のらぼう菜を食べる
「のらぼう」(のらぼう菜)は菜花の一種で、江戸時代に伊奈備前守がタネを配布して栽培を奨励、天明・天保の飢饉の時にはこのおかげで多くの住民の命が救われたとされる。
名前の由来は「野良にボォーッと生えていて役に立たないもの」と、農民が年貢作物としての取り立てを免れようとしたから・・・なんて説もある。
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春の彼岸頃から出てくるトウ立ちを折りとって収穫する。
茎立ち菜、トウ立ち菜、トウ菜、かき菜、折り菜、芯摘み菜などとも呼ばれる。
花茎を食べる野菜は古代から日本全国に多種あるが、「のらぼう」の食味は中でも良いと言われる。
栄養価も高く、ビタミンAやCのほか、鉄分、食物繊維なども豊富だ。
また糖分が多いのも特徴で、糖度は普通の野菜よりかなり多い7.5から8。
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アブラナ科の多くは交配しやすく雑種が出来易いのだが、アブラナ科野菜としては珍しく他の花粉を受け付けず、自分の雄しべの花粉で雌しべが受粉してしまうため、雑種ができにくいという。
この「のらぼう」の稀有な性質は、自家採種に適していて、自生化した西洋菜種による花粉汚染にも染まらないということになる。
遺伝子組み換えなどの汚染が影響しないとも言える。
「のらぼう」が、日本の菜っ葉の中で、一躍脚光を浴び始めたのはその点にもあるかも~。
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「のらぼう」には、アントシアン色素によって葉軸が薄赤く発色する株と、まったく発色せず、緑色だけの株がある。
交雑しない野菜なので、雑種化したわけでなく、それぞれ育った地域の寒さに適応した変化の結果だろう。
植物の糖分は寒さの刺激で蓄積されるから、一般に赤味のある「のらぼう」のほうが甘味も強いようだ。
ただ、鮮緑色の野菜を好む人も多いから、どちらが良いのかは一概には言えない。
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柔らかい花茎にはほのかな甘味があり、他の菜花類のような苦味やクセがない。
お浸しで食べるのが一番ポピュラーだが、胡麻和え・酢味噌和え・芥子和えにもいい
他には、花部分を天ぷら、茎部分をマヨネーズで、葉部分をさっと炒める、お味噌汁に、肉巻きやサラダなど多様な食べ方がある。
富士通Azbyclub『プラチナブログ』殿堂(08・5)入り
改訂《ば~ばの食べ物事典》ご参考になれば幸甚。
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『女神の料理レシピ』(服部幸應監修)の「鰤料理レシピ」と「各地の女神・男神より(お餅の美味しい食べ方教えて、アイディア5)」にも掲載されています。
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のらぼうって見たことも食べた事もないです…
でも産直で見かけていたりするのかな。
知らないものはスルーする事も多いかもです^^;
旬の春野菜!もっと満喫しないとだな~
応援
投稿: chika0w0 | 2010年4月19日 (月) 01時12分
おはようございます♪♪
のらぼう菜料理、・・・・・・。
素敵なショットと解説から、様子、雰囲気、伝わってきました。
どれも、美味しそうですね。
健康に良さそうなメニューですね。いいですね。
見て、食べたくなりましたよ。
いつも、コメント&応援ポチに、深謝です。
応援ポチ♪♪
投稿: siawasekun | 2010年4月19日 (月) 04時03分
おはようございます。
のらぼう菜、とっても勉強になりました^^
どんなお野菜なのかとっても気になります☆
投稿: やまがたん | 2010年4月19日 (月) 06時36分
最近になって急に市場に出回るようになりました、これから人気が出る野菜かもね・・・秋撒きだそうなので種を見つけたら撒いてみたら?
投稿: ば~ば | 2010年4月19日 (月) 13時21分
菜の花のようですが苦味はなく、茎はアスパラに近いのでこれから人気の野菜になるかも知れませんね~
投稿: ば~ば | 2010年4月19日 (月) 13時23分
東京の西多摩では作付けが増えてきてます、クセがなく食べやすい野菜です
投稿: ば~ば | 2010年4月19日 (月) 13時25分
のらぼう、去年も色々と頂きましたよね~
どこかのテレビでやったのか
今すごい人気らしいです
お写真ではお味噌汁が一番美味しそう
うちは最近ベジタリアンな食卓です
投稿: ハニー | 2010年4月19日 (月) 14時18分
花芽のオカカ醤油
母がちょっとした所に作ってました、お浸しにしたり味噌汁に入れたりと重宝な菜です。これが出ると春本番の会津なのです。...ウコギのお浸しもたべたいな~、
夜勤明けでした。
本日のランチは
蕾のさくらでイタリアン
【小松菜とベーコンのぺペロンチーノ風】
でした。
投稿: 窯爺 | 2010年4月19日 (月) 16時49分
のらぼう菜は何年か前に限定で種が売られていたので育ててました。
去年は育てなかったのですが、ば~ばさんの記事を見たらまた育てたくなりましたよ~
そんなに優秀なお野菜だったんですね!
それなのに、野良にボォーッと生えていて役に立たないものって(笑)
最近は市場にも出回ってるんですか?
かえるはまだ出会ってませんが、これからメジャーなお野菜になるのかな?
投稿: でんぐりがえる | 2010年4月19日 (月) 19時12分
へぇぇ~こんな野菜もあるんですね~!!??
同じアブラナ科でも、うちのブロッコリーと比べると
貞淑な種族なんですな~(笑)
しかも、おいしいだなんて!!
投稿: koji | 2010年4月19日 (月) 21時05分
のらボォーって、可愛い~(◎´∀`)ノ
アスパラ風に食べるのが簡単そう!
今年の秋、種が手に入ったら、播いてみますね。
投稿: MONA | 2010年4月19日 (月) 22時23分
新聞に採り上げられ、その後TVも特集したので一気にポピュラーになりましたね
投稿: ば~ば | 2010年4月20日 (火) 08時02分
お母様は花やら野菜やらいろいろ栽培されていたんですね~
投稿: ば~ば | 2010年4月20日 (火) 08時05分
まだまだ地域的には広まってないんでしょうが、西多摩(とくに黒川)辺りでは産直への出荷が増えていますよ
投稿: ば~ば | 2010年4月20日 (火) 08時07分
丈夫そうなので今年のような不順な気候にもちゃんと育つんでしょうね
投稿: ば~ば | 2010年4月20日 (火) 08時09分
花や葉も美味しいんですが茎が甘くてアスパラみたいで・・・お勧め野菜です
投稿: ば~ば | 2010年4月20日 (火) 08時10分
今日、行きつけのイタリアンのお店で、『珍しい野菜があるよ』と言われて、初めてたべました。
ボンゴレ・ビアンコの仕上げに、さっと火をとおして頂きました。
甘みと、ほろ苦さがちょうどバランスよく、おいしかったです。
投稿: Satoshi | 2012年4月11日 (水) 02時27分
なぜかまだスーパーには並びませんが、八百屋や産直では買えますね。
ほろ苦さが春らしい味なのですが、大人向けなのでしょうか。
ご訪問と書き込みをありがとうございました
投稿: ば~ば | 2012年4月11日 (水) 07時44分
野良坊菜の川崎市菅地区で栽培が始まったのは、鎌倉幕府の御家人稲毛三郎重成の領地だったころ。十二世紀末、北条政子の妹が重成に嫁いだ時、出身地の伊豆から移住してきた家来たちが、のらぼう菜などの作物を持ち込んだ。と言うことです。
投稿: と学説会員 | 2012年4月26日 (木) 23時57分
近所(神奈川県川崎市麻生区)の生産緑地で栽培されたのらぼう菜が出回り始めました。
野菜炒めに混ぜるのも好みですが。煮物にするのが一番簡単だと思ってます。
揚げを刻み、豆腐は粗く砕く(焼き網に押し付けると一発で出来る)。ざっくり刻んだのらぼう菜は電子レンジで下茹で。全部を鍋に合わせ、濃縮麺類の汁で味付け。火にかけて全体に味が馴染んだらできあがり。
なぜかこれが飽きずに食べられる。そのままでも良いし、酒のツマミにも好適です。
投稿: ネコ | 2013年3月20日 (水) 13時02分
東京聖栄大学というところで英語教員をしている者です。ざるの上にのらぼう菜の束がある写真と「葉茎と粗びきウインナー炒め」の写真を、一枚のポスターに転用させていただけないでしょうか。11月の学園祭と代々木公園の東京食育フェアの大学ブースに展示するポスターに使わせて下さい。後者では大学の食品学科が東京都の特産農産品を紹介します。
投稿: 植芝牧 | 2015年9月20日 (日) 11時46分
どうぞご利用ください。
私は近所の産直で多摩地区の野菜を頂いています、美味しい東京野菜が残っていることが嬉しくて
投稿: ば〜ば | 2015年9月20日 (日) 14時28分