韓国の「参鶏湯」
鶏の話の七回目は、お隣の韓国。
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韓国の鶏料理といえば、代表的なのは「参鶏湯(サムゲタン)」だ。
鶏を丸ごと高麗人参などと時間をかけて煮込んだスープ料理。
健康食として日本でもフアンが多いが、烏骨鶏(うこっけい)を煮込んだものは特に薬効がありそうで人気があるという。
ちょうど日本の土用の丑の日に食べる鰻のように思われている。
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さて、その烏骨鶏だが、まだフビライ汗が支配していた13世紀頃の中国に、マルコ・ポーロが訪れた。
そのときの様子を『東方見聞録』に書いているが、
「この辺には全身真っ黒で、羽毛はなく、猫の毛のような頭髪の生えている鶏がいる。
普通の鶏のように卵を産むが、非常に美味しい」(教養文庫より)
との記述が見られ、烏骨鶏が西洋に紹介された最初だろう。
日本へは江戸時代(17世紀)に渡来、おもに観賞用として飼育された。
羽の黒いものと、羽が白いものとがある。
どちらも、皮や肉、骨まで黒い鶏で、肉や卵に薬効があるといわれ、古くから漢方薬として珍重されてきた。
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参鶏湯(サムゲタン)
料理名からも分かるが、高麗人参を使うのが特徴で韓国的。
雛鶏の内臓を抜いたところに、もち米、高麗人参、栗、ナツメ、松の実、ニンニクなどを詰めて薄い塩味で3時間以上、アクを取りながら煮込む。
韓国では、食品売り場ですべての材料がセットになって、パック包装されて売られている。
烏骨鶏のセット(↑)もあった。
手軽には出来上がった参鶏湯の缶詰やレトルトパックもある・・・缶を開けて鍋に移して温めるだけなのだ。
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