野蒜の酢味噌和え
春に河原や野原を散歩していると、つい目が野蒜(のびる)の葉を探そうとする。
野蒜とは野に生える蒜(ひる)という意味で、蒜は、ネギやニンニクの古名。
かむと辛くて「ひりひり」することから→「ひる」。
ユリ科の多年草で、主に4月から6月に収穫できる。
昔は野蒜(のびる)は、ニンニク、ニラ、ネギ、ラッキョウと共に五葷(ごくん)に数えられていた。
葷(くん)とはネギ属の古名で、よく寺社の山門に「葷酒不入山門」と書いてある。
それは臭いものや酒類の持込厳禁という意味で、昔の寺社はそれらを忌みものとしていたのだ。
ツーンとする香りと、ちょっとヌルッとした食感が刺激的な春の味。
古代から食べられていた野草で、
いざ子ども 野蒜摘みに 蒜摘みに ( 古事記 応神天皇 )
醤酢(ひしほす)に 蒜(ひる)搗(つ)き合(か)てて
鯛(たひ)願ふ 吾にな見えそ水葱(なぎ)の羹(あつもの)
(万葉集 長忌寸意吉麻呂(ながのいみきおきまろ) )
胃腸を丈夫にし体を温める効果があると言われる。
球根の部分を生のまま味噌を付けて食べる。
天ぷらや酢味噌和えにしても美味しく、 茎の部分もニラやネギのような食べ方で食べられる。
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まず球根部を熱湯に入れ、やや遅れて刻んだ茎も茹でる。
酢味噌で和えるだけで、肴にいい~。
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