キビナゴは刺し身で
キビナゴが出てきた。
“黍”と言えば、玉蜀黍(とうもろこし)のことだが、この場合は何も関係が無い。
体の両側に銀青色に輝く帯状の模様があるが、主産地の鹿児島では“帯”のことを「きび」と言い、小魚であるから“きび(帯)魚子”。そのキビに当て字が付いて“黍魚子”となったらしい。
ウルメイワシ科で、体調10センチにも満たないくらいの小さな魚。
房総半島以南の広い範囲で漁獲されるが、九州もとくに鹿児島、熊本、長崎での漁獲量が断然多い。
各産地で郷土料理があるが、鹿児島のキビナゴ刺身は著名だ。
手開きして皮を引き、皿に菊花のように丸く盛り付け、ポン酢醤油や生姜醤油、酢味噌などで食べる。
イワシの仲間だけに、鮮度が落ちやすく、生干しか干物しか出回らなかったが、最近は空輸もされるようになり、東京や大阪の都市部でも、パック詰めの刺身が買えるようになった。
郷土料理としては、天草辺りのキビナゴ鍋、鹿児島のキビナゴ鮨も知られる。
《ば~ばの食べ物事典》を作りました。ご参考になれば幸甚。
最近のコメント