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2007年11月24日 (土)

ラ・フランスの芳香

ビーナスの涙・・・と喩えられる西洋梨。Photo_331

とくにフランス人は西洋梨が大好きで、昔、マリー・アントワネットが宮殿の庭に洋梨の木を植え、ルイ16世と共に好みの実を、自ら選んで鋏で採っていた・・・と言う話は有名だ。

食通のフランス人が、美味しいからと自国の名を付けることを認可したのが“ラ・フランス”で、これから12月にかけて出盛る。

見た目は、まるで緑色のジャガ芋のよう だが、甘い芳香と滑らかな舌触りは、うっとりするほど美味しい。見た目と味のギャップがかなり大きい果物だ。

一般に西洋梨は、日本の梨と違って収穫してすぐには食べられず、追熟する必要がある。

このために、かつて日本に入ってきた当時は、「不味い」というレッテルを貼られ、その上、缶詰が生より先に普及したので、余計に馴染まれなかった。

洋梨の美味しさは、各品種とその食べごろを知ることから・・・。

ラ・フランスより先に出るのは、プレコースで8月中旬には出回るが、形はふっくらと美味しそうだが味は??・・・とくに奨めない。

9月になると、バートレットが出るが、これは加工用にはいい品種。

ほぼ同時にマルグリット・マリヤや、ドヤンヌ・ド・コスミなど、味のいいものが少量出る。

その後10月から、ラ・フランスの出番となる。

このラ・フランスが終盤になる11月には、ウィンター・リネスという、小粒であまり見栄えのしない洋梨がでるが、この梨も見た目と違って、甘味も香りもなかなか上等だ。

さて、食べごろだが、バートレットなどは、緑色が黄色に変わり、手に持つと柔らかい感触で分かり良いが、ラ・フランスのように色の変わらないものは、何度か体験して自分の感覚を掴むしかない。

日本では、栽培される西洋梨の約8割がラ・フランスだが、世界的にはバートレット種が多い。1296

そこで、余談だが、このバートレット種は、二通りの呼び名があり、ヨーロッパではウィリアム種と呼ばれる。

これは、ほんのちょっとした行き違いからで、18世紀初め、イギリス・バークシャーで梨栽培をしていたボン・クレチアン・ウィリアム氏が、美味しい梨を発見し“デリシャス・ペア”として各国に普及していった。

その後、18世紀半ばにアメリカに移民した、フランス系のバートレット氏が、このデリシャス・ペアを栽培。

美味しい梨の評判が上がるにつれ、バートレット氏の名も有名に・・・そのバートレット氏は、最初に栽培したウィリアム氏のことはまるで知らず、梨にバートレットの名が付いたまま年月が過ぎた。

19世紀になって、バートレットはウィリアムスと同品種だと判明したが、どちらもすっかり定着した名になっていて、結果、ヨーロッパではウィリアムス、アメリカではバートレットと呼ばれている。

《ば~ばの食べ物事典》を作りました。ご参考になれば幸甚。

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