トンブリと納豆の胡麻酢和え
「畑のキャビア」とも言われるトンブリだが、食べたことのある人は案外少ないようだ。
トンブリはアカザ科ホウキギ属の一年草で、ホウキソウともホウキグサとも、ハハキギ、ネンドウ、アカクサなどとも呼ばれる植物の実を加熱加工したもの。
名の由来としては、唐の国から来た“ブリコ(ハタハタの卵)”に似たものという意=トウブリの訛化だと言われる。
原産は、アジアから南ヨーロッパ。
ハタハタの卵・・・ということで分かるように、日本では秋田県北部が主産地だ。
市場では秋田や富山の特産品として扱われる。
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ホウキギは平安時代の始めごろには、日本に渡来している。
その実は、漢方では地膚子(じふし)と呼ばれ、利尿や強壮の薬用に使われたが、その草木も干すといい草箒が出来たので、農家の庭先に多く栽培された。
いつ頃から食用にされたのかは定かではないが、食材の乏しい時代に雑穀のように食べ始めたのだろうと言われる。
旬は10月から11月で、収穫して乾燥させた実を煮て、水に晒し揉んで外皮を取り除くことを数度繰り返して作る手間のかかる食品だ。
直径が1~2mmくらいの小さな球形の粒で、黒褐色をし、光沢もあるので、見た目はあの高級珍味・キャビアにそっくり。
歯触りもキャビアに近いものがあるが、やはり植物だけに濃厚な味までは望めない。
ただ、納豆やトロロ芋と混ぜ合わせて食べると、プチプチした食感が舌に心地いい。
クセがなく、淡白なのでコクのある胡麻やマヨネーズ、ドレッシングで合えるのも美味しい。
- トンブリ(20g)は熱湯を通してから、水気をしっかり切る。
- 納豆(1パック)に1を混ぜ、擂り胡麻(白・大1)、酢(大1/2)、砂糖と塩を各少々に、納豆に付いている芥子とタレを加えて和え混ぜる。
- 器に盛ったら、鰹節を天盛りにする。
今夜の魚は、昨日のノドグロ干物と一緒に、マグロ君の《吉川水産》で買った(国産鰻・10枚/¥6980)。
いつもは粉山椒を振って食べるのだが、白焼きのように山葵を添えてみた。
これも、先日ムシコさんから頂いた、奥多摩の山葵が美味しいから思いついてのこと。
爽やかで、いつもの鰻蒲焼とは違う美味の新発見、いけた~ (*^^)v
《ば~ばの食べ物事典》を作りました。ご参考になれば幸甚。
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