ピリ辛雷コンニャク
年末の大掃除、ついでにお腹(腸)の掃除もしてはどうかな~。
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蒟蒻(こんにゃく)は、サトイモ科の多年草植物の球茎(蒟蒻芋という)から製造された食品。
『お腹(腸)の砂だし』とも言われるが、これはかなり昔から言い伝えられていたようだ。
そのことは、寛永四年(1707)の富士山大噴火によるコンニャクの大暴騰からも分かる。
関東一円に降り積もった火山灰は、当然ながら町民の体にも入り込んだろう。
そこで、江戸っ子たちはこぞってコンニャクを食べ、品切れ状態のコンニャクの値が一気に吊り上がったと言う。
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たしかにコンニャクは胃では消化されず腸に送られ、腸を移動しながら老廃物を吸着して体外に排出する。
95%以上が水分で、後の殆どがグルコマンナンという繊維質。
これが腸内の悪玉コレステロールまで排出してくれるというから、まさに“腸の掃除役”
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江戸娘の好物は「芝居、コンニャク、薩摩芋、蛸、カボチャ」と言われる。
芝居と蛸以外はいずれも食物繊維が多い、便通を良くしたいという切ない女心の願望だろう。
一日中働いた当時の農村部や漁村部の女性と違って、芝居に熱狂する町娘たちは暖衣・飽食(現代人もだよ~)で腸が怠けたろう。
慢性的な運動不足で便秘になりがち。
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もっとも、江戸娘ばかりではなく、平安の宮中女官たちも同様にコンニャク好きで、「にゃく」と呼んで愛食していた。
野を見れば 春めきにけり青葛ら こにゃくままし若菜摘むべく
と『拾遺和歌集』に見られる。
十二単衣など着ていては運動不足にもなるわさネ~。
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縄文時代に渡来し、早くから食用にされてきたコンニャクは、富士山大爆発でますます愛される食品になった。
1846年には『蒟蒻百珍』が刊行され、100ならぬ82の料理が紹介されている。
幾つか紹介しよう。
- 田楽(でんがく)=串に刺し味噌を塗って焼く。
- 白和え=豆腐、味噌、胡麻、砂糖などを混ぜ和える。
- 味噌漬け=辛口味噌に一晩漬ける。
- 蕎麦仕立て=糸コンをチリチリに蒸し、蕎麦ツユで。
- 紅梅=薄切りして梅酢に漬ける。
- 白魚=細切りし、片栗粉を塗し熱湯に通し好みの味で。
- 雷(かみなり)=千切って鍋で空焼きし、醤油で調味。
そこで、雷蒟蒻をアレンジ、マヨネーズでコク出したピリ辛で~。
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- コンニャクは一口大に千切って味を染みやすくし、熱湯でサッと茹でてザルに揚げ水気を切っておく。
- フライパンに胡麻油を敷き、豆板醤を炒め、香りが立ったら1を入れ、マヨネーズと醤油を回しかけて全体に絡める。
豆板醤とマヨネーズを使うことで味がコンニャクに絡みやすく、マイルドなピリ辛は後を引く。
ヤスウマ~( ´艸`)プププ
おでんや煮物、串田楽、豚汁、けんちん汁などには角蒟蒻、鍋物には糸蒟蒻や白滝が使われる。
薄く切って、刺身風に食べるのもいい。
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