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2008年2月15日 (金)

映画《母べぇ》を見て

本日の東京多摩地区はsuncloudsun

heart

昨日はバレンタインディーだったcakeheart01

でも、甘いものを口にしない夫に、いまさらチョコもなぁ~。

Photo_7ということで、シワが増えた老妻の顔を見ているばかりの日々ではつまらなかろうと、話題のmovie映画《母べぇ》に誘った。

夫は、若い頃には“小巻スト”だったそうだが、いつの間にか“小百合スト”に転向。

吉永小百合は、歳を感じさせない美しい女性だから、憧れているheart02壮年男性は多い。

想う女性を大画面で見るのも良かろうと、思いやり深い(?)妻winkからのプレゼントだ。

memo

この映画は、山田洋次監督が描く、「家族」というテーマの集大成的傑作といわれる。

時代は、日中戦争が泥沼化しつつある頃(昭和15~16年)。

話の始まりは、ドイツ文学者・野上滋とその妻・佳代、そしてしっかり者の長女・初子と天真爛漫な次女・照美の4人が貧しくも明るく暮らしている家庭から。

お互いを「父べえ」「母べえ」「初べえ」「照べえ」と呼び合う仲睦まじい家族だったのに、昭和15年2月、父べぇが治安維持法違反で検挙されたのだ。

一家の苦難の日々が始まる。

そこに、父べぇの教え子、山ちゃんこと山崎徹eyeglassが訪ねてくる。

そして、彼は一家の手助けをするのだったが・・・。Photo_5

movie

画面の中には、食事風景が何度も写る。

芋の煮っ転がしと漬物を、家族が分け合いながら食べる・・・手元には味噌汁とご飯だけ。

玄関の横に、小さな鶏小屋chickがあり、朝には産みたての卵をかけたご飯。

アルミの弁当箱には、少しの佃煮と、ご飯の真ん中に梅干一個。

総菜屋で売られていたコロッケさえ、やがて手に入らなくなる中、肉もお菓子もあるところにはあるのだ。

庶民が供出を義務付けられる裏で、供出品を懐に肥る高官たち・・・。

「贅沢は敵」と叫ぶ婦人会の声が、虚しいくらいに警察や官僚たちの宴席は豪勢だ。

book

原作は、長年黒澤明監督のスクリプター(進行記録係)clockpencilとして活躍してきた、野上照代さん(映画の中の次女)が執筆した自叙伝「父へのレクイエム」。

日本が戦争に向かって突き進んでいた暗い時代に、妻として獄中の夫を尊敬し信じ続け、どんな困難を前にしても、いつでも娘たちに精一杯の愛情を注ぐ母べぇ。

そんな母べぇを、吉永小百合が清冽に演じている。

Photo_8そして、子役たちの自然な演技が、何と純真に胸を打つのだろうweep

見どころは、細部にまで行き届いた時代考証の緻密さ、完璧なまでに再現された昭和初期の街並み(オープンセット)など豊富だ。

danger

私の父も、旧制五高で太宰たちの運動に加わり、満州に追われた一人。

幸い無事に引き上げてきたが、同じように運動をしていて、何度も投獄されたA氏や、O氏には格別の思いが深かったようだ。

父の胸の奥の闇が、深酒bottleをすると切ないほど哀しみをもって、子供の私の目にも垣間見えた。

現在、ファシズムは日本では表立って見えはしない・・・しかし、何処かで大きく脹らむのを爪を研いで待ち狙ってはいないだろうかshadow

一部には、ミリタリーに憧憬を抱く人たちもいる。

《父親たちの星条旗》《硫黄島からの手紙》を、続けて観た後も感じたファッショ洗脳の怖さ。

それは国の違いや民族の違いを問わず、まさに殺戮教育。

戦争は狂気、そして人間破壊の凶器なのだ・・・愛する人を悲しませることが起きてはならない。

《ば~ばの食べ物事典》を作りました。ご参考になれば幸甚。

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