頂いた命の刻に感謝を
私はここに、夫の病気と治療の一部始終を書くことで、同じ病の方やご家族の方との思いの交換が出来れば・・・と思っています。
どんな病気でもそうでしょうが、普通に飲食が出来なくなる苦痛と切なさは『美味しく食べたい』という言葉の真意と、健康でいられる大事さを再確認させます。
普通に美味しいと思いながら食べられること、『美味しく食べたい』と思えるものを作ってあげること・・・誰もが長くそんな生活が続けられますように。
.
最近、亡き母の人生をよく考えます・・・とくに父が急逝したあとのことを~。
父は52歳でしたから、母は46歳だったんですね~。
あの日の想い出は母の様子より、父のことばかりが鮮明で・・・。
父の死に際に間に合ったのは私だけでしたから、母の哀しみより自分の悲しみばかり先立って・・・。
いま、思うと、もっと母に気を回してあげれば良かったのに~。
まだ、私も弟も学生で、母の悲しさやこれからの心配より、自分たちの学業が続けられるかなんて心配してたかも知れません。
.
事業家で政界にも関わり、ワンマンだった父の急逝で、父を惜しむ声の陰で母は何を思っていたんでしょう。
父は仕事のことは家では何も話したことが無い上に、家族とひと声も交わさず逝きました。
貸し金も借り金も、なにもかもが明細が分からぬまま・・・書類が無くなっていました。
貸した金は誰も返しには来ないけれど、借りた金は取り立てられて・・・会社まで乗っ取られました。
46歳、いまの我が家にしたら娘(42歳)とさほど変わらない年齢でした。
そんな中で、母は寂しさにも家計の厳しさにも耐えてきたのでしょう。
数年後、「私と同い年くらいの奥さんが、夫婦が仲良さそうに買い物や旅行してると・・・つい妬ましい、羨ましいと思っちゃうの」と、たった一度だけ小声でつぶやいたことがあります。
.
母は83歳で軽い脳梗塞を起こし、86歳からいろいろな余病を併発して、やがて寝たきりの1年を経て88歳で逝きました。
「いつまでも夫婦で仲良く」は母の願い、夢でした。
.
夫は事業家ではないので、父のように金銭のどうのこうのはありません。
それでも言い残しておきたいことはあるようで、最近、『覚書』のようなものを書き始めています。
「幸いに私は時間を頂きました。
お義父さんのように会話する間もなく逝かずに済みました。
事故やクモ膜下出血、心臓麻痺などで急逝した方に比べたら、毎日のようにあなたと話せる時間を頂いています。
.
あなたを残して逝かないと言った気持ちに嘘は無いんですよ~、でも、こればかりはね・・・。
だから、あなたがこれから迷うことが無いように、困ることが無いように、いろんな書類の種類と申請の仕方、そんなこと書いておきます。
私が元気なら、書き加えたり書き換えたりしますから・・・お義母さんのように騙されて泣いたりしないようにね。
お人好しのあなたは、振り込めサギに遭いそうで・・・あ、我が家には振り込めるだけのお金が無いですよね」
.
夫の癌のステージが高いことでうろたえて、自分を見失いそうな日もありました。
でも、退職した夫と顔を突き合わせていたって、こんなにたくさんの話をするだろうかと思うくらい、いまは話しています。
生かして頂いている日々を大切に、疎通を濃くしておきたいんです。
母が妬ましく、羨ましく思った夫婦像・・・それを長続きさせたいと思うんです。
*************************************
今日は食欲が少し戻ってきたと聞いたので、一昨日にサッパリして美味しいと言っていたキュウリ揉みと、シラスおろし和え、ニラ卵を持っていってみました。
七分粥、豆腐のお吸い物、厚焼き玉子のアスパラ添え、里芋の挽肉煮、ゼリー。
.
ニラ卵は、厚焼き玉子とダブるので冷蔵庫に入れておいて明朝に食べるそうです。
*************************************
私のランチは、雨で病院に直行しちゃったので、久し振りにコンビ二弁当です。
.
************************************
皆様からいっぱいお声を頂き、励まされて、夫も私も「生きる気力、勇気、希望」を頂いてきました。
たくさんの方から頂くコメントで「闘病しているのは私たちだけじゃない」と思えます。
同じような病の方、また看護中の方から頂くコメントに、希望が見えることもあります。
お返事を書きながら、そのことで気力が新たになります。
皆様に応援されながら、母の夢だった『高齢でも仲良くしている夫婦』でありたいと思います。
.
私たちは、頂いた命の刻を、皆様から頂く気力で、感謝しながら大事に過ごしていきます。
.
皆様の応援を頂いて、回復への願いはきっと通じると硬く硬く信じます。
ありがとうございます
富士通Azbyclub『プラチナブログ』殿堂(08・5)入り
改訂《ば~ばの食べ物事典》ご参考になれば幸甚。
♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:
『女神の料理レシピ』(服部幸應監修)の「鰤料理レシピ」と「各地の女神・男神より(お餅の美味しい食べ方教えて、アイディア5)」にも掲載されています。
« 7/13,今日の病院ランチ | トップページ | 愛すべき談話室の知人たち »
ばーば様
生かされていると言うことは
何と素晴らしいことでしょう。
お母様の夢「高齢でも仲良くしている夫婦」
あなたを残して逝かないと仰るご主人様のお気持ち
きっと神に届いていると思います。
頑張って下さい!
投稿: りこぴー | 2010年7月14日 (水) 00時21分
僕も目をそむけずに読ませていただきます。
投稿: koji | 2010年7月14日 (水) 00時22分
おはようございます♪♪
五目あんかけ焼ソバ、・・・・・・。
美味しそうですね。
素敵なショットから、様子、雰囲気、伝わってきました。
見て、食べたくなりましたよ。
いろいろ、・・・・・・。
ご苦労様です。
いつも、コメント&応援ポチに、深謝です。
応援ポチ♪♪
投稿: siawasekun | 2010年7月14日 (水) 04時06分
大変ご無沙汰しています。Lalaちゃんから聞いてサイトにきました。
私は3年ほど前に父を癌で亡くしました。今日このブログ読んで涙がでてきました。
私の父は病院に行くのをこばみ、すでに打つ手もなく、奇跡もおきず。。。でも医者には無理だといわれましたが、家族があきらめてどうするんだー。と思い、私は絶対元気になると、信じて看病を続けました。
ば~ば様、闘病も、看病も本当にくたくたになって大変かと思いますが、体に気をつけてくださいね。
私からおいしいものの差し入れができればいいのですが、
それもできないので、気持ちだけ送ります。
本当に素敵なご夫婦だな。と私もば~ばさま夫妻のようになれるよう、がんばります。
投稿: ねりり | 2010年7月14日 (水) 04時54分
ちょっと考えさせられる記事でした。
実は私も今からするには早いとは思っておりますが
自分にもしものことがあったとき、何をすればよいのか
金銭面はもちろん様々な手続きを残った家族でも分かりやすいように
作ろうと思っていたところだったものですから・・・
投稿: やまがたん | 2010年7月14日 (水) 06時27分
おはようございます。
毎朝 ば~ばさんのご様子 拝見しています
岡山は もうすぐ清水白桃が全盛期になります
ご主人 ば~ばさんにぜひぜひ食べていただきたいです
ハニーさんとのお写真拝見し やはり思っていた通りの
お二人でした
ハニーさん ば~ばさんのこと
くれぐれもよろしくお願いしますね
投稿: naomi | 2010年7月14日 (水) 06時36分
おはようございます。
ば~ばさまのお母様、そんなに早く旦那様を亡くされたのですね。どんなにおつらくさみしかったことでしょう。
私だったらきっと耐えられないです。
お母様にしても、旦那様にしても、ば~ばさまにしても、本当にお強いと思います。
そして、旦那様の温かい心、感動します。
投稿: Lara | 2010年7月14日 (水) 07時07分
ば~ばさん おはよう。
うちの義父と義母は、義父が逝くまで喧嘩ばかりでした。
それが二人の愛情表現なのだと義姉妹は言いますが・・
私は悲しかったです。
やぱり親には仲睦まじい姿を見せてほしいと思います。
穏やかで深い愛情を持ってば~ばさんを想い
前向きに病気に立ち向かうご主人様
優しくお互いを思い遣る、素晴らしいご夫婦ですね^^
若いうちにお亡くなりになったご両親様は、きっと!
天国で羨ましくも思いながら、誇らしげに見守ってらっしゃる事でしょう。
投稿: チーちゃん | 2010年7月14日 (水) 09時06分
私の父も58歳で天国に行ってしまったので母はいつも「連れ合いがいる人にはこの寂しさは判らない」といいます。だから少しくらい不満があっても居る事の大切さ、幸せを感じて欲しいと言います。
お母様が「夫婦が仲良さそうに買い物や旅行してると・・・つい妬ましい、羨ましいと思っちゃう」って本音ですね。友達も日曜日に旦那さんが仕事だから一人で買物に行きたくない・・・惨めに思えてきちゃうって言ってました。普段旦那さんが居る人でさえ、そう思っちゃうんだから、お母様は寂しかったんだと思います。うちの母も寂しそうですが、まだまだ仕事に追われているので、気がまぎれているのだと思います。
ば~ばさんち、旦那さんとこの時間を密に過ごされていて、とても微笑ましいと思います
投稿: 河津桜 | 2010年7月14日 (水) 09時13分
確かに…仲良しのお向かいの奥様の父上が5月に突然無くなったのです。
前日までは5ヶ月の孫と一緒に買い物をして、どんな週末を過ごそうかとしていた土曜の朝の事だったそうで…
駆けつけた時には既に心肺停止で…
夫はその話を聞き、自分の父と照らしあい「刻々と迫る時間の辛さ」を身にしみていたが、やっぱり時間をもらえてよかったとしみじみ言っていました。
今日のブログを読んで、もうどうしようにもなく涙が溢れ、色々考えさせられました。
夫が今いる事…どんなに大切な事か考えさせられます。
夫も、父も母も誰にでも、自分が相手がいつ何が有っても後悔のない様に優しく精一杯の愛情を表現して生きたいなと思いました。(照れ屋なんて言ってられないですよね)
いつも、勇気と感動を与えていただき、有難うございます。
応援
PS。飲む時はばーばさん大好きな方と一緒に集るのであれば嬉しい限りです。
投稿: chika0w0 | 2010年7月14日 (水) 09時26分
ば~ばさんのお母さま
早くにご主人さまに逝かれて・・・ご苦労を重ねたんでしょうねっ!【Q_Q】
ば~ばさんご夫婦は先の先をよんで対処策を考えておいでになる・・・
出来そうで出来ないコトですゎ【Q_Q】
投稿: こゆき | 2010年7月14日 (水) 16時25分
46歳なら今の私とそうは変わらない年齢ですね・・・
お母様の気持ち、少しだけわかるような気がします
夫婦で共に年を重ねたいと願う気持ちは皆同じですよね
我が家は二人だけですから、余計に沢山話をしておきたいです
生かして頂いている日々を大切に
疎通を濃くしておきたいんです
ば~ば様と同じような気持ちで日々を送れたらと思います
投稿: プチトマ | 2010年7月14日 (水) 21時17分
突然にご主人を失ったお母様のご苦労を想いました。
今とは違いますものね。
今を大切に。
いつも思います。
投稿: MONA | 2010年7月14日 (水) 22時35分
こんばんは! 今日も暑い日でしたね。
気を張っていると 自分のことがなおざりになります。 どうぞご自身の事も気遣って下さいね。
私は両親を急性心筋梗塞でなくしました。血筋を引き継いでいますから、誰にも何も言えないでさようならをするでしょう。
今を大切に! 心から消えたことは ありません。
今、幸せよ、ありがとう!っていう気持ちもなるべく伝えるようにしながら、わがままな奥さんです(>_<);
投稿: Tao | 2010年7月14日 (水) 23時30分
死後の生活や、葬儀の話を持ち出すのは不謹慎にも見えますが、話し合っておくことも大事ですよね~
投稿: ば~ば | 2010年7月15日 (木) 07時04分
年齢に関係なく何かことが起きた時の対応を話し合ってみるのは大事かなぁと
投稿: ば~ば | 2010年7月15日 (木) 07時06分
毎日の応援、コメントありがとうございます
投稿: ば~ば | 2010年7月15日 (木) 07時07分
お気にかけていただいてありがとう、闘病は本人も看護者も大変ですが、そんな日々が生かされていると思える時間なんですものね、頑張ります
投稿: ば~ば | 2010年7月15日 (木) 07時10分
死後のことをキチッとしすぎるのは不謹慎ではなく家族への愛だと思うんです
投稿: ば~ば | 2010年7月15日 (木) 07時13分
かつては時季になると岡山【天満屋】から白桃が届いてました、懐かしい~
投稿: ば~ば | 2010年7月15日 (木) 07時17分
いま思うと母は若かったんですね~、いまにして可哀想だったなぁと思います
投稿: ば~ば | 2010年7月15日 (木) 07時22分
母が望んでいた高齢の仲良し夫婦、とまで仲良しかどうかは別にして、たまに口喧嘩しながらもなんとか遣っています
投稿: ば~ば | 2010年7月15日 (木) 07時26分
病院近くの駅ビルなどで元気そうな夫婦が買い物しているのは微笑ましくも羨ましい(夫が居るのに~)・・・で、今更ながら母は寂しかったんだ~と思ったの
投稿: ば~ば | 2010年7月15日 (木) 07時32分
年齢に関係なく、家族への想いとして夫婦でお互いに何かの時用ノートなど書いておくのも大事ですね・・・書き足したり書き直したりすればいいんだもの
投稿: ば~ば | 2010年7月15日 (木) 07時37分
私は根っからのアホですが、夫が先のことも考えるタイプで良かったかな~
投稿: ば~ば | 2010年7月15日 (木) 07時39分
出来るだけ子供たちには手数をかけたくないので、二人で出来るだけ遣ってみようと~・・・そのためにはいろんな話をしていないとね
投稿: ば~ば | 2010年7月15日 (木) 07時42分
病気したりすると身に沁みて元気に生かされている刻が大事だと思いますね
投稿: ば~ば | 2010年7月15日 (木) 07時44分
いろんな想いをノートに残しましょう、家族宛のメモは走り書きでもノートに記したほうがいいかと私も書き始めました
投稿: ば~ば | 2010年7月15日 (木) 07時47分