立派な血鯛が
母の最期となった施設を紹介してくれた私の親友J子さん、最後を看取ってくれ報告してくれたのも彼女だ。
いつも珍しいもの、季節の山菜や、釣り魚を送ってくれる、あのJ子さん。
ご主人が無類の釣り好きで、そのお仕事が地域デザイナー(大雑把に言えば、村興し、町興し)なので、各地を見て歩くついでに、海辺だと釣りに・・・。
まるで《釣りバカ日誌》の“浜ちゃん”そのまま・・・いや、かなりの二枚目だが。
今回は血鯛だ・・・春は真鯛(☜)、秋は血鯛が旬なのだ。
日本には、名に“鯛”と付く魚が数多いが、その殆どは鯛科ではなく、所謂『あやかりタイ』。
ただこの鯛は正真正銘の鯛!、形こそ真鯛より小形だが、秋は真鯛より味がいい。
送っていただいたのは、津軽半島の日本海側・間もなく海峡に繋がる車力村の沖合い。
時季の真鯛はのっこみと言って、浅瀬に集まってくるが、血鯛は深場を好み、20~100mに居ることが多い。
今回も50mくらいの深場で釣れたという、かなり型のいいもの。
いま、この海域から鯵ヶ沢辺りに、産卵を迎えた血鯛が集結しているらしい。
雄の頭はすでにコブが生じていて、明らかに雌雄の別が分かる。
この雄のコブが鯛の特徴といえるのだが・・・。
血鯛は、真鯛との区別が付き難い。
真鯛なら尾鰭の後ろ縁が黒いのだが、血鯛は尾鰭全体も赤い。
そして、鰓蓋の縁に血の滲んだような帯が見られる・・・これが名の由来とも言われる。
連子鯛や花鯛のように、小さいのは、折詰めなどに“尾頭付き”として、デ~ンと納まっていることがあるが、これは真鯛と見紛う大きさ。
塩焼き、煮付けでたべるが、漁れたて新鮮なら刺身もいい。
炊き込み飯も美味しいのだが、骨がコワイので、三枚におろし小骨はとって置く。
焼いた粗骨で出汁を取り、半身は削ぎ切りに、あと半身はそのまま乗せて炊き込む。
安心して食べられる“鯛飯”だ。
頭は、小振りなので半割りにせず、そのまま兜煮(卵も一緒に煮付けた)。
1尾分の3枚おろしは昆布締めに、もう1尾分はムニエルにして何度か楽しめる。
なお、折詰めに入っていて、冷めて味の落ちたものは、煮浸しにすると美味しく復活する。
《ば~ばの食べ物事典》を作りました。ご参考になれば幸甚。
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