タラの芽の天婦羅
本日の東京多摩地区は
タラノキは学名 Aralia elata、漢字では楤の木と書く。
『たらの芽を食べると、鹿の角もげる』という諺がある。
鹿がタラの芽を食べたからと言って、角がもげる・・・なんてことは無い。
ただ、タラの芽が美味しくて、鹿が好んで食べる時季は、牡鹿の角が抜け落ちる時期と重なるので、昔はそういわれ“自然暦”になっていたのだろう。
タラの木は、ウコギ科の落葉低木樹で、山林に生えている棘の多い木。
その新芽は、脂肪分を含むほか、蛋白質やビタミンB2なども豊富な、珍しい山菜で、栄養に富んで味がいいため“山菜の王様”と呼ばれる。
かつては山間部の村には、「タラの芽一つ摘み取るは、坊主千人の首を斬るに等しい罪悪」という言い伝えがあった。
これは、枝一本の先に一個の芽しか萌(ふ)かないので、それを摘み取ることは木を殺すこと・・・首を斬ると同じ殺生だと、採り過ぎを戒めていたのだ。
独活にも似た香気と、独特の舌触りで人気があるので、近年は温室栽培が広まっている。
栽培の普及のおかげで、スーパーマーケットなどで初春から販売されているが、鮮度のいいものが、かなり長期間楽しめる。
アクがないので、すぐにそのまま調理できる。
お浸しや和え物もいいが、天婦羅等にすると美味しい。
木は、夏に小さな白い花を放射状にたくさん咲かせ、秋には黒い実がなる。
樹皮は民間薬として健胃、強壮、強精作用があり、糖尿病にもよいとされる。
また、芽を食べることでも、同じような効果が期待できると言われている。
根皮も生薬として、糖尿病に用いられるそうだ。
蕗の薹(フキノトウ)の天婦羅同様、薄めの衣を付けて、低めの油で揚げる。
茹でて、細かく切って、胡麻和えにしてみたが・・・。
胡桃和え、味噌和え、白和えなどいずれも美味しい。
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《ば~ばの食べ物事典》を作りました。ご参考になれば幸甚。
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