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2008年6月11日 (水)

タイの鶏料理

鶏の話の四回目は、鶏の原産国の一つで、肉料理=鶏料理といってもいいくらいの国、タイだ。

日本の地鶏にはシャモ(軍鶏)の血を引くものが多いが、このシャモの名の由来はシャムから渡来したから。

シャムとは昔のタイの国名・・・映画やミュージカルの『王様と私』の時代だ。

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タイは幾つもの国と陸続きなので、地域によって隣接国の食文化が混じり、首都バンコクなどはまさに食文化クロスオーバーランドになっている。

そこからタイ料理の特徴を探し出すとすれば、まずは辛い。

その辛さの素はプリック(唐辛子の総称)。2221

そして、ナンプラー(魚醤)、レモングラスやパクチー、ニンニクやハッカなど香辛料、ココナツパウダーなども独特だ。

これらのスパイスやハーブ、調味料をクロックという石臼(写真のものより深くて壷状)で引き潰し、各家庭のオリジナルな味を作るのだ。

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世界中で鶏は食用として飼われているが、国ごとの呼び名の違いには民族性が出ている。

英語では雄鳥は“コック”、雌鳥は“ヘン”・・・それが鶏肉になるとすべて“チキン”になる(へ~ン!!)。

フランス語ではもっと細かくて、雄鳥は“コック”、雌鳥は“プール”・・・ただ、雛は成長によって“プッサン”~“コクレ”~“プーレポン”と変わる。

しかも、強制飼育して生育させた雄鳥は“シャポン”、雌鳥は“プーラルド”と呼び、異なった調理法までがそれぞれにあるのだ(さすがフランス?)。

タイも鶏料理の多い国だが、生きた鶏は“ガイ”、鶏肉は“ヌア・ガイ”・・・雄鳥は“ガイ・ティア・プー”、雌鳥は“ガイ・ティア・ミア”・・・覚えやすいかも。

因みに、鶏はインドではアヤム、インドネシアではムルギーという。

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タイで一般的に食べられている鶏料理は“ガイ・ヤーン”という、日本の焼き鶏のようなもの。2258

どこの市場や通りにも“ガイ・ヤーン屋”が屋台を出している。

家庭でパーティーなど開くときも、これが出る。

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タイでは「ギン・カオ・マイ?」という挨拶がよく交わされる。

これは「ご飯を食べて行きませんか?」ということなのだが、譬えば京都の「ぶぶ漬け(お茶漬け)でも如何どすぅ?」とはまるで違うのだ。

京都では“ご飯時まで居るなんて・・・はよ帰っとくれやす”の意味で言われるのだが、タイではかなり本気。

社交辞令じゃなく、本当に食事に招いてくれる・・・そんなに親しくなくても誘ってくれる。

特別に来客用に作った料理ではない、自分たち用の食事を一緒に分けて食べるのだ。

そんな時に出されるのは、大皿に盛ったタイの鶏肉料理が中心。

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サテ・ガイ(焼き鶏の一種でマレー風)2171_2

竹串に刺して焼く、焼き鳥はインドネシアやマレーシアが本場だが、南部タイやバンコクではかなり普通に食べられている。

サテは薄く切った肉を竹串で縫うように刺したもの。

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ガイ・トート(フライドチキン)2169_2

南部タイでは「焼き鳥」と注文するとこれが出てくるくらいポピュラー。

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ラープ・ガイ(鶏肉と炒り米のサラダ)2219

タイでは主食の米をサラダにも使う。

これは、炒った米を擂鉢で砕いて粉末状にして混ぜてある。

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ケン・チュー・ルーチン・ガイ(チキンボールスープ)2172

ケン・チューとは澄んだスープのこと。

タイでは、料理が甘い・辛い・酸っぱいが基本的だが、このスープはあっさり淡白で日本人にも馴染みやすい。

パクチーと炒めニンニクの香りが食欲をそそる。

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富士通Azbyclub「プラチナブロ」殿堂(08・5)入り

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改訂《ば~ばの食べ物事典》を作りました。ご参考になれば幸甚。

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