松茸と昆布の佃煮
毎年のことながら、店頭に松茸が並び始めると、その前でしばらく悩む。
みっともないかなぁ・・・と思いながら、しばし足が止まっている。
来客があって、お昼をご馳走したい時などは、見得も手伝ってくるから・・・やはり買いたい。
買うなら国産を買いたい。
が、なにしろ高価、カナダ産で我慢しようか・・・やはり年に一度の贅沢、国産にしよう。
国産は10月には最盛期を迎える。
独特の芳香と歯触りが好まれ、珍重されるが。
この芳香は長持ちはしない。
買ったら早く食べないと、どんどん香りが抜けて、何の素っ気もない茸になる。
しかし、高いだけに一気に食べるのは度胸がいるから、例えば全部焼いて裂いてキッチリ密閉して冷凍する・・・しばらくは解凍してサッと焙りなおして楽しめる。
なにしろ、これだけ多種多様な茸が人工栽培されるようになった昨今でも、松茸の人工栽培はまだ実現していない。
生きた赤松の根に宿って菌根を作り、その周辺の条件が整った『代(しろ)』と呼ばれる場所に生える。
人工栽培が出来ないだけに、どうしても高価になるが、近年は韓国、カナダ、北アメリカなどから輸入品が入り、いくらか安価で買いやすくなっている。
ただ、香りが“命”の松茸は、遠方から運ぶうちに芳香が飛んで、折角の命の香りが乏しくなる。だから、輸入松茸に国産と同じ香りを期待するのは無理なのだ。
国産の主な産地は、広島県、京都府、長野県など、東北地方でも育つ。
なかでも京都・丹波で採れる松茸は、軸も太く香りも数段にいい。
ローム層からなる関東に産地が少ないのは、赤松林が育つ土壌が無いからだ。
ありがたいほどの国産松茸なのだが、収穫量は年々減少気味だそうだ。
杉板に挟んで、野趣たっぷりに焼いたものは絶品だが、こんな贅沢な食べ方は一般人には殆どチャンスが無い。
塩を散らして、焙烙(ほうろく)で蒸し焼きすると『香り松茸、味・・・』の通り、松茸の馥郁たる香りをそのままに味わえる。
土瓶蒸し、椀物、天婦羅、すき焼きなど、いろいろな料理が楽しめるが、どれも家庭料理とは言えないし、そんな贅沢は・・・ムリ。
“松茸ご飯”なら高価な国産でも、一本あれば数人が幸せになる。
と言うわけで、松茸ご飯とお吸い物、その他小鉢などのおもてなし昼食にしたが、来客に挨拶したりお茶出したり・・・のうちにカメラのことはすっかり頭から消えていた。
食事の途中に気が付いたが、後の祭り(T_T)。
もっとも、私の知人ではない客の前で、ブログ用に写真を撮る度胸があったかは??だが。
今日の客は、夫が青森在勤中に現地採用した人たちで、だから私の母の訃報に集まってくれたのだ<(_ _)>。
すっかり写真を撮ることを忘れ(ボケッ、アホッ、マヌケ・・・って自己嫌悪しても始まらない)、そこで思い出したのは、先日他の友人からお土産に頂いた佃煮。
目下、松茸の人工栽培は成功に近い域にあると言われ、あと5年ほどすれば市場に出る可能性があるそうだ。
《ば~ばの食べ物事典》を作りました。ご参考になれば幸甚。





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