奥多摩の鮎も、明日解禁!
それは川魚の女王と言われる“鮎”の解禁日が次々にきているからだ。
鮎の解禁は河川や鮎の生育によって違う。
長良川の鵜飼は毎年5月に、また友釣で知られる狩野川が5月後半、そして関東の6月1日と続く。
因みに私が住む街を流れる『多摩川』も、下・中流では6月1日だが、上流の奥多摩になると10日~17日頃に解禁日(今年は15日)がくる。
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鮎の一生は僅か1年。
秋に川で孵化した稚魚は、川の流れに身を任せ、押し出されるように海に入り冬を越す。
そして桜・桜・いま咲き誇る頃から、生まれた川を遡上。
川底の石や岩に付いた苔(藍藻や珪藻)を食べながら上流目指し成長していく。
さらに再びの秋、浴衣の君はススキの簪を挿す9月には、産卵のために川を下り始め、10月には川底に卵を産み付けて死んでいく。
鮎は、古くから日本人には、最高級の川魚として珍重され、古い書物に料理法が載っていたり、歌に詠まれていたりする。
春生じ 夏長じ 秋衰え 冬死す 故に年魚と名づく
(和名抄)
夏は、まさに若鮎が川苔を食べ成長する時季で、この苔が鮎の味を決める。
鮎の分布は広く、南は九州・玖磨川から、北は北海道・石狩川までと言う。
鮎の香味は川の苔の味。
苔には川の水のキレイさが影響するので、そこからマニアの『お国自慢・鮎自慢』が始まるわけだ。
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竿釣りが一般的だが、『鵜飼い』という独特の鮎漁をしている川もある。
有名な長良川の他、九州・筑後川、岩国・錦川、京都・保津川などでも行っている。
淡白で香味がある魚だから“香魚”とも言うし、1年で生涯を終えるから“年魚”とも言う。
塩焼きに“蓼(たで)酢”を添えるのは、蓼酢の苦味・辛味が鮎の香味を引き立てるから・・・鮮やかな緑色も爽やかさを演出する。
清流育ちの天然物なら、頭と内臓を取り、中骨ごとぶつ切りして塩を振り、暫く酢に漬け、酢味噌or蓼酢で食べる『背越し』もいいが、あくまで天然・新鮮が条件。
鮎飯(醤油の薄味で炊いているご飯の、炊き上がり際に、内臓を取った鮎を丸ごと入れ、蒸らしてから頭と骨を抜き取り、身を崩し刻み葱や青紫蘇と混ぜ込む)。
鮎の美形と香味を活かして、料理もいろいろある。
天然物なら、ハラワタや卵を塩辛にした『ウルカ』が左党には堪らない。トロリとした舌触りは珍味ながら絶品。
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