭の今夜は、欧米の収穫感謝祭でもあり、また日本のお盆のような意味合いを持つ。

良く知られるのは、デッカイお化けのようなカボチャの灯入れ“ジャック・オゥ・ランタン”。

子供たちが「trick or treat(お菓子をくれないとイタズラするよ)」と家々を回って歩く習慣がある。

日本でも、最近の花屋では、ミニで黄色の飾り用カボチャを売っている。

いろんなオーナメントも出回っているし、器や皿も売っている。1047

ところで、通年市場にある南瓜。

カンボジアから渡ってきたから“カンボジャ→カボチャ”と訛化した名という。

ポルトガル語では「ボウブラ」と言うらしい。

南から来て漢字では「南瓜」と当て字されている。

同様の当て字では西から来た西瓜=スイカ。

胡の国から来て胡瓜=キュウリ・・・など、当て字で渡来の流れを知るのも面白い。

『オナゴの好きな、芋・蛸・なんきん~』の諺がある。

同じことを『芝居・蒟蒻・芋・南瓜』と書いてある場合も・・・どちらにしろ芝居以外は食べ物。

娯楽の少ない江戸時代、男たちは吉原に享楽を求めたが、女たちの娯楽は芝居だった。

大奥でも町家でも、女性たちには芝居見物が最高の娯楽。

その芝居と並び称された蒟蒻、芋(薩摩芋)、南瓜・・・いずれも外国からきた珍しいもの。

昔から、女性は舶来品に弱いのか?。

しかも、いずれもお通じに効く。女性が好む理由はその辺にもありか。

カボチャは、南瓜とも南京とも書くが、別名“唐茄子”ともいう。

大小の瘤(こぶ)が密生した縮緬南瓜(チリメンカボチャ)、縦溝が深い菊座南瓜(キクザカボチャ)などが日本代表の品種。

対する西洋カボチャ代表は、明治初年にアメリカ経由で渡って来た鉞南瓜(マサカリカボチャ)・・・皮が硬くて、マサカリでなければ割れないくらいと、この名が付いた。

しかし、皮は固いが日本南瓜よりホクホクとして甘い、別名“栗カボチャ”という。

Dsc01645 因みに、胡瓜のように細長い“ズッキーニ”も、南瓜の一種なのだ。

カボチャは、煮物だけでなく、炊き込み飯、汁の実、天婦羅、炒め物(☜)コロッケ(☜)などに。

裏漉しして、スープやプディングにも使う。

種を塩煎りしたものは、洋酒のツマミに最適だ。

カボチャのヨーグルトサラダ(2人分)1185

  1. カボチャ(約300g)は種とワタを除いて、2~3cm角に切り、水から入れて柔らかく茹でる。
  2. 茹で汁を捨てて、鍋を火にかけ水気を飛ばす=粉吹き芋の要領。
  3. 熱いうちに、塩少々と酢(大1/2)を絡めて下味をつける。
  4. 玉葱(1/4個=50g)を薄切りにして、冷水に晒し、水気を絞っておく。
  5. ツナ(1/2缶)は油分や汁気を切って、粗く解す。
  6. 3、4、5を合わせ、ヨーグルト(50cc)、塩・胡椒・ナツメッグ(各少々)を加えて混ぜ合わせる。
  7. 器に、グリーンカール(サラダ菜やレタスでもOK)を敷き、6を盛る。

ハロウィン用に、カボチャ型の器を買ったが、食べにくい器・・・スープも飲みにくい・・・失敗の買い物。

明日は《寿司の日》だ。

《ば~ばの食べ物事典》を作りました。ご参考になれば幸甚。

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からし蓮根を作ってみる

蓮根が旬なので、好物の“芥子蓮根”を作ってみようと奮起!

以前は、鹿児島の知人が送ってくれたが、その方が亡くなって去年から食べてないのだ。

ネット注文も考えたが、昔、取材した時のメモを頼りに、自分で作ってみることにした。

さて、年中あると思われている蓮根の旬は秋。

Dsc02876 夏場にお盆用の促成栽培が店頭に出るが、通常は秋の味覚なのだ。

顔から頭まで泥んこになって蓮根を掘る作業は、なかなか骨の折れる重労働。

蓮根は美しい花を観賞し、実も食べられる。

その上、地下茎(蓮根)も美味しく食べられるため、大昔から栽培されていた。

栽培される蓮田によって、多少の違いはあるが、一般的に乳白色でよくふくらんだ下の方の1~2節が美味しく、上部の細長い部分は少し味が劣ちる。

黄色や褐色のものも避けた方がいい。

皮を剥いたら、アク止めに薄い酢水に入れ、こまめに水を替える。

994穴があるので、先の見通しがいい・・・というので、祝い事の料理に欠かせない。

五目寿司の具、精進揚げ、酢の物、キンピラ、煮物などにするが、煮物は一度炒めてからの方が味が浸みコクがでる。

こんな焼酎(☜)(→)も造られている。

芥子蓮根には、白身魚のすり身が要るが、これは市販のすり身で代用出来る。

烏賊や、海老が混じったすり身でも、たぶん大丈夫だと思うが(無責任なので、断言はしない)、ただ青背の魚(鰯や鰺)は合わないと思う。

自家製からし蓮根(中1本分)010

  1. 蓮根(200gくらいのもの)は、皮を剥いてサッと茹で、水気を切る。
  2. ボウルに白味噌(100g)、練り芥子と白身魚のすり身(各30g)を良く混ぜ合わせて、“芥子味噌”を作る。
  3. 蓮根に小麦粉をまぶし、穴にも小麦粉を振っておく。1027
  4. 蓮根の穴を芥子味噌に押し付けるようにして、穴に芥子味噌を詰めるが、何度も押し付けて穴の奥まで芥子味噌が入るようにする(不安なら箸などで押し込もう)。
  5. 水で溶いた小麦粉に蓮根を浸け、粉カツオ(カツオ節の粉状のもの)を全体にまぶす。
  6. 160℃の揚げ油で、5を揚げる。
  7. 5mm幅くらいに切り分けて盛り付ける。

※歯触り、旨味、風味・・・肴にはもってこいだ。

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生の落花生で炊き込み飯

そろそろ、薩摩芋の“芋ほり農園”も畝の残りがなくなっている。

そして、そんな時季には新物の落花生が時季になるから、落花生堀りに行った。

一般的に“ナッツ”とは、木の実や草の実、果物も含めての総称。Dsc02808

しかし、“ナッツ”として一番普及しているのはピーナッツだろう。

ただ、このピーナッツは、ナッツと呼ばれながらも、実は地上に実らず、地下に莢を作るのだ。

豆科の一年草本で、花はふつうに地上に咲くが、受粉すると子房の基部分が長く伸びて地中に入り込み、そこで結実する。

それで“落花生”とか“地豆”と呼ばれる。

亡くなられた歌人の塚本邦夫先生は、自他共に認める落花生好きだった。

この子房が伸びて地中に入り込む様子をご覧になりたいがために、大阪のご自宅の前栽畑に落花生を植えられ、観察されたそうだ。

金色の花が午前中に咲き、午後には花が落ちて子房が脹らんでくる。

翌日にはちゃんと子房の基部分が伸びて、子房が地中に潜っているのに、その瞬間は真夜中だったのか、一度も現場は押さえられなかったと・・・。

いかにも残念そうに、子供のような眼差しで、私に語ってくださった。

落花生の鮮黄の花あすは地の底にゆたけき夢はぐくまむ

と、これは先生が詠まれた、落花生の歌だ。

黒川の農園に落花生堀りに行った、一株100円で五株から・・・掘れる。

写真の左は落花生の畑、中央は茎株を土から引き抜いた後。1139 1137_3 Photo_2

落花生の原産地は南米、16世紀にアフリカ・ギニアに渡り、19世紀初頭にフランスに伝わった。

それより少し早く、ポルトガル人が熱帯アジアに持ち込み、中国を経て18世紀初頭に日本に入った。

ただ、この時は入ったというだけで、実際に栽培が始まったのは明治7年、アメリカからの種子から。

別には“南京豆”とも呼ばれるが、最初の豆が中国を経て渡来したからだ。

ラテン名は、ペルシャの一地方名と同じ“アラキス”。

掘りたての落花生は茹でて食べるのが美味しい。

細い蔓を切って、良く洗ったら、熱湯に入れて30分、ジックリ茹でると、香り良く甘く柔らかに茹で上がる。

一度に茹でて冷凍しておくとOK。

落花生ご飯1136 1141 1140

  • 生の落花生の殻を取り、薄皮は付いたままでも構わないが、キレイさに拘るなら剥く(布巾でこすると直ぐ剥ける)。
  • 米を規定の水加減にして、昆布と塩少々(それだけで充分)に剥いた生の落花生を入れて炊く。
  • あれば、胡麻塩など振って食べる。

Dsc02804ふだんのツマミには、左の袋の落花生が私のお気に入りNo,1。

『食べ過ぎると、鼻血が出る』と言われるくらい、栄養価が高い。

日本では、千葉県が主産地で、とくに八街が有名だ。

炒り豆で食すのが一般的だが、擂り潰して和え物やピーナッツ豆腐にするのもいい。

菓子の材料にしたり、ピーナッツバターで香ばしい風味を楽しむのも・・・

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塩のいろいろ

人間は海から生まれた・・・という説があるくらい、塩は人間の生命維持に欠かせない。

塩は、簡単に言えば、塩化ナトリウムを主成分とする、海水の乾燥や岩塩の採掘などに拠って生産される物質。

調味料や保存料として使用されるが、食用以外に融雪・融氷や、工業用にも使われる。

765 世界で使われる塩の約6割は岩塩、4割弱が海水の天日製塩(天日塩)だ。

ただ、残念ながら、日本には岩塩どころか天日塩もほとんど無く、塩の自給率は15%と低いままだ。

因みに岩塩は、大昔に海だった土地が地殻変動で地中に埋まり、結晶化した地層が隆起して地上に現れたもの。

天日塩は海水を塩田に入れて、天日で乾燥させたもの。

ただし、天日塩は汚染された海水の危惧もあるために、食品衛生上では生での使用は適さない。

写真の右は、もっとも古来の製法に近く、自然の塩の味わいを活かした吉川水産で売られているもの(焼き魚にはピッタリ、魚介の天婦羅にも)。

写真中央は、漬物や茹で野菜などに使う普段用、左端は天然岩塩で、肉料理に。

岩塩も、ほとんどは一度溶かしてから、煮詰めなおして精製される。1015

いずれにしろ、衛生上からも効率からも、製塩は古来から煮詰めて作る方法が採られた。

『万葉集』などに出てくる、「藻塩焼く・・・」とか「玉藻刈る・・・」などの枕詞は、波打ち際に打ち上げられた海藻が、天日に干されて表面に塩の結晶が付いたところを集め、ここから塩を取り出す作業を言っているのだ。

人間の生存に欠かせない塩は、世界中で政治的に経済的に重要とされてきた。

塩が権力や戦争にも影響したことは、歴史のあちこちに見られる。

武田信玄と上杉謙信の戦いでの《敵に塩を送る》の伝え・・・。

『忠臣蔵』の赤穂藩は、塩から得る財力で、吉良上野介に睨まれたとも言われる。

明治時代になってからは、専売制の導入で、政府の財源確保を狙った。

こうした塩の政治的歴史はさておき、塩は“sal”、古代ローマでは給料を意味する「salary(さらりー)」になり、野菜に塩を振って食べる「salad(さらだ)」になった。

客商売の玄関先の“盛り塩”、由来は中国の始皇帝が牛車で宮領地を巡る時、多くの愛妾たちは門口に、牛が好んで舐める塩を盛った。

疲れると動物は塩を欲する・・・だから車を引く牛の足も止まる・・・その由来から、昔の道中旅館は、玄関先に“盛り塩”をした。

その他にも、清めの塩もある。

さて、料理では、魚料理には海水からの天日塩、肉料理には岩塩・・・と言われる。

268我が家にも、数種類の塩があるが、今夜は鮪のカマを焼こうと思っている。

これは魚なのだが、通常の魚の塩焼きとは違う。

このくらいの素材になると、スペアリヴなど焼くのと同様で、岩塩がいい。

今夜の魚は、先日のモズクと一緒に吉川水産の通販で買ったデッカイ“鮪のカマ”(¥500/2個)・・・(他に買ったものは、おいおい紹介)。

生臭みを抜くのに、しばらくを少し入れた酒に浸し、それを拭いてから改めて岩塩を振って、オーブンで30分ほど焼いた。1135

塩が味を決め、コラーゲンを感じる旨味たっぷり。

それにしても大きくて、二人で1個で満足~。

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新蕎麦の時季

皆様、昨夜は寂しい気持ちが先立って、お気遣い頂きすみませんでした。

今日は、娘のマンションで、孫と話したり、ベッタリ昼からいままで一緒にいて、いろんな話をしながら、それぞれに出発の気持ちを固めました。

さて、そろそろ新蕎麦が打たれる季節。

「新蕎麦入荷」の立て旗、看板に眼が走る。

蕎麦はそのまま蕎麦米として、雑炊やスープなどで食べることもあるが、挽いて粉にして伸して切る・・・いわゆる“蕎麦切り”(下の写真・左)でたべる。

細い太いは別に、手打蕎麦が特に香り良く美味しいのもこの時季。

あとは粉を熱湯で練り混ぜ、汁に浸して食べる“蕎麦掻き”(写真・右)、“蕎麦煎餅”“蕎麦クレープ”なんていうのもある。Photo Dsc03529

蕎麦は世界中で栽培され食べられているが、原産はシベリアからインドに至る辺りと思われる。

日本のように麺類にして食べるのは、フランス、イタリア、中国、韓国、北朝鮮、ネパールなどだが、麺の製法がそれぞれ異なる。

韓国や北朝鮮では冷麺のような(トコロテン式に)押し出す法。

イタリアは、のし棒で成形するピッツォッケリなど。

麺のように食べるほかでは、団子状や腸詰・・・茹でるほかに焼くことも。

栄養的にはルチンが知られるが、蛋白質はアミノ酸スコアと必須アミノ酸が豊富。

ただ、アレルギー物質も含むので、特定原材料として使用の表示が義務付けられている。

とくに江戸では信州蕎麦が一番と言われ、晩年に故郷の信州に戻った小林一茶の存在も、その名を広めることになったと思う。

蕎麦の花 江戸の奴らが何知って

と、これは江戸での逆境をぼやいたか・・・。

故郷や 酒はあしくも 蕎麦の花

蕎麦どきや 月の信濃の善光寺

そして、次の句はあまりにも有名。

信濃では月と仏とおらが蕎麦   (一茶)

各地に蕎麦の名所があるくらい、日本人は蕎麦好き。

そばだけで際限の無いくらいのメニューがある。Photo_2 096

Photo_3 太いの細いの、暖かいの冷たいの、乗せる具材も・・・好みがそれだけ分かれるのが蕎麦。

そして、何と言ってもこの一年を“年越し蕎麦(☜)”で、締めくくるお国柄なのだ。

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カワハギの煮付け

秋も本番になってくると、冬にむかって“カワハギ”が本当に美味しくなる。Photo

菱形に近い体形で、左右に扁平、全身が灰褐色の厚い皮で覆われて、あまり見栄えは良くない。

魚形も美しいとは言えず、目付きも良くないのだが、おちょぼ口の慎ましいところが愛嬌。

見た目はイマイチでも、河豚にも似たいい味の魚で、釣り魚としても人気がある。

ザラザラした皮を剥いで料理するから、“皮剥(かわはぎ)”とそのままズバリの名。

しかし、浜松辺りでは、口が小さく締まっているからと“キンチャク”と呼ぶそうだ。

大阪や高知では、なんと“ハゲ”。鳥取辺りでは、身ぐるみ丸裸にされるからと“バクチウオ”・・・可哀想だが笑っちゃう。

肉質が締まって、肉離れもいい、しかも淡白で品のいい味。Photo_352

薄造りの刺身、椀種、フライ、ムニエル、煮付け、ちり鍋・・・と、どれも美味しいが、肝が絶品なので、必ず肝を使う。

肝和えや、煮肝などの味は格別だ。

仲間のウマズラハギと煮ているので、ウマズラハギの皮を剥いて、カワハギとして売っていることもあるが、やはり味は劣る。1111

カワハギの名の通り、皮はスルッと(ちょっと力は要るが・・・)剥がせる。

身に包丁目を入れて、甘辛く煮付けて美味しかった。

カワハギの煮付け1120

娘婿が11月1日付けで転勤する。

この春に小学校に入学したばかりの孫は、お友達と別れるのが寂しい・・・楽しんでレッスンしていたバレエやピアノ、スイミングなどの教室にいけないのがイヤ、と落ち込み涙ばかり。

転勤者の家族の悲しみや苦労は、私も娘も重々承知だった。

生まれて間もなくから、父親の転勤先に連れ歩かれた娘も、愛する人と結婚する時は、彼が転勤のある企業に勤める身であることは承知で、やがてこの日が来ることは覚悟していたはず。

その娘も、小学校一年生にして半年で転校、その後義務教育だけで5度の転校をした経験がある。

だから、覚悟はしていても、泣く我が子の気持ちは痛いほど分かるのだ。

今までは、近場の移動で、何とか引っ越さずに彼が無理して来たが、今度はそうはいかない。

行った先でも、孫のレッスンは新しい教室が見つかれば続けられる。

ただ、大人しい控えめな子だけに、新しい友達がすぐ出来るか・・・環境に馴染めるか・・・娘よりバァバの方が、泣きたくなるほど心配なのだ。

なにより、横浜に居てさえなかなか逢えなかったのに、遠く離れたら・・・寂しいよ。

転勤者(夫)に娘(私)を嫁がせた、先日逝ったばかりの母の気持ちがシミジミ~分かった。

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“モズク酢”と鶏手羽のジックリ煮

海雲と書いて“モズク”と読む。

波にユラユラと雲のように煙って見えるのだろうか。

1129沖縄が主流だが、日本海の細いモズクは通人に定評がある。

吉川水産の案内メールで、この貴重な《青森産モズク(¥3,000)を注文。

ページでは三陸産のモズクとして載っているが、三陸(岩手以北)は日本海側のもずく同様に細く希少なのだ・・・。

それにしても、この細さと、シャキッ・コリッ・ツルッ・・・の食感がたまらなくいい。1132_2 Photo

右の木の芽が乗っているのが青森産、左のミツバが乗っているのが沖縄産。

細さやシャキッ感が分かるだろうか。

トロリと喉に流れ込む磯の香りで、好む人が多い。

塩蔵品や乾燥品の普及で、今では一年中食べられるが、冬から春にかけてが繁茂期。

太平洋側では2~3月、日本海側では5~7月に収穫される。

今回は冷凍品だが、モズクは冷凍しても質感は変わらない。

解凍して洗ったモズクに下ろし生姜を添えて酢の物にすることが多い。

最近はオクラ、長芋、納豆などネバネバとの組み合わせも流行っている。

烏賊や蛸、鮪など魚介との組み合わせもいける。

汁の実、天婦羅、雑炊もなかなか美味しいものだ。

かの魯山人も“モズク”雑炊が好物だったと、秘書だった平野雅章先生が仰っていた。

さて、今夜の主菜は鶏手羽と大根の煮物。

鶏の手羽先は、安くてコラーゲン豊富な嬉しい食材。

大根(☜)と干し椎茸(☜)と一緒に煮込んで、大根に旨味がジックリ染みる、定番にしたい惣菜だ。

鶏手羽先のジックリ煮(2人分)560

  1. 手羽先(6本)は、先端を切り落とし、骨に沿って裏に切り目を入れる。
  2. 大根(200g)は乱切り、干し椎茸(小3枚)は微温湯(150cc)で戻して軸を切って半分に切る。
  3. 大根の葉(適宜)は、沸騰した湯で色よく茹でて4cmくらいに切る。
  4. 胡麻油で1をコンガリ炒め焼き、2と椎茸の戻し汁、チキンスープの素(小1/2)、ケチャップ(大1&1/2)、オイスターソース(大1/2)、水(200cc)を加えて、汁気が無くなるまでジックリ煮る。
  5. 器に盛って、3を添える。

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石榴(ざくろ)の思い出

塀越しに、大きな石榴の木が見えるお宅がある。

先ほど散歩で通りかかったら、「ご自由にお持ちください」と札を立てて、石榴の実が入った笊が置いてあった。

そこを通る度に、大きな実に見とれてはいたが、笊にはすでに2個しか残っていない。

2個とも頂きたかったが、私と同じように、この実を見上げていた人が居たかも知れない。

1123 そう思って、1個だけ頂き、奥に向かって頭を下げてポケットに入れた。

この実の由来は、紀元前114年以前に前漢国の外交官として活躍した張騫(ちょうけん)が、西方から持ち帰った・・・その西方の国が《安石国》。

瘤のような実が生る木があって、その実を持ち帰ったので“安石榴(あんせきりゅう)”と名づけた。

それが詰まって“石榴”になり、それが今に至っている。

原産は、ペルシャ(イラン)を中心にした地域で、学名はプニカ・グラナトゥム。

グラナトゥムは粒状の意で、まさに石榴の実・・・スペイン語ではグラナダ。

アルハンブラ宮殿のある、あのグラナダ市は、3個組み合わせた石榴の実が市の紋章になっている。

宮殿の庭園はもとより、街中至るところに石榴の木が植えられている街・・・「あぁ、グラナダなんだなぁ」と感慨深くなる風情溢れる街だ。

秋が深まり、果物店の奥に、大きな石榴が並べられると、私には忘れられない貴重な思い出が蘇る。

石榴の実は、甘くほのかに酸っぱく、香りがいいのだが食べ難い。

1124好きな人は「種ごと食べちゃえばいいんだよ」と、こともなげに言うが、私はクチュクチュと汁を啜った後の、口中に残った種は飲み込めず出していた。

ある日、評論家の故・古波蔵保好先生のお宅で、真っ赤な芳香のあるジュースを頂いた。

「あ、石榴?」「よく分かったね、石榴を絞ったんだよ」

「先生が?」「そう、僕が・・・美味しい物を頂くためにはマメなんですよ」

先生が教えてくださった作りかたは、手で四つくらいに割った石榴から、潰さないように赤いルビーのような粒を取り出す。

それをボウルに入れて、小さな擂粉木のような棒で、丁寧にゆっくり潰していく。

溜まった汁を濾し器に通し、残ったかすは布巾で絞って、ジュースが完成・・・と。

ワインより美しい、宝石のような色のジュースは、甘さも濃厚で、かすかな酸味が爽やか、独特の香りは夢心地にさせる魅力がある。

「潰す時に、白いシャツは危険なんですよ(汁が撥ねるから)」

先生は笑って、大きなコップになみなみとその貴重なジュースをご馳走してくださった。

1個の石榴から出来るジュースは微量だろう。

そのコップには何個分の石榴が、面倒な作業を経て、ジュースになって入れられたのか。

日本一ダンディな文化人と、誰しもが認める先生は、奥様も著名なデザイナーだったこともあろうか、お洒落な老紳士(憧れていたんだ~私)。

その先生が手ずから、一粒一粒を外し潰し濾された“グラナディン(石榴)・ジュース”、この上ないもてなしを頂いたと体中に染みた。1127

お子様がいらっしゃらない先生は、私の亡き父と同い年。

それを知った先生にも、奥様にも可愛がっていただいて、何度もお食事にお供したのに、この《グラナディン・ジュース》が、何より心に残っている。

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牡蠣のオーブン焼き

いまから、どんどん美味しい時季になる牡蠣。

“牡蠣”は、あの『グリコ・キャラメル』の名コピー「一粒で300メートル」の原点なのだ。

牡蠣の主栄養素は、グリコーゲンやコハク酸、アミノ酸の一種・グリシン。

グリコの創業者が牡蠣から抽出したグリコーゲンをキャラメルに加えて、『グリコ』と命名、疲労回復・体力増強を、あの名コピーとランニングする男性キャラとで、広くアピール。

海のミルクとも言われる完全食品“牡蠣”は、そのグリコーゲンをたっぷり含む。

ほかには、ビタミンA・B・Cも豊富で、牡蠣を100g食すと、一日に必要な蛋白質の2/3、カルシウムの1/3、リンは全量、鉄分やヨードは4倍も摂取出来る。

さらには、中高年には欠かせないタウリン、生活習慣病予防や視力向上を助ける。

こんなに優秀な食品だから、各国で古くから愛されている。

ヨーロッパでは、牡蠣を求めて戦が起きたとまで言われているのだ。Dsc03354

シーザーも、ナポレオンも、大の牡蠣好きだったと言われているから、彼らの侵攻が、後世で「牡蠣を求めて故」との一説を生んだのも頷ける。

シーザーやナポレオンが、牡蠣好きなら、彼らの愛人・クレオパトラやジョセフィーヌも、牡蠣を食したに違いない。

美しく若さを保った美女は、牡蠣を食べなくっちゃ!!!

日本でも、牡蠣は縄文時代から食され、貝塚から牡蠣殻が沢山出土している。

奈良時代に、天女のような美人と言われた、允恭(いんぎょう)天皇の后の妹・衣通姫(そとおりひめ)は、伊予の国(愛媛県)に流された恋人を想って、

夏草の あいねの浜の 蠣貝に 足踏ますな あかして通れ

と、『古事記』に詠っている。

自分は行ったこともない伊予の国が、牡蠣の生息地で、岩場に牡蠣殻が張り付いていることを、宮廷に居ながらにして精通しているほど、すでに牡蠣は献上され、貴族に好まれ食べられていた。

平安時代には、貴族は牡蠣の産地にまでこだわり、伊勢の国(三重県)から王朝に献上させたと文献『延喜式』(927年)に記載がある。

牡蠣には、レモン汁の酸味が良く合う。

柑橘類のビタミンCやクエン酸は、牡蠣の味を引き立てるだけでなく、栄養の利用効率を高める。素晴らしく理想的な組み合わせだ。

牡蠣のフライやパン粉焼き、酢の物、ベーコン巻き焼き、土手鍋・・・どう食べても美味しい。

牡蠣のオーブン焼き(2人分)965

  1. 牡蠣の剥き身(130g)は、塩と片栗粉を振って揉み、サッと水洗いして汚れを流す。
  2. ニンニク(1片)は包丁の腹で叩いて潰し、粗めの微塵切りにする。
  3. ボウルに1と2を入れ、塩と黒粒胡椒・紹興酒・酒(各少々)を加えて、サッと返して下味をつける。
  4. 3を天板に並べ、200℃に熱したオーブンで約10分焼く。
  5. 紫玉葱(1/4個)は水に晒して、しっかり水気を切り、あれば牡蠣の殻に盛って、4を乗せ、香菜を添える。

たまたま殻付き牡蠣を生食したら、その殻は取っておこう。

こんな時に使え、豪華に見える。

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銀杏の宝袋煮

母が亡くなって2週間余、直後は自分でも「私は冷たいのかなぁ」と思うくらい、悲しい時間が早々と通り過ぎ、なんの惑いも無く日常が戻った・・・。Dsc01076

と思っていたのに、今頃になって眠れない。

見舞いに行く回数が重なり、その度に医師からは次の手術が言い渡される。

母の体が手術の繰り返しで痛んでいくと、「もう、そろそろお父さんの許に行って」なんて、間もなく逝くだろう母に、冷たく残酷な思いが頭をかすめたことも何度かあった。

このところ毎晩、ウトウトすると胸がギュッと締め付けられるように苦しくなって、眠りを妨げる。

でも、考えていても、日常は動き移り巡る・・・最期の頃、母が胃に穴を開けると告げた時に、泣きそうな目をして首を横に振った。

それが、私の心を慰める。あまりに傷だらけにしないで良かったかと・・・。

母はいま父の許で安らいでいると信じて、自分の心を軽くするしかないだろう。

*************************************************

1121 もやもやの気持ちを吹っ切ろうと、マグロ君様が以前から推奨の映画《長州ファイヴ》を観た。

私が行きつけのシアターでは上映が無かったので観そびれていたが、かなり遅れてのDVD鑑賞だ。

若者の心は、革命や改革でこんなにも燃えるのか。

命を賭して国を思い、初志を貫くその心の強さ。

私は“安保闘争”の世代、燃える仲間をたくさん見てきた。

私自身はノンポリだったが、友人の多くが学生運動に命の火を燃やしていたのだ。

学生運動の後半は、世論の支持から大きくそれて、改革より単なる大事件(テロ)に暴走した者たちもいたが・・・純粋に日本の未来のために、理想を掲げて闘った学生たちも大勢いたのだ。

昨今の若者の、命を賭けるものが見え出せない苛立ち・・・革命や学生運動を支持するのではない。

ただ、国家や政治に限らず、自己改革でもいい、燃えるものがあり、それに命を張る若者は輝く。

忘れていた“生きる熱”を思い出した。

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昨日買った銀杏があるから、銀杏の料理が続く。

銀杏を入れた袋煮。

袋はもちろん“油揚げ”、宝袋のように何が入っているか楽しみなのが嬉しい。

銀杏入りの宝袋煮(2人分)960

  1. 油揚げ(2枚)は半分に切って、麺棒などで転がして袋に作りやすくして、熱湯に10分ほど茹でてから水に取り、切り口を下にして絞る。
  2. 豆腐(1/4丁)は、ザルに乗せてタイラな皿などを重石代わりに水切りする。
  3. 干し椎茸(2枚)は微温湯で戻し千切り、人参(3cm)と生姜(1/2片)も千切り。
  4. 白滝(1/2玉)は、洗って食べやすい長さに切る。
  5. ボウルに2を潰して入れ、3と4、そして豚挽肉(好みでOK=50g)を加えて混ぜ、醤油少々を入れてさらに混ぜる。
  6. 5を4等分し、銀杏1~2個と、1に詰めて口を楊枝で止める。
  7. 鍋に出汁(200cc)、醤油と酒(各大1)、砂糖と味醂(各大1/2)を入れて煮立て、6を並べて入れ弱火で15分ほど煮込む。

今日は来客の予定があったので、3人分作っているが、分量は2人分に直している。

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銀杏と茸たちで秋の炊き込み飯

銀杏を買った。

銀杏はイチョウの実ではあるが、イチョウの木を、銀杏と書くのは間違いなのだ。Photo_332

イチョウは公孫樹で、その木に付く実が銀杏。

公孫樹の葉が黄金色に染まると、地面には落ち葉とともに、たわわに実っていた銀杏が落ち始める。

公孫樹の木は、雌雄異株で、銀杏が生るのは当然ながら雌株だ。

いわば胚乳にあたる銀杏は、白く固い殻に包まれ、それを果肉が覆っているのだが、この果肉は熟すと独特の異臭を放つ。Photo_333

熟して異臭を放っている果肉に直接素手で触れると、かぶれるので要注意だ。

集めた実は、数日間土に埋めておくか、容器に被るほどの水を入れて浸けて置くと、自然に果肉が取れる。

洗って乾燥させ、殻を割って種を取り出す。

去年は街路樹の公孫樹から実が落ちるのを待って、たくさん拾ったが、庭の無い我が家では、ベランダが臭う。

挙句、ちょっと皮膚被れしたので、今年は買ってきて済ますことに・・・。

殻を取った銀杏は、炒ったり、塩茹でして使うが、新しい銀杏の鮮やかな翡翠色が美しい。

ほのかな苦味があり、もっちりした大人好みの味。

土瓶蒸しや茶碗蒸しに散らすと、秋らしい風情を演出する名脇役になる

新米とキノコたち、秋の味覚を集めて炊き込みご飯を。

銀杏とキノコたちの秋の炊き込みご飯(2人分)1106

  1. 舞茸(50g)とシメジ(30g)は食べやすく解し、エノキ茸(30g)は長さを半分に切る。
  2. 洗った新米(1カップ)に、水(1カップ)、醤油(大1/2)、塩少々を入れて混ぜ、1を乗せて普通に炊く。
  3. 銀杏(5~6粒)を茹でて半分に切り、海苔(1枚)はパリッと焼いて揉む。
  4. 2が炊き上がったら銀杏を混ぜて器に盛り、海苔を散らす。

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キビナゴは刺し身で

キビナゴが出てきた。

キビナゴ、漢字では“黍魚子”と書く。Photo_335

“黍”と言えば、玉蜀黍(とうもろこし)のことだが、この場合は何も関係が無い。

体の両側に銀青色に輝く帯状の模様があるが、主産地の鹿児島では“帯”のことを「きび」と言い、小魚であるから“きび(帯)魚子”。そのキビに当て字が付いて“黍魚子”となったらしい。

ウルメイワシ科で、体調10センチにも満たないくらいの小さな魚。

房総半島以南の広い範囲で漁獲されるが、九州もとくに鹿児島、熊本、長崎での漁獲量が断然多い。

各産地で郷土料理があるが、鹿児島のキビナゴ刺身は著名だ。

手開きして皮を引き、皿に菊花のように丸く盛り付け、ポン酢醤油や生姜醤油、酢味噌などで食べる。 1116_2

イワシの仲間だけに、鮮度が落ちやすく、生干しか干物しか出回らなかったが、最近は空輸もされるようになり、東京や大阪の都市部でも、パック詰めの刺身が買えるようになった。

郷土料理としては、天草辺りのキビナゴ鍋、鹿児島のキビナゴ鮨も知られる。

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蕪と厚揚げの煮物

Dsc03072 蕪や大根などの根菜が美味しい時季になる。

寒くなってくると、蕪の甘味が増して美味しくなる。

ところで、蕪は、その色・形などから、大根の仲間だと思っている人が案外多い。

よく似てはいるが、同族どころか親戚筋にも当たらない。

蕪の親戚は、“白菜(☜)”や“京菜(☜)”。

蕪の原産地は北欧、2000~3000年も昔から栽培されていた。

一般的には、球形で白いものが多く見られるが、大根のように長いものもある。

色も白とは限らず、赤色(飛騨地方の赤蕪漬けは美味しい)、紫色、青色(私はまだ見たことが無い)もあるそうだ。

地方により、特殊な品種が作られていて、いろいろな名物漬物になっている。

代表的なものでは、聖護院、天王寺、近江、伊予緋、日野などが知られる。 Dsc03211_1

二十日大根(ラディッシュ)(☜)と言うのも、大根とは言いながら、実は小さな蕪なのだ。

どの蕪も、多くは漬物にされるが、煮物やサラダもいい。

蕪を摩り下ろして、海老や牡蠣などを入れた器に流し、蒸すと上品な一品になる。

蕪と厚揚げの煮物(2人分)955

  1. 蕪(2~3個)は、茎を1~2cm残して切り落とし、皮を剥いて縦に四つ切り、葉わ細かく刻んでおく。
  2. 厚揚げ(1枚)は、煮汁が染み易いように、竹串で表面に数箇所の穴をあけ、縦半分に切ってから1cm厚さに切る。
  3. 鍋の中を濡らして、1の蕪と2を平に均し並べ、上に1の葉を乗せる。
  4. 3に水かあれば煮干出汁(100cc)、酒と味醂(各大1/2)、薄口醤油(大1)を加えて、蓋をして強火にかける。
  5. 煮立ってきたら強めの弱火にし、10分くらいコトコト煮込む。

※冷めて味が染みるとさらに美味しい。

(☞)蕪は油揚げと煮ても煮ても美味しい。

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菊花と春菊、えのき茸の煮浸し

食用の菊花の食感が好きだ。Dsc02917

春の桜と並び、秋を代表する花が菊。 中国原産で、奈良時代に日本に持ち込まれた。

平安時代でも、菊はまだ珍しい花で、貴族社会では延命長寿の薬草とされ、重陽の節句(旧暦9/9)には、酒に浮かべて飲み干した。

華やかな花は、太陽にも喩えられ、『日章』と呼ばれ、高貴な花=百草の王とされた。

皇室のご紋章となっていて、明治2年8月24日以後は、一般人が家紋や商標に使うことを禁止。皇室ご紋章の菊は十六葉八重表菊。

菊の花の観賞が一般的になったのは、鎌倉時代頃からで、江戸時代には品種改良が盛んになり、菊人形や展示会などで、菊の美しさを競い合うようになった。

そうなると、花の丹精に夢中になるあまり、仕事を忘れる愛好者が続出。

『菊作りは、罪作り』と言う諺まで出来た。

どの菊も、一応は食べられるが、食用として改良され栽培されたものは、“甘菊”と呼ばれるだけに、苦味がなく花弁も厚く、香りがいい。

青森産の阿房宮(八重黄菊)、山形や新潟産の延命菊(淡紫菊)&モッテノホカなどが有名だ。

生の他、蒸して平にして干した“菊のり”にして出回る。

菊の葉は天婦羅に。花はお浸し、酢の物、天婦羅、和え物、汁の実、菊飯や菊粥などにする。

花を焼酎に漬けた薬酒は、眩暈、頭痛に効果があるそうだ。

香りのいい風雅な食材。

菊花と春菊、えのき茸の煮浸し(2人分)1029

  1. 1028 黄菊花(3輪)は薄い塩水に5分ほど浸け、振り洗いしてから花弁を摘み、酢を少量加えた湯で5秒ほど茹でる(笊に入れて茹でると、引き上げる時に便利)。
  2. 春菊(1束)は、軸を除いた葉を、たっぷりの熱湯で茹でて冷水に取り、冷めたら水気を絞ってザク切りする。
  3. えのき茸(1袋)は、石突きを切り落とし、長さを3等分に切ってほぐす。
  4. 鍋に出汁(100cc)、薄口醤油と味醂(各大2/3)を入れて温め、3を加えて一煮立ちさせ、火を止める。
  5. 4が冷めたら、1と2を加えて味を馴染ませる。
  6. 器には汁ごと盛って、酢橘(適宜)を搾って食べる。

※黄菊花は買ったら1パックを茹でてしまい、使う分を取り分けたら、冷凍保存しておく。

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胡麻たっぷり豚肉揚げ

990 ゴマはインド、もしくはエジプト、あるいはアフリカが原産と言われ、はっきりしていない。

というのも、その歴史があまりに古いかららしい。

日本には中国西域の胡国を経由して伝わった・・・だから胡がつく。

あまり栽培に適地を選ばない上、手間もかからない植物だ。

乾燥には強いが、多雨が苦手で生育が遅れる。

暖かな地方なら、5~6月頃に種を蒔き、9月頃には収穫できる。

莢の中の種子を、洗って乾燥させ食用にする。

種皮の色で、黒ゴマ、白ゴマ、茶ゴマ(金ゴマ)に分けているが、栄養的な違いは無い。

洗って乾燥したものは“洗いゴマ”と呼ばれるが、この状態では種皮も固く、香りもよくないので、通常は煎って“煎りゴマ”にして使う。

さらに料理に拠っては、煎りゴマを切りゴマや擂りゴマにして用いる。

種子の含油率が50%以あるので、ゴマのままで使われる量より、搾って油に加工されることが多い。

ゴマの脂質にはオレイン酸、リノール酸が豊富。

蛋白質も豊富で、リグナンというポリフェノールも含まれる。

とにかく栄養的にはすぐれた食品だが、「胡麻を擂る」とか「胡麻擂り野郎」などのように、いい意味ではない言葉にも使われる。

「胡麻擂り」の意味は、都合次第で誰にでも迎合し、へつらって自分の利益を計る・・・なぜ、すぐれた食品にこんな言葉が生まれたのか。

『大言海』で大槻文彦先生が「擂鉢で胡麻を擂ると、胡麻が四方(周囲)に付くところから、あちこちに付いて、人毎にへつらう者をいう」と説いている。

また、『国語研究』で金田一京助先生は「ゴマ(護摩)する、すなわち護摩を修する意から、語源が忘れられて、胡麻磨(す)ると考え合わされた」との説を記している。

いずれにせよ、そのままの形では不消化なゴマは、“擂りゴマ”にして摂るのが一番いい。

「胡麻擂り」はいただけないが、“擂りゴマ”はおおいにいただこう。

☆ちょこっと薀蓄=京都・JR山陰線に胡麻という名の駅があるそうだ。

胡麻ゴマ豚肉揚げ(2人分)952

  1. 豚もも肉(とんかつ用・2枚)は、2cm幅の棒状に切っておく。
  2. ボウルに醤油(大1)、生姜(1/2片)のおろし汁、塩(一つまみ)、ゴマ油と胡椒(各少々)混ぜ合わせ、1を煎れて下味を付ける。
  3. シシトウ(1/2パック)は適宜爪楊枝に刺す。
  4. 2に片栗粉(大2)を加えて混ぜ、さらに肉の1本ずつの表面に白ゴマをビッシリまぶし付け、手でギュッと握るようにゴマを落ち着かせ、170℃の油に静かに入れていく。
  5. 油に入れた肉は、しばらく弄らずに、白ゴマの衣がしっかりしたら、返しながらカラリと香ばしくいい色が着くまで揚げる。
  6. 3はそのまま素揚げして、5に添える。

※ビールがスゴク美味しく感じる、困っちゃう一品なのだ。

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椎茸のステーキ

最近は、ほとんどの茸が栽培されているので、茸に旬が感じられない。

それでも、気温が20度くらいになると、『椎茸狩り』のツアー広告が目立つようになる。Photo_334

日本からインドネシアにかけて分布する、東洋特産の黄シメジ科の一種で、春と秋の二度旬がある。

ハウス栽培が盛んなので、年中店頭には出ているが、秋の椎茸が一番美味しい。

新鮮な生椎茸は、サッと網焼き、またはフライパンでバター焼きして食べるのがいいが、煮物、汁物、揚げ物、炒め物・・・これからの季節は鍋物に欠かせない。

テリーヌやシチューなどの洋風料理にも合う。

ただ、生は傷み易いので、洗い方も注意。ハウス栽培なら洗わなくても、傘の裏側の襞の汚れを軽く叩き落とすだけでいい。

『山の出汁』と言われる“乾し椎茸”には、旨味が凝縮されており、煮しめ、白和え、五目寿司や海苔巻きなどの、伝統的和食には、無くてはならぬ素材だ。

傘がこんもり肉厚な“冬茹(どんこ)”、傘が平べったくて大きい“香信(こうしん)”、傘に亀甲模様がある“香茹(こうこ)”と呼ぶ。

主栄養素のビタミンDは、血液中のコレステロールを下げる作用がある。またビタミンB2や食物繊維も豊富で、制癌効果物質が含まれるらしいとの研究報告が。

乾し椎茸の戻し汁には、それらの栄養素が流れ出ているので、捨てずに出汁にする。

椎茸のステーキ(2人分)517

  1. 生椎茸(6~8枚)の石突きを切り落とし、軸は捻り取って半分に裂く。
  2. フライパンにオリーブ油(大2)と、ニンニク(2片)の叩き潰したものを入れ、火にかけてコンガリ炒める。
  3. 2に1を加えて焼き、塩・胡椒を振って調味する。
  4. あればイタリアンパセリを添え、レモン汁を絞って食べる。

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立派な血鯛が

母の最期となった施設を紹介してくれた私の親友J子さん、最後を看取ってくれ報告してくれたのも彼女だ。

いつも珍しいもの、季節の山菜や、釣り魚を送ってくれる、あのJ子さん。

ご主人が無類の釣り好きで、そのお仕事が地域デザイナー(大雑把に言えば、村興し、町興し)なので、各地を見て歩くついでに、海辺だと釣りに・・・。

まるで《釣りバカ日誌》の“浜ちゃん”そのまま・・・いや、かなりの二枚目だが。

1062 今回は血鯛だ・・・春は真鯛(☜)、秋は血鯛が旬なのだ。

日本には、名に“鯛”と付く魚が数多いが、その殆どは鯛科ではなく、所謂『あやかりタイ』。

ただこの鯛は正真正銘の鯛!、形こそ真鯛より小形だが、秋は真鯛より味がいい。

送っていただいたのは、津軽半島の日本海側・間もなく海峡に繋がる車力村の沖合い。

時季の真鯛はのっこみと言って、浅瀬に集まってくるが、血鯛は深場を好み、20~100mに居ることが多い。

今回も50mくらいの深場で釣れたという、かなり型のいいもの。

いま、この海域から鯵ヶ沢辺りに、産卵を迎えた血鯛が集結しているらしい。

雄の頭はすでにコブが生じていて、明らかに雌雄の別が分かる。

この雄のコブが鯛の特徴といえるのだが・・・。

血鯛は、真鯛との区別が付き難い。

真鯛なら尾鰭の後ろ縁が黒いのだが、血鯛は尾鰭全体も赤い。

そして、鰓蓋の縁に血の滲んだような帯が見られる・・・これが名の由来とも言われる。

連子鯛や花鯛のように、小さいのは、折詰めなどに“尾頭付き”として、デ~ンと納まっていることがあるが、これは真鯛と見紛う大きさ。

塩焼き、煮付けでたべるが、漁れたて新鮮なら刺身もいい。

炊き込み飯も美味しいのだが、骨がコワイので、三枚におろし小骨はとって置く。

焼いた粗骨で出汁を取り、半身は削ぎ切りに、あと半身はそのまま乗せて炊き込む。

安心して食べられる“鯛飯”だ。

頭は、小振りなので半割りにせず、そのまま兜煮(卵も一緒に煮付けた)。1060 Dsc00425

1尾分の3枚おろしは昆布締めに、もう1尾分はムニエルにして何度か楽しめる。1103 1102 1075

なお、折詰めに入っていて、冷めて味の落ちたものは、煮浸しにすると美味しく復活する。

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松茸と昆布の佃煮

毎年のことながら、店頭に松茸が並び始めると、その前でしばらく悩む。

みっともないかなぁ・・・と思いながら、しばし足が止まっている。

来客があって、お昼をご馳走したい時などは、見得も手伝ってくるから・・・やはり買いたい。

買うなら国産を買いたい。

が、なにしろ高価、カナダ産で我慢しようか・・・やはり年に一度の贅沢、国産にしよう。

値段も張り、形も立派な松茸は“茸の王様”だろう。