百合根の佃煮
ユリ(百合)は、ユリ目ユリ科のうち主としてユリ属(学名:Lilium)の多年草の総称である。
「百合」とは中国名で、日本でもかなり古くか らそれにならって由里→百合と訛化。
百合は、鱗茎(球根)を有する茎を高く伸ばし、夏に漏斗状の花を咲かせる。
何故「百合」なのかは、中国の古医書でも諸説あり、 例えば「百合は多くの弁が合わさって出来ているから百合とか、また百合病を治す薬だから百合」とあるようだ。
多くの弁とは花のことをいっているのではなく、ユリ根のあの鱗片の重なりのことだろう。
百合病とは、古書には「百合病は百脈一宗ことごとくその病を致すなり」とあり、はっきりした解釈のつかない病名とされる。
郊外の崖などに、よく見かける大型の白色のユリは、ヤマユリと呼ばれ、その根は食品と
しておいしい。
料理ユリといわれたり、地方名を付けて、吉野ユリとか箱根ユリとか呼ばれる。
また、ユリ根は、狭義的には食用とされるユリ属植物の鱗茎のこと。
広義的にはユリの鱗茎全般をさすこともある。
ユリの葉が変形した鱗茎に養分が貯蔵されているため、栄養豊富で漢方薬としても用いられる。
ユリの多くは灰汁(あく)が多く食用に適さないが、灰汁が少ない種を食用とする。
食用とされる種は、オニユリ 、コオニユリ、ヤマユリ 、カノコユリ など。
ユリの鱗茎は無皮鱗茎のため乾燥、高温、過湿などに弱いが皮がないので食用とする際はそのまま食用と出来る。
柔らかな甘味とホクホク&モッチリとした歯ざわりがユリ根の持ち味。
和え物、蒸し物など、関西で特に好まれる食材で、とくに茶碗蒸しなどに入れることが多い。
ユリ根一個は昆布と佃煮風にして、もう一個は甘酢漬けにしておいた。
漢方の世界では、ユリと呼ばずビャクゴウ。
薬としてのユリは、潤肺止咳といって、カラカラに乾いた気道を潤すことによって、咳を止める効力がある。
ユリ根は、消化がよく滋養にとんでいるから、咳で体力が落ちているときには絶好の食品だろう。
《ば~ばの食べ物事典》を作りました。ご参考になれば幸甚。
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