ホスピスへは行かない
どんな病気でもそうでしょうが、飲食が出来なくなる苦痛と切なさは『美味しく食べたい』という言葉の真意と、健康でいられる大事さを再確認させます。
普通に美味しいと思いながら食べられること、『美味しく食べたい』と思えるものを作ってあげること・・・誰もが長くそんな生活が続けられますように。
.
「もし、ホスピスへの転院を望まれるなら紹介状を書きます。
予約・順番制などがあるので直ぐに入所は出来ないでしょうが、Tさんは一刻を争う状態でもないので何とか間に合うでしょうから~」
退院を前に担当医からそんな話しがありました。
.
私もネットでいろいろ調べたことはあるんです。
運営する法人によって、対応の違い・費用の違いなど大き過ぎて迷って(疑問視して)いました。
殆どは保険外の高額療養になりますしね。
.
ホスピスの多くは治療・延命的な薬の服用や点滴は認められません。
体と心が自然に安らかに死を受け入れる…それがコンセプトなのです。
飲食できなくても点滴で栄養を補うことは滅多にしないそうです。
紹介して貰えるところも、点滴は出来なくなるだろうとのこと。
それだけで、水も飲めない状況の夫は拒否しました。
穏やかな死の前に、いま干乾びる体を湿らす点滴が欲しいと。
.
いまかかっている一般の病棟でも緩和治療はできます。
痛みのコントロール(疼痛緩和)や、吐き気、呼吸困難など諸症状の緩和が主です。
当初は“痛み止め”で苦痛を和らげ、やがてモルヒネを使って神経を麻痺させます。
ただ、医療機関では、そういう薬の使用時間に間隔の制限があります。
だから、その間のブルーを安らげ支えることは…私が遣らなければ。
.
やがてモルヒネ、ガス麻酔になって意識が混濁すれば何処も同じ。
「私の最期を癒そうとなけなしのお金を使い果たすことはありません。
これから生きていくあなたに残しておかないと~。
もう私はあなたに何もしてやれないし、あなたが病気になっても手も貸せない。
あなたは一人で我が身を守っていかなきゃならないんですからね」。
.
末期のその先まで考えて、自分のことより残していく私を心配する夫です。
.
***************************
今日の晩ご飯は鶏団子とジャガイモ煮、春雨とシーフードMIXサラダ、長芋とオクラ、甘塩紅鮭、枝豆と蕪漬物。
殆ど残るでしょうが、いろいろ並んでいたら食べられるものや食べたいと思うものがあるかも知れないですからね。
でも、やはり食が進まず、どれも一箸だけ。
.
胃や食道を失い気管にも癌瘻孔、遠隔転移しても諦めずに頑張ってきました。
それも皆様の応援に力を頂いて励まされてきたおかげです。
夫には穏やかに1日でも長く生きていて欲しいと切に思います。
これからも、最期まで見守っていただけますようお願いします。
富士通Azbyclub『プラチナブログ』殿堂(08・5)入り
改訂《ば~ばの食べ物事典》ご参考になれば幸甚。
♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:
『女神の料理レシピ』(服部幸應監修)の「鰤料理レシピ」と「各地の女神・男神より(お餅の美味しい食べ方教えて、アイディア5)」にも掲載されています。
« 最期までは自宅で | トップページ | 息子の想い »
コメント
« 最期までは自宅で | トップページ | 息子の想い »
こんばんは!
旦那さんはホント素晴らしいお方ですね。
私も、旦那さんのような男になりたいと思いました。
少しでもお二人が長く一緒に居られるように祈っています。
投稿: ちぃののパパ | 2011年9月22日 (木) 20時41分
ばーば様、お疲れさまです。

本当にじーじ様は、強くて優しい方ですね
ずっとずっと、長くお二人の時間が続くように願うばかりです
じーじ様、ばーば様、お二人を感じていると、今一度、自分の生き方や、パートナーに対する気持ちや接し方を考えさせられます。
人生、病に限らず、いつ、何が起きるか分かりません。たとえ今、健康であっても、お互い、パートナーと一緒にいられる時間に、誠実に向き合い、自分を偽らず、わだかまりや誤解があれば話し合い、感謝の気持ちや、思いやる気持ちを、きちんと言葉に出そうと、またあらためて思いました。じーじ様、ばーば様には教わる事ばかりです
投稿: エイ | 2011年9月22日 (木) 22時00分
この会話がとてもつらいです。
でもとても胸が熱くなりました。
じ~じさんはお金の事とか、点滴のこともそうですが、何よりば~ばさんとの日々を大事にしたいんじゃないかと思います。
台風は大丈夫でしたか?
味気ない病院食から解放されただけでもじ~じさんの力になりますよ!
投稿: でんぐりがえる | 2011年9月22日 (木) 23時48分
本当にご主人さま、思いやりのある方ですね。
ところでホスピスは、昔、その名前を聞き始めた頃は、いいのかなと思っていましたが、最近はホスピスに対するイメージが変わってきました。(あくまで私が持つイメージです)
ホスピスに行くというと、もう何の望みもなく、精神を落ち着かせて、最期を待つだけという感じで、私もあまり行きたくないですね。
最期の最期まで希望を持っていたい。
家で家族と過ごし、点滴で栄養を補充したいですよ。
ご主人さまとば~ばさまの選択、いいと思います。
投稿: persian | 2011年9月23日 (金) 00時06分
おはようございます♪♪
鶏団子とジャガイモ煮、・・・・・・。
食べたくなりましたよ。
いろいろ、・・・・・・。
ご苦労様です。
昨日のご質問についてですが、・・・。
→ こちらも、台風による被害なく、良かったです。
昨日も、コメント&応援ポチに、恐縮です。
応援ポチ♪♪
投稿: siawasekun | 2011年9月23日 (金) 01時50分
ば~ばさん
台風の中での退院はかなり大変でしたね 本当にお疲れさまでした。
ご主人さまが望まれる自宅での療養!
ば~ばさんの負担はいかほどかと思うと 胸が熱くなります。
ご自愛なさりながら ご主人さまとの時間を大事にお過ごしくださいませ。
いつも陰ながら応援してますから~
ば~ばさん! p【´∇`】q ファイトォ~♪
投稿: こゆき | 2011年9月23日 (金) 03時47分
自分の行く末よりも残していくばーば様のことを気にかけるお気持ち。
私もなんとなく分かる気がします。
自分の痛みは耐えられますが、人の痛みは辛いですから・・・
気がかりで気がかりで仕方が無い旦那様のお気持ち、お察しいたします。
でもこんな状況でもばーば様のことを心配なさるって
ほんと見事な夫婦の絆だと思います☆
投稿: やまがたん | 2011年9月23日 (金) 07時08分
ホスピスよりば~ばさまと一緒にいられるご自宅が一番ですよね。旦那様はば~ばさまがこんなに親身になって介護していらっしゃるのだから本当にお幸せだと思いますよ。
前からずっと仲良しご夫婦でしたけど、一層寄り添うお気持ちが強くなられたのが分かります
投稿: Lara | 2011年9月23日 (金) 12時59分
選択が狭まってきましたね。
それでも冷静に現実を見つめるばーばさん。
あなたは何て聡明な女性なのでしょうか。
ご主人の選択ですね、私がとるのも。きっと。
義母は100才で天寿を全うしたのですが、点滴も
当然とりませんでした。そのままです。
けど、ご主人の場合は違うもの。苦しむのが自然
ではないね。どんなときも、応援しています。
投稿: みどり | 2011年9月23日 (金) 14時02分
いつも温かなお心遣いを頂いて力になります、ありがとうございます
ちぃのパパ様
ありがとうございます、体力は無くなりましたが気力だけは一杯です
エイ様
夫婦も親子もそれぞれ1人間・1人格として話し合えるようにしてきました。
いつ何があるか分かりませんものね、朝は笑顔で出かけ、送りたいですね
でんぐりがえる様
狭くても我が家、気取らず素で居られる場所ですものね、いいんでしょうね
persian様
我が家に居て、いろんなお喋りして点滴もして、それが気持ちの平穏になることも多いですしね
siawasekun様
毎日のご訪問と応援コメントに励まされております、感謝致します
こゆき様
自宅での看病は介護人が一人だと負担が大きいですが、多くの皆さんが頑張られてますもの、私も頑張ります
やまがたん様
一人暮らしになる私のことが気になるようで、そんな話しばかりしています
Lara様
二人で暮らしていると労り合わないとね、諍いの後は修復が大変ですもの
みどり様
水分が摂れないので点滴しないと脱水症になります、点滴は命の水ですね
投稿: ば~ば | 2011年9月24日 (土) 07時40分