お母さんの味風オムレツ
お洒落なオムレツが食べられるレストランは、いくらでもある。
でも、懐かしいのは子供のころに“ごちそう”だった、お母さんのオムレツじゃないかなぁ。
東京オリンピックの頃、シャンソン歌手・石井好子さんが、パリ留学時代の下宿生活の思い出を『パリの空の下、オムレツのにおいは流れる』という随筆集に纏めた。
この中には、フランスの家庭料理がたくさん出てくるが、中でもオムレツは本当ににおいが伝わってきそうに書かれていた。
また、アメリカの主婦が書いたという『300 RECIPES OF OMELTTE』には、文字通り300種のオムレツのレシピ、そしてオムレツの歴史や、各国のオムレツ紹介など盛りだくさんで、オムレツのバイブルともいえる本だ。
帝国ホテルの総料理長だった、故・村上信夫氏は「オムレツは火の芸術」と仰っていらした。
普段から、オムレツ専用のフライパンの状態を見守り、完璧なオムレツを焼くのは最上のコックの技だと・・・。
そこまで、家庭のオムレツに拘る必要は無いが、オムレツは冷蔵庫の残り物整理にも重宝な料理なのだ。
また、オムレツは手間無く素早く出来るのがいい。
故事には、昔スペインの王が、旅先で空腹を抱え、近くの民家で食事を請うた。
あまりの剣幕に驚いた、民家の主人は、素早く熱々のオムレツを供したが、その速さに王もビックリ。
「Quel homme leste!!(ケル・オム・レス=なんて素早い男なんだ!)」と・・・。
これがオムレツの語源の一説だといわれている。
また、古代ローマ時代の食通・マルクス・アピキュウスの料理書に“オウオメレ”という卵焼きがあり、こちらが語源だという説もある。
どちらにしても、オムレツの歴史は古い。
- オムレツの具を用意、ジャガ芋(1個)は皮を剥き、1cmの各切りにして水に晒し、玉葱(1/8個)は微塵切りにする。
- フライパンに油を熱して、合い挽肉(100g)と玉葱を中火で炒め、少ししんなりしたら水(50cc)、醤油(大1)、味醂と酒(各大1/2)、水気を切ったジャガ芋を加えて煮る。
- ジャガ芋が柔らかくなったら、水溶き片栗粉(水と片栗粉を各大1/2)を回しかけ、トロミがついて全体が纏まったら火を止める。
- オムレツの卵(1人1個)はそれぞれに器に溶き、フライパンに油を引いて熱したところに流し入れ、手早く広げる。
- 卵の表面が固まりかけたら、3の半分を卵の片側に乗せ、もう片っ方を端からパタンと被せる。
- フライパンに皿を被せ、エイヤッとばかりに返して盛り、パセリを添える。
- もう一個も同様に・・・(ちょっと焼きすぎたかな?)。
※トップの写真のような“スペイン・オムレツは←こちらから。
《ば~ばの食べ物事典》を作りました。ご参考になれば幸甚。
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